ロンドンのコンサルファームが使う・Webアナリティクスのテクニック6選


ニューヨークやロンドンに展開するコンサルティング会社、Conversion Rate Experts社が、UX(ユーザーエクスペリエンス)とCRO(Conversion rate optimization コンバージョン率最適化)のための27つのテクニックをまとめたインフォグラフィックを発表いたしました。

この記事は、Conversion Rate Experts社の許可の元、テクニック1〜テクニック6(Webアナリティクス、ヒートマップ、セッションレコーディング、フォームアナリティクス、ライブチャット、Cobrowsing)について詳細に書かれた記事を翻訳したものです。

元記事は、Techniques 1–6 of “Tools for UX and CRO: The Ultimate Guide for 2017”です。

テクニック1:Webアナリティクス


WebアナリティクスはCVのために重要です。しかしそれは全体像の一部でしかありません。

WebアナリティクスによりWebサイトの訪問者の詳細情報(どこから来て、どのリンクをクリックしたか)が分かります。その情報はCRO(コンバージョン率最適化)のために大切ですが、全体のストーリーの小さな一部分でしかありません。ちょうどスーパーマーケットの監視カメラのようなもので、訪問者がどこから入ってきたかの空間的情報は得られますが、なぜ訪問者が来たのかはわかりません。訪問者が店内のどこを歩くかは分かりますが、何を考えているかはわかりません。訪問者がいつどこから店を出て行ったかを正確に知ることはできますが、その理由はわかりませんし、それについてどのように対応すれば良いのかはわかりません。そこで、テクニック5から登場する定性的なツールが必要になります。

あなたはプロジェクトの初期のフェーズ、すなわちWebサイトのどのページから手を付けようか悩んでいるフェーズでは、Webアナリティクスが最も有効であると感じるでしょう。そしてそれにより、この記事のシリーズの他のテクニックで登場するツールをどのページで使えばよいかが分かります。もしあるページを誰も開かないならば、そのページを変更しても何の効果も期待できません。既にCVRが100%に達してしまっているページについても同様です。Webアナリティクスにより、CVに至るまでの最も多くの人が辿る道筋を見つけ出すことができます。また他のツールと組み合わせることにより、現在うまく機能していない他の要素についても対応することが可能になります。

Webアナリティクスツール

無料にもかかわらず、Googe Analyticsは洗練された強力なウェブ分析サイトです。それはほとんどのウェブサイトにとっては十分であり、我々のクライアントのほとんどがGoogle analytics、もしくは企業向けのGoogle Analytics 360を利用しています。

Google Analyticsの代替品としてAdobe AnalyticsWebtrendsQuantcast Measure, Woopra, Piwikがあり、モバイルアプリ向けにFlurry Analyticsがあります。

KissmetricsMixpanelはCVマーケターにとって有益な拡張機能を実装しています。例えばコホート分析では、長期間に渡る訪問者たちがどのように行動するかが分かります。Amplitudeではユーザーウェブサイト内やアプリ内でどのように行動するかが分かります。

テクニック2:ヒートマップ

Webアナリティクスがリンクのクリックを観察するツールであるのに対し、ヒートマップはページのどこがクリックされたかを見るツールです。そこにはちょっとした違いがあります:ヒートマップではリンクではないところのクリックであっても観察することができます。この情報は以下の画像のように見ることができます。


Crazy Egg
のコンフェッティマップでは、リンクの有無にかかわらず訪問者がどこをクリックしたかが分かります。

ヒートマップにはいくつかの強みがあります。

1.ヒートマップにより、クリックはされているが、クリックできない箇所が分かります。つまり、訪問者がクリックしている箇所はリンクではありませんが、リンクにしておくべき箇所であることが分かるのです。例えば、訪問者が製品の写真をクリックしているならば、おそらくその写真がクリックにより拡大されるか、もっと多くの情報を見られるようにするべきでしょう。彼らは特定の写真がナビゲーションであると思い込んでいるのでしょうから。

