リサーチ機能付新型クラウドファンディング創業者に聞く!新商品開発におけるリサーチとテストマーケティングの活用法~オンラインセミナーまとめ~

【作成】2020/06/03  

いつもありがとうございます(^O^)カスタマーサクセス部の田中です!「売れる新製品をどう開発するか」は企業の生命線ですが、「売れる新製品」開発の成功確率を上げる手法として注目を浴びる「テストマーケティング」をご存じでしょうか?

テストマーケティングとは、新しいサービスやプロダクトを展開する前に地域や期間を限定して提供してユーザニーズとの乖離の有無を検証する、いわば「試験販売」です。

2020年2月13日(木)のオンラインセミナーでは、独自のテストマーケティング・プラットフォームを立ち上げられた、株式会社ロケットメイカーズ創業者の大和田さんにご登壇いただき、同社のクラウドファンディング事業とリサーチの新たな可能性や、新商品開発でテストマーケティングが重要な理由についてお話いただきました(^O^)♪是非ご参考下さい♪

【オンラインセミナー動画】リサーチ機能付新型クラウドファンディング創業者に聞く!新商品開発におけるリサーチとテストマーケティングの活用法 part1(本編)

新商品開発におけるリサーチとテストマーケティングの活用法

皆さんはじめまして、、株式会社ロケットメイカーズの大和田と申します。本日は「新商品開発におけるリサーチとテストマーケティングの活用方法」というテーマでお話をさせていただきます。

本日のアジェンダは、

  • ロケットメイカーズの設立背景
  • 新商品・新サービス開発におけるリサーチの必要性(クラウドファンディングのテストマーケティング的活用の価値とは?)
  • クラウドファンディングでのテストマーケティングの成功事例

となっています。

まず本日の話のポイントをまとめると下の5つになります。

これからこの中身を詳しくお話させていただきます。

ロケットメイカーズの設立背景

スピーカー紹介

最初に私の紹介をさせていただければと思います。私は地方中心に中小ベンチャー企業のデジタルマーケティング支援を約12年、新規事業・新サービス開発を約3年、上場企業の子会社の役員を約半年させていただいて、半年前に今の会社を創業しました。

具体的な会社名で言うと、新卒では株式会社オプトという会社に入りました。そしてその後当時100%子会社のソウルドアウト株式会社に創業メンバーとして参画して上場を経験し、子会社設立も経験しました。しかし諸事情があってその子会社の事業を撤退することになったり、その後独立して現在に至っています。

池田さんとのご縁

続いてポップインサイトの池田さんとのご縁についてご紹介させてください。もともと池田さんとソウルドアウトで現在上級執行役員をつとめる長谷川さんが、前職のbeBitという会社の同僚だったことがきっかけです。

池田さんがポップインサイトさんで動画のユーザビリティテストというサービスを作っていて、ソウルドアウトが代理店として販売させていただくことになるのですが、当時営業だった私はとても良いサービスだなと思ってほとんどのクライアントに提案をしていました。恐らく、一番提案したのではないかと思います。

その結果、実績としてもお客様のコンバージョンレートを6倍に改善したり、コンバージョン件数を5倍に改善したりと成果改善することができ、ソウルドアウトグループで社長賞(MVP)を受賞することができました。このような恩恵をいただいたというところから、池田さんとのご縁が始まっています。

株式会社ロケットメイカーズ|経営理念

ロケットメイカーズの経営理念は、「新しい挑戦を沸き起こし、日本全国を活性化させる。」というもの。日本全国で新しい挑戦をたくさん沸き起こして、将来に不安があると言われている日本をもっと元気にしていきたいというのが私たちの考えていることです。

株式会社ロケットメイカーズ|サービス概要

それではロケットメイカーズが提供している価値は何かというと、「新商品・新サービス・新店舗の開発や、新たなターゲット層の開拓(リブランディング)の立ち上がりから軌道に乗るまで一緒に寄り添う」というものです。

クラウドファンディングのサービスを提供している会社ではありますが、クラウドファンディングはあくまで手段として使っているだけで、メインとしては新規事業を支援する会社という立ち位置でお客様と向き合っています。

広告モデルでは支援できないフェーズを支援したい(ソウルドアウト時代)

ではなぜこのような事業を行おうとしたのかということですが、こちらの図は事業・商品の成長フェーズを示したものです。ソウルドアウトでは中央の、ある程度事業が軌道に乗ってからシュリンク(縮小)し始めるまでを支援をしていました。

しかし入り口の段階やスタートアップの企業さんは、1つの事業が右肩上がりしていく中で必ず成長がシュリンクしてしまいます。

そしてその次に新規事業や新商品のニーズが出てくるはずですが、ソウルドアウトにはここを支援するモデルがありませんでした。なおかつ新規事業は成功するか分からないので、お金を払えないし支援も受けづらい。ここをなんとかしたいなという問題意識がありました。

4つのきっかけ

そしてもともとの広告モデルだと、友人のベンチャー企業を助けられなかったり、お客様の有望ベンチャーにも向き合えなかったりして、もったいないなという思いを感じていました。また、お客様から新商品の相談を受けるのですが、商品ができている段階でこれはもう勝てないとわかってしまう。

