デプスインタビュー・ユーザーから価値ある回答を引き出す15のコツ


この記事はuxdesign.ccの記事を許可のもと翻訳したものです。

翻訳元記事:Asking the right questions during user research, interviews and testing (2017/3/21)
著者:Fabricio Teixeira

ユーザーインタビューはアートです。デプスインタビュー、ユーザビリティテスト、フォーカスグループ、エスノグラフィーなど、いかなる調査方法でもアートと呼べるでしょう。これからお伝えする内容は、ユーザーに投げかける適切な質問、また正しく質問する方法においてとても良い練習となります。

質問設計フェーズでのコツ5つ

デプスインタビューなどのユーザーインタビューは多大な努力と計画を必要とします。リサーチの規模によって準備に数週間費やしたり、ユーザーとの打ち合わせに数日、またメモの保存や整理に数時間必要になるかもしれません。適切な質問を計画する時間を取らなかったばかりに全てが水の泡になってしまう。これは絶対に避けたいですよね。

1. より広範囲なテーマを定義することから始める

インタビューを通して何を引き出したいのか真剣に考えること。当たり前なようですが、これがまずは第一段階です。
この時点では、見出そうとしている「テーマ」を考えることに専念し、具体的な質問については一旦置いておきます。
そして、それがユーザーと話す際に触れたいトピックだと他のチームメンバーと共有するのを忘れないようにしましょう。

「テーマ」のがどのようになるかいくつか例を挙げます。

「人はなぜオンラインで買い物をするのか?」
「人はオンラインでどのように買い物をするのか?」
「顧客にとって、オンラインとオフラインでの買い物の違いは何か?」

2. 質問は答えやすいようにブレークダウンする

上記のテーマは似たように感じるかもしれませんが、それぞれが見出そうとしている事柄には根本的な違いがあります。リサーチにおけるより大きな目標に向かってチームと連携してください。これは後に、プロジェクトにかける膨大な時間の節約につながります。

上記に述べたのは「テーマ」であり、実際にユーザーにする「質問」ではありません。仮に質問したとしても、一般的な回答かもしくは曖昧な回答しか得られないでしょう。次の段階では、それぞれのテーマでユーザーに投げかけるべき具体的な質問についてブレークダウンしていきます。

第一段階:
「なぜ人はオンラインで買い物するのか?」

第二段階:
「あなたはどのような商品を購入しますか?」
「オンラインでの購入を避けたい商品はどのようなものですか?またなぜですか?」
「決済手順についてあなたが最も好む方法、好まない方法は何ですか?」

3.回答に影響を与える質問はしない

インタビュー時の質問の構成でよくある間違いは、物事を急ぐあまり予想通りの回答をできる限り早く得ようとしてしまうことです。インタビュー室に入る段階で、あなたは既にユーザーがどんな回答をするか検討がつくでしょう。但し、公平で先入観の無い結果を得るためにはその直観に影響されることなく真っ新な姿勢で臨む必要があります。

改善前:
「オンラインでの購入が上手くいかなかった場合、あなたはどれくらい心配しますか?」

改善後:
「何らかの理由が原因でオンラインでの購入が上手くいかなかった事例を思い出してください。その時どのように感じましたか?」

4.過去における特定の瞬間について質問する

回答から曖昧さを減らし、正確性を高めるには、ユーザーが過去に体験した状況、かつ特定の時点について考えてもらう必要があります。そうすることで、より正直で詳細な回答を得ることにつながります。ユーザーは、特定の出来事を思い出すために懸命になってくれるでしょう。こういった状態に促せる質問であることを確かめておいてください。

改善前:
「オンラインでの買い物が失敗に終わるとします。どんな考えが頭をよぎりますか?」

改善後:
「あなたが前回オンラインで何か購入を試みたにもかかわらず、失敗に終わってしまった時、どんなことが頭の中に浮かんだか教えてください。」

5.オープンエンドな質問を優先する

オープンエンドとは調査対象者が自由に回答ができ、答えがひとつとは限らない質問のことを言います。
ユーザーによってはインタビューを心地良く感じ、こちらが促さなくても詳細且つ完璧な回答をしてくれる方もいます。しかし、聞かれた質問にだけ答えるというユーザーがいるケースもあります。怠けているとか意地悪ということではなく、人によって性格が違うということです。
非生産的なインタビューセッション(または終了までが短すぎるセッション)を避けるためにはオープンエンドな質問であることを確実にしておいてください。究極な二者択一の質問ではなく、ユーザーが回答について詳細を述べられる余地を残すようにしましょう。
改善前:
「あなたが前回オンラインで購入したものは何ですか?」

改善後:
「あなたが前回オンラインで購入したものについて聞かせてください。」

インタビュー開始時のコツ4つ

台本を片手に、いよいよインタビューを始める部屋に足を踏み入れようとしています。ユーザーと顔を合わせたら、ユーザーがインタビューに対しリラックスできているか確認してください。質問に移る前に場を和ませるためのヒントをいくつかご紹介します。

