Blog
ブログで学ぶUX

ユーザーテストがリーンスタートアップに「最も役立つ」のはなぜか(活用事例)

今回お話を伺った臼杵様(記事中敬称略)
人材系ポータルサイトの新規事業開発・運営に注力していらっしゃいます。

弊社リモートユーザテストを「新規事業の開発」に活用されているお客様がいらっしゃいます。
「新規事業の立ち上げに弊社テストが必須なのはなぜか」お話を伺うことができました。

※写真・記事掲載はご本人の了承を得ております。

―――

Q. 新規事業立ち上げ(リーンスタートアップ)のシーンで、定性調査と定量調査をどのように使い分けていらっしゃいますか?

臼杵:定量データはまず全く役に立たないですよ。何ていうのかな、質問の仕方で変わるじゃないですか。だって「このワインおいしい?」って言われたら10人中8人おいしいって言うでしょう。でも、実際おいしいかっていうとまあまあ普通よりちょい上ぐらい。聞き方次第で数字が簡単に変わるのに、1回数字になっちゃうとすごい説得力を持ってしまう。危険ですよ。ちゃんと定量調査できる人もいるにはいるけど、すごく少ない。だからあくまで定性調査を重視しています。

 

Q.  一般的には意思決定材料としては定量調査がより重視されるケースが多いようです。

臼杵:定量データはあくまでもその定性データを補足するエビデンスとして使います。言い方悪いけど、定性データがあって、それに基づいた仮説があって、それを説得するものとして「500人アンケート取りました、みんなこう言っています、だから正しいよね」っていう風にしか使わない。はっきり言って出資者とかベンチャーキャピタルとか、あるいはプレゼンが必要な対象がなければ、完全に自社完結なら定量アプローチはまずやらないです。定量データはエビデンスになりますけど、エビデンスは「証明したい仮説」があって初めて意味が出てくるわけですから、あくまで補足的な位置づけ。それが主役なのはおかしいでしょう。

 

Q. 企画を立てる段階で、ユーザテストの結果をどのように利用されていますか?

臼杵:複数人のマーケターに頼んで企画書を作らせてるんですけど、ポップインサイトのリモートユーザテストを試しに使って彼らに公開したら、見事に全員ユーザテストの結果を中心に企画書を作ってきたんですよ(笑)。これはある意味ではマーケターの手抜きなんです。本当なら彼らは既存の競合に1軒1軒電話をかけてでも定性データを取ってこないといけないんだけど、そこまでやる人は少ないし、予算的にペイしないこともある。かといって定性的なデータはウェブの検索では見つからない。だから、もうユーザテストの結果を参照するしかないよね。

 

Q. 数あるユーザテストの事業者のうち、特にポップインサイトを選ばれている理由はありますか?

臼杵:ポップインサイトの調査はすごい有益です。動画ごと納品してくれるから。「調査の結果はこうでしたよ」っていう分析が来るだけじゃなくて、自分でも改めて分析する余地があるわけじゃないですか。つまり、分析結果を改めて判断する。「こいつの話は本当なのかな」って。データも同時に送られてくるわけじゃないですか。だからいいよね。

 

Q. より具体的には、テスト結果をどのように活用していらっしゃいますか?

臼杵:新規事業計画時に利用しているので、調査時にはまだ自社サービス・サイトがありません。だから、ターゲットは同業の競合です。既存サービスのどこが評価されているのか、逆にどこが競合のサイトの「穴」なのかを洗い出して、競合にはない「集客の勝ちパターン」を構築、事業計画に落とし込んでいます。いま私が取り組んでいるのは人材系ポータルサイトですが、サイト制作に限っていえば、競合の調査結果はある意味では「プロトタイピング」とよく似た位置づけかな。結果を踏まえてサイト制作を進めています。

【無料Ebookダウンロード】ユーザーテスト/ユーザビリティテストの基本

数あるUXリサーチ手法の中でも最初に始めやすい「ユーザビリティテスト」の「基本的な設計・実査・分析の流れ」と「実施の進め方や注意点」を解説します。

投稿日: 2015/04/02 更新日:
カテゴリ: ユーザーテスト、ユーザビリティテスト