当時ソウルドアウトという会社も私自身もCMOという役割を強く意識していた中で、「広告だけでなく、事業の立ち上げから軌道に乗せるまでをできなかったら、CMOの役割は果たせないのではないか」と思っていました。

前職のソウルドアウトの理念に「ともに覚悟する、ともに挑む」というものがあったのですが、このようなきっかけから「新しいチャレンジをしている経営者と向き合えるビジネスモデルを作りたい・結果を出したい」と感じたことが、この事業を自分で始めたきっかけです。

独立。KASOKU事業中止→ロケットメイカーズへ

もともとはソウルドアウトという会社の子会社として、「KASOKU」という会社を立ち上げていました。しかし会社を立ち上げた1ヶ月以内に、クラウドファンディングついて外部の環境でいろいろな問題が起きてしまいます。上場企業としてそのまま続けるのか議論になったのですが、結果的に8月で撤退することが決まりました。

一方でこの事業自体は、パートナーの企業やお客様・中小企業支援をしている人からは大変評価をいただいていたのです。そこで「これはもったいないな」ということで、独立してチャレンジすることになりました。

新商品・新サービス開発におけるリサーチの必要性(クラウドファンディングのテストマーケティング的活用の価値とは?)

ここまではロケットメイカーズの創業と私のキャリアに関してお伝えしました。ここから本題に入らせていただければと思うのですが、まず「そもそも新商品や新サービスにおけるリサーチがなぜ必要か」、そして「テストマーケティングがなぜ必要か」というお話です。

新事業の成功確率

前提として新規事業は成功確率が低いと言われています。ファーストリテイリングの柳井正さんは「一勝九敗」、明治大学の阪井先生は5%と表現されています。捉え方次第だとは思いますが、そう簡単にうまくいくものではありません。

原因は何かというと、私はこの2つに集約されるのではないかと考えています。それが「必要とされていないものを作ってしまっている」「必要としてくれる人はどこかにいるのに、出会う前に諦めてしまう」というものです。

やはり新規事業でうまくいくまで、ずっとお金をかけたり人を抑え続けたりするのは難しいので、見つけ出す前に諦めてしまうということが大きい要因なのではないかと思っています。

中小企業庁のデータでも明確

これは実際に中小企業庁のデータでも明確で、新事業の中止・撤退理由の上位は「期待したほどの市場性・成長性がない」「販路開拓が困難」となっています。つまり、必要とされてないものを作ってしまっているのでこのような結果になっている、ということかなと私たちは捉えています。

必要とされていない商品の共通点

それでは必要とされていない商品の共通点は何かというと、「その商品を誰が必要としてくれているか」という具体的な議論がされていないことがほとんどかなと思います。つまり消費者不在で製品・サービスを作ってしまっているのです。

「この技術は画期的なので、売れるはずだ」「この成分が入ったものはこれまでになかったので、売れるはずだ」「この機能は当社ならもっとよくできるので、他社の商品よりも売れるはずだ」「どこよりも高品質にすれば売れるはずだ」。このような形で商品開発がされていた場合、ここにはユーザさんの視点が入っていません。

経営者と話して共通している点

実際にKASOKU・ソウルドアウト・ロケットメイカーズでもそうですし、経営者の方とお話しして共通していると感じるのは、「マーケティング視点・顧客起点というものが抜けている」ということです。

「誰のための商品で・誰が欲しがるのか」という視点が欠けていたり、プロダクトアウトの様に品質・製品偏重になっていたりします。あとは、「あった方がいいけど、本当に高いお金を払う人がいるか?」といった視点が抜けていますね。一方で社会性・世の中を良くするという素晴らしい視点を持っているので、もったいないなと思いながらいつもお話を聞いています。

したがって商品開発をするうえで私が大事だと思っているのは、「一番欲しがってくれるユーザは誰なのか」ということ。「この商品でなければ嫌だ、この商品が欲しい、この商品によって幸せになれる」と思ってくれるユーザさんをしっかり考えるということが、実はとても重要ではないかと考えています。

悪い流れと、良い流れ

それでは失敗しないためにどうすれば良いのかということですが、こちらの図は悪い商品開発と良い商品開発を、左がBADで右がGOODという形で並べたものです。

まず一番左は技術先行・顧客検証なしのパターン。画期的な技術仕組みを作ったけれども、在庫が残っていて売れない。続いて真ん中が、技術先行・顧客検証ありのパターン。今度は画期的な技術を開発した後に、「誰が必要としているか・いくらなら買ってくれるのか」を調査して試験販売します。これははじめのパターンよりは良いですよね。

しかし一番重要なのは、先にユーザのニーズ・需要をウォッチして現場に出て聞いた上で、そこに技術を当てはめて試験販売するということ。一番右の顧客起点のパターンですね。実はこれが一番良い商品開発の流れではないかなと思います。

失敗する確率を下げるためのプロセス

そして、失敗する確率を下げるためには次のプロセスが必要だと考えています。それが、

  1. 仮説でユーザを探し、ユーザに聞く
  2. 試験的に販売をしてみる(テストマーケティング)
  3. 試験販売の結果を踏まえて改良する
  4. 上記を繰り返す