6.役になりきる

あなたはもはやデザイナーでありません。リサーチャーなのです。人はオンライン上でどのような行動をとるかとても興味があり、特に今会おうとしているユーザーの個性豊かなストーリーを聞くことに興奮しているリサーチャーです。
この新しい役に入り込むため、インタビュー前に少し時間を取るようにしましょう。呼吸を整え、顔のストレッチをし、デザイナー特有の疑り深い考え方があるなら今ここで捨て去ってしまいましょう。

7.正しい姿勢を保つ

視線を合わせ、体を乗り出し、腕を組むようなことはせず、常に好意的な表情を保つようにします。ユーザーの回答の如何にかかわらずです。あなたのボディー・ランゲージは、可能な限り多くのことユーザーから学ぶためにそこに座っている、という事実を映し出すべきです。

最も大切なことは、笑顔を絶やさないことです。笑顔はあなたの声と態度をよりフレンドリーに感じさせます。これは間違いなくユーザーを安心させ、正直な回答を引き出すことを促します。

8.正解、不正解はないことを伝えておく

少し当たり前に聞こえますね。ただ、これは毎回使えます。ユーザーにはそもそも回答に正解、不正解はないことを教えてあげてください。また、モニターは「ユーザー」の能力を測定するためではなく、明確さ、便利さ、そして使いやすさといった「プロダクト」の能力をテストするためにそこに座っている。この点についてユーザーが正しく理解しているか確認してください。

9.ウォームアップ用の質問から始める

セッションは、シンプルでフレンドリー、軽めな質問からはじめ、あなたが見出したいより深いトピックへ突入するのはその後にします。一般的には、ウォームアップの質問はセッションのより広範囲なテーマに関連させるべきです。但し、過度に複雑である、または具体的であるべきではありません。

「お仕事は何をされていますか?」
「あなたの趣味を教えていただけますか?」
「自宅ではどの位の頻度でパソコンを使用されますか?」
「あなたがオンラインで買い物をする頻度はどれ程ですか?」

インタビュー中のコツ6つ

あなたは今波に乗っています。幸運にも、現時点でインタビューは申し分なく進んでいます。本来準備していた台本に添っており、また会話の方向性に従って質問を適応させることも出来ています。さて次は、あなたの勢いを持続させるためのヒントです。

10.製品を販売しようとしない

あなたがリサーチをする目的は、プロダクトに対する正直なフィードバックを集めるためです。最高のプロダクトであると説得するためではありません。くれぐれも、販売を試みようとはしないでください。

11.リアクションを制御する

リアクションをコントロールするようにしてください。例えあなたが情熱を持っているものに対してネガティブなフィードバックを受けたとしてもです。仮にもしユーザーがフィードバックに対してあなたが身構えていることを察すれば、正直に答えることは止めてしまうでしょう。そうなれば、ユーザーリサーチをすることの目的にそぐわなくなってしまいます。

12.聞く耳を持つ

あなたが会話の主導権を握るべきではありません。質問を投げかけたら、すぐに話を止めます。これにより、ユーザーは実際に回答することができます。無言で気まずくなる可能性もありますが(沈黙を破りたい衝動にかられるかもしれません)、ここは我慢です。

13.聞いたことを言い換える

あなたは目の前の人と初めて会います。従って、最初はコミュニケーションを取るのに苦労するでしょう。参加者の新しい見解を聞いた際は、毎回要約し、反復するという時間を設けるようにしてください。これはユーザーにとって確認もしくは明確にする機会を与え、あなたにとってもインタビューが間違った方向に進んでしまうことを防いでくれます。

14.質問には質問で答える

モニターがつまずくことは自然なことです。特にプロダクトを使用してとあるタスクをこなすためのユーザビリティテストではよくあることです。ユーザーは「ここをクリックすればいいですか?」といった質問をするでしょう。しかしここは回答を与えてしまうことをぐっと堪えてください。代わりに他の質問を返してあげましょう。

「この場合あなたならどこをクリックしますか?」
「どのように動作すると思われますか?」
「あなたはこれを理解するためにどのようなサポートを必要とされますか?」

15.言葉以外のヒントに注意する

顔の表情、ボディ・ランゲージ、声のトーンに注意を払うようにしてください。ユーザーからのフィードバックは言葉以外であることが多々あります。ウェブサイトの閲覧中にユーザーがしかめっ面をしていたら、おそらく質問があるにも関らずためらっている可能性があります。何か問題があるか聞いてみましょう。

最後に・継続的な学習プロセスを

ユーザーインタビューは、他のスキル同様、時間とともに向上します。そのためには物事がより円滑に進むための自信を得るまでトライ&エラーを何度も繰り返さなければなりません。今回お伝えしたヒントが幸先の良いスタートに役立つことを心より願っています。

翻訳元記事

Asking the right questions during user research, interviews and testing(2017/3/21)

画像は翻訳元記事より引用


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