「サイトリニューアルで悪化」の悲劇を防ぐ、企画段階での3つの手順


リニューアルで悪化を防ぐ3つのポイント

ビービットの営業時代に、クライアントからの相談として「リニューアルしたら成果が下がってしまったので何とかしてほしい」というものがありました。

企業Webサイトは、販売・会員獲得等のビジネス目的をもって運営されており、リニューアルはその目的達成をするための手段です。
しかし、その目的達成の要件を明確にせず、装飾的なデザイン性を優先したリニューアルは、失敗の憂き目にあうケースがままあります。

リニューアル時には、ビジネス目的を整理した上で、

  • 1. 現行サイトの長所・工夫はどこか
  • 2. 現行サイトで直すべき点はどこか
  • 3. 直すためのアイデア(改善案)は妥当なのか

の3点をリリース前に確認すべきです。

「秘伝のタレ」を失わないために

あるECサイト運営企業様から「リニューアルで成果が下がった」という相談を頂きました。

そのECサイトは、サイト開設当初から社長自らがサイトをヘビーユーザとして使い込み、ユーザ視点で様々な改修・改善を重ねていました。
デザインは古臭いものの、微に入り細に入り作りこまれたものだったのです。

しかしリニューアルとして、外部Webコンサル企業を入れてデザインを大きく変更した結果、直帰率が10%悪化・売上も大幅低減という大ダメージを負ってしまいます。

その失敗を振返り、社長が仰っていたことが非常に象徴的です。

これまでのウェブサイトは、色々な課題や要望を反映して作り上げた「秘伝のタレ」だった。
表面的にリニューアルをしたことで、そのタレを投げ捨ててしまった。
どこにもノウハウが溜まっていないので、秘伝のタレの「レシピ」は私自身にも分からない。

作りっぱなしで放置されているサイトは論外ですが、経営者や現場が長年の運用改善で作り上げたサイトには、様々なノウハウや工夫が詰まっています。
その価値を低く見積もった、流行のみを追いかけたような表面的なリニューアルは、手痛い失敗につながることがあります。

そうした悲劇を起こさぬためには、

  • 日々の変更・改善を記録に残す
  • ユーザ目線での「長所・使いやすさ」を整理する
  • 全面リニューアルは出来る限りさけ、改修を積み重ねる

等を意識する必要があります。

 

「何となくリニューアル」にせず、課題を明確にする

リニューアルでは必ず「何を直すべきか」を明確にすべきです。

つい先日もとあるサービスで、リニューアル完成間近になって「このリニューアルに何の意味があるのか?」という議論が社内で持ち上がり、数ヶ月に渡る開発工数をいったん止める、というケースがありました。

「作りながら考える」というのは非常に重要ではありますが、「リニューアルのためのリニューアル」にならぬように、「何が直すためのリニューアルなのか」を強く意識すべきです。

具体的には、少なくとも、

  • どこを直すべきか(アクセス解析・ヒートマップなど)
  • どう直すべきか(ユーザテストなど)

の2つを明確にすべきです。

このあたりは以下の記事で考え方を述べているので、ぜひご参考にしてください。

アクセス解析 ・ヒートマップツール・ユーザテストの使い分け

 

「ぶっつけ本番」は危険で怖い。プロトタイピングで必ず検証しよう

課題が明確でも、その改善アイデアが本当に有効なのかは検証しないと分かりません

飛ぶ鳥を落とす勢いのUXデザイン企業でのプロジェクトでのエピソードをご紹介します。

数ヶ月間のプロジェクトで作りこんだ自信のあるデザイン案を、いよいよ納品間際でした。
その直前で、クライアントが独自にユーザテストを行いました。
するとその結果は「現行サイトの方がよい」というもの。
プロジェクト終了後、頑張って作ったデザイン案は結局実装されないことが決まってしまい、チームメンバーは頑張った甲斐なく、意気消沈してしまったそうです。

この例では、最終リリースに至る前に課題が分かったことがせめてもの救いといえそうですが、もっと早いタイミングで検証を行っていれば、ダメージを更に小さなものに食い止められたはずです。
このような結果を防ぐためのベストプラクティスは、プロトタイピングとユーザテストを何度も繰り返すことです。
これは世界的なデザインエージェンシーのIDEO社が採用するアプローチでもあります。また、私の前職ビービットでも、1プロジェクトで数回はプロトタイピング→ユーザテストを繰り返していました。

プロトタイピングの具体的な作り方はこの記事をご参照ください。

 

まとめ:リニューアルで失敗しないためには

いつも通り長文になってしまったので、まとめます。

リニューアルで失敗しないためには、

  • 「秘伝のタレ」を失わぬよう、現在の良い点・工夫を棚卸しする
  • 「リニューアルが目的」にならぬよう、何を直すべきかを明確にする
  • 「ぶっつけ本番」はさけ、プロトタイピングとユーザテストを繰り返す

の3点が重要です。
「秘伝のタレ」の保管方法については私自身も完全な解決策は見つかっておらず、ぜひ事例があればご共有ください。

「何を直すべきかの特定」「プロトタイピングとユーザテストでの改善案検証」などのプロセスは、まさに弊社サービスがご支援できる領域ですので、ぜひお気軽にご相談くださいませ。


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池田 朋弘

池田 朋弘

株式会社ポップインサイト代表取締役CEO。株式会社ビービットで、ユーザテスト・ユーザ行動観察を軸にしたコンサルティングで、売上1.5倍・問合せ10倍等の実績を出す。二児の父。「ユーザ視点をもっと間近に」をミッションに日々奮闘中。


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