2.また、ヒートマップによりページのどこが最も注目されているかがひと目で分かります。これが特に有用なのは、ウェブ分析に詳しくない人に対して説明を行うときです。

3.もし複数の同じURLがページ上にあるときー例えばある製品のリンクが3つある時ークリックマッピングは訪問者がどのリンクをクリックしたがが分かります。これはWebアナリティクスでも可能ではありますが、設定にはちょっとした手間がかかります。

4.訪問者がページのどのあたりまでスクロールしたか、気になったことはありませんか?多くのヒートマップツールで、簡単に解釈できるスクロールマップによってその答えがわかります。もし長いページがあるならば、スクロールマップはページのどのあたりが最も注目されているかがわかります(平均的な閲覧時間に基づいて色付けされます)。これはあなたのサイトの訪問者にとってどこが重要かを知る上で大切なことです。もしあるページが「ニセの最下部」ー実際にはもっと下までページが続いているのに、あたかもそこがページの最下部であるかのようなデザインーになっているとすれば、スクロールマップ上でも訪問者はスクロールをしていない様子が見られます。(そして次に調べるべきことは、訪問者がスクロールしなかった本当の原因はそのデザインにあるのか、あるいはスクロールしたくなるほど興味がなかったのか、ということです。)

あなたのWebサイトの最も重要なページと、あなたがユーザビリティに問題があると感じているページについて、ヒートマップツールで分析をしてみることをおすすめします。

もちろん、ヒートマップから得られるほとんどの結果は予期できるものですが、しかしそれはヒートマップを使うべき理由ではありません。予期できる結果は気にせずに、異常な箇所を探して下さい。

ヒートマップツール

私達はCrazy Egg (モバイル対応)、Hotjar (モバイル対応)、ClickTale(モバイル対応)、そしていくつかの類似の機能があるA/Bテストツールをよく使います。ほかにもFullstoryInspectletDecibel Insight (モバイル対応)、JacoLucky OrangeMouseStatsPtengineUsabilityToolsUserTrackZeeratがあります。

テクニック3:セッションレコーディング


Hotjarのセッションレコーディングでは訪問者があなたのウェブサイトでどのようにつまずくかがわかります。

Webアナリティクスはページ間の移動を観測します。それに対し、セッションレコーディングでは、各訪問者のキーストロークとマウスの動きを見ることで、各ページで訪問者が何をしたかを知ることができます。

セッションレコーディングツールは以下のような方法で利用できます。

1.セッションの再生
訪問者があなたのwebサイトを見ている時のスクリーンの録画を見ることができます。彼らの肩越しに見ているかのように、その様子を観察することができます。また、属性(訪問者の国籍、ウェブサイトへの訪問回数、訪問したページ数など)に基づいてどの録画を見るかを選択することができます。同じページに何度も戻ってきてしまうような閲覧に苦労している人の録画を見ると良いかもしれません。

2.人々がどのようにWebサイトを利用しているか、感覚を得る
セッションレコーディングツールは、ユーザーテストの代わりになるものではありません。しかし、2〜3の動画を見ることで、人々がどのようにWebサイトと関わりあっているか、良い知見を得ることができるでしょう。

3.エラーを見る
ユーザーが遭遇したエラーのレポートを見られます。

4.離脱点を分析する
どこで訪問者が離脱するかを見ます。ClickTaleは特にこの分析を簡単に行えるツールです。

5.スクロールマップ
訪問者がどこまでスクロールしたかを教えてくれます。

セッションレコーディングツール

このために私達がよく用いるツールは以下のものです。
ClickTale (モバイル対応)、セッションレコーディングにおけるパイオニア的存在のツールです。 他には、Hotjar(モバイル対応)、InspectletUsabilityToolsUserReplaySessionCamFullStoryDecibel Insight (モバイル対応)、Mouseflowがあります。(各ツールには複数の機能があり、よってどのツールを選択するかはクライアントの要求によって変わります。また、プロジェクトを開始した段階で、クライアントが既にツールを利用している場合もあります。

テクニック4:フォームアナリティクス


もしあなたのサイトにフォームがある場合、フォームアナリティクスツールが必要です。

フォームアナリティクスツールによりどのように人々がフォームを利用しているかが分かります。このツールは極めて重要です。なぜならフォームを見ている訪問者はCVする可能性が高いからです。なぜ彼らが逃げていってしまうのかを知ることで、大きな利益を得ることができるでしょう。

このツールは多くの問題点を指摘することができます。例えば・・・

・フォームにおける最終的なゴール
どれほど多くの訪問者がそこにたどり着き、何パーセントがフォームを利用し、送信しようとし、無事送信完了するか。

・何パーセントが各フォーム欄で離脱しているか
これを知ることにより、機会損失を引き起こすフォームを修正するか消すかの判断することができます。

・訪問者がどれだけの時間を各フォーム欄で費やしたか
あるフォーム欄において訪問者が諦めなかった場合であっても、それはフォームの最初の方でありまだモチベーションが高かっただけかもしれませんし、そのあとで諦めるかもしれません。

・どの欄が空欄になりやすいか
空欄はしばしば欄が紛らわしいか怖いことを示します。このような欄は訪問者がフォームを完了することの妨げとなります。

・どのブラウザとデバイスのパフォーマンスが弱いか
あなたのフォームは画面の小さいモバイルデバイスには向かないかもしれません。

フォームアナリティクスツール

ClickTaleのオプション(モバイル対応)、Hotjar(モバイル対応)、FormisimoDecibel Insight(モバイル対応)、SessionCamInspectletがあります。

テクニック5:ライブチャット

ライブチャットツールは多くの理由で有益です。訪問者をCVさせること、彼らの不満を知ること、彼らの不満への打ち手を試すことなどです。

ライブチャットによりあなたにわざわざ電話をかけてくれない訪問者の意見を聞くことができます。このような訪問者はライブチャットの方を好むかもしれません。次のような理由からです。

・公の場所にいて、話を聞かれたくない
・電話と違い、お金がかからない
・電話の応答を待つ煩わしさがない
・ライブチャットの方が電話よりも気楽に感じる

ライブチャットは次のことを教えてくれます。

1.どのページが問題か
2.どの製品について人々が質問をしているか
3.訪問者の主な疑問、不安、反感は何か
4.どのような回答、保証、打ち手が訪問者にさらなる行動を起こさせるために有用か

ライブチャットは更に2つのメリットがあります。

・もしあなたのカスタマーサービスチームがライブチャットを提供しているのであれば、履歴を見ることでWebサイトに応用できる知見が得られるかもしれません。

・もしカスタマーサービスチームが回答用の定型文を使用しているならば、それを分析してみて下さい。定型文は純粋で、洗練されたベストなものでなければいけません。

・ライブチャットを使用すると、訪問者の行動を促すことで、コンバージョン率を高めるかもしれません。

ライブチャットツール

ZenDesk Chat, LiveChat, Drift, FreshDesk, Olark, LivePerson, HappyFox, SnapEngage, LiveAgent, Intercom(Webアプリ用)、Comm100です。Intercomなど、これらツールのうちのいくつかは訪問者を追跡し、助け、CVさせる手助けをしてくれます。

テクニック6:Cobrowsing(画面共有)

Cobrowsing(画面共有)ツールにより訪問者がカスタマーサポート担当者のスクリーンを見ることができます。画面共有が特に有効なのは、訪問者が何を見ているかがわからない時です。例えば、訪問者が動的に生成されるページ(検索結果やウェブアプリのインターフェイスなど)を見ている時です。

Cobrowsingツール

Cobrowsingツールには、PegaOracle Service Cloud 、Surflyなどがあります。


画面共有はあなたの顧客を手助けできるようにしてくれます。この気味の悪いサーフの画像に比喩的に描かれているように。


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株式会社ポップインサイトの公式キャラクター、ポップくんです。ユーザビリティやユーザテストをはじめとして、Webマーケティング全般にわたり、皆様に役立つ情報を発信してまいります。
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