というものです。このプロセスを踏むことで、新規事業・新商品開発の失敗を防げると考えています。

考える切り口

では実際にどのような切り口で考えるかというと、私たちは次の3つの視点をいつもお客様にお話しています。

まずは「誰(どのような人)の」というターゲットの視点。そして「どのような隠れた課題を(悩み、困りごと、文句、もっとこうしたい、あったらいいな)」という視点。そして最後に「何を特徴に、理由に、解決する・買ってもらうのか?(差別化)」という視点、つまりユーザが選んでくれる理由ですね。この3つの切り口で考えることが必要ではないかなと思っています。

前提として持つべき姿勢

それでは先ほどのプロセスを1つずつ見ていきます。まず「1.仮説でユーザを探し、ユーザに聞く」というところですが、前提として次のような姿勢であるべきです。それは、「企業・作り手は、お客様のことをわかっているようで、実はわかっていない」ということ。これはよく起きることです。

特に今は時代の変化が激しくて、世代ごとにも考え方が大きく違います。例えばTikTokをなぜ楽しんでするのかなど、なかなか感覚的にはわからないこともあります。そうしたことを自分はよくわかっていないと理解した上で、リサーチ活動を進めることが重要かなと思います。

ユーザリサーチで陥りがちな罠

ここは本日のお話の中でも重要なポイントです。ユーザリサーチ、つまり直接お客様にヒアリングする際に陥りがちな罠には、

  • 聞きたいことを聞いてしまう
  • 聞きやすい人に聞いてしまう
  • 相手が気を使って本当のことを言わない
  • 誘導尋問をしてしまう
  • 思い込みでリサーチを進めてしまう

といったことがあります。

実はユーザさんもインタビューの際には、そこまで真剣に考えていないことが多いです。そして新商品開発をしているときはスイッチが入っているので、聞き手側もどうしても圧がかかりやすくなったり、ユーザさんが否定的なことを言いづらくなったりします。特に新商品や新規事業は大変なプロセスなので、ついつい商品に思いがこもってくると聞きたいことを聞いてしまいがちです。

また、新規事業を進める上では否定されることも多いので、「いいね」と言ってくれる人にばかり聞きにいってしまうこともあります。ユーザリサーチではこのようなことに陥りがちです。したがって、このユーザリサーチのコツを含んでちゃんとしたリサーチをする。そしてポイントを押さえて仮説を立てつつも、テストマーケティングをしていくということが必要です。

ユーザに聞くコツ

それではユーザに聞くコツは何なのでしょうか?まずユーザの探し方ですが、当然知人や家族に聞いてみる、人を紹介してもらうという方法がありますね。もちろんターゲットではない場合もあるのですが、できる限りターゲットに近い人がいないか周囲に聞いてみます。

最近多いと思うのは、SNSやネットで質問を投稿してみるということ。反応してくれた人には個別メッセージで深く質問できますし、直接会って話を聞くこともできます。FacebookやTwitterあとはGoogleフォームなどが便利ですね。

あとはターゲットになりそうな人がいるところに行くのもおすすめ。実際に私のお客様とは、スーパーの前で待つといった話もしました。極端ではありますが、必要があればそうしたことも実施した方がいいと思います。あとはイベントなども有効ですね。

聞き方でとても重要なのは、「最初から商品やアイデアのことを語らない」ということです。こちらが商品やアイデアのことを語ってしまうと、ユーザ側もそれをイメージしてしまいます。そうするとユーザは本当の悩みを言ってくれなくなるので、誘導尋問のようになってしまうのです。そういうわけで、「営業しない・基本的にこちらからあまり話さない・聞き役に徹する」ということを意識しましょう。

そして聞き役はできる限り社長や事業責任者が行ったほうが良いですね。例えば現場の人たちにヒアリングをさせた場合、仮に否定的な反応を聞いてしまうと、それをそのままストレートには伝えづらいです。そうすると社長や事業責任者に対して本当のことが伝わらない可能性があります。そういうわけで、できる限り社長やその事業の責任者がお客様へインタビューする。

あとはネットでリサーチする方法もあります。ネットリサーチでは文句を聞くということが大切で、例えばTwitterや発言小町などで文句を吐き出している人がいます。実はそこにユーザのインサイトがある、と私は思っているので、そうしたリサーチの仕方も有効です。これらを全体的に網羅して実施していくことが重要だと思います。

おススメ書籍

ここで私のおすすめ書籍をご紹介するので、興味のある人はぜひ読んでみてください。

START UP(スタートアップ)アイデアから利益を生みだす組織マネジメント

スタートアップで新しい商品を開発する際に、どの様に話を聞けばいいのかが分かります。私が話したことをより深くした内容が、事例をもとに書かれているのでおすすめです。

なぜテストマーケティングが必要なのか?

ここまででユーザに聞くことができたら、続いてが「2.試験的に販売をしてみる(テストマーケティング)」というフェーズです。ではそもそもなぜこのフェーズは必要なのでしょうか?

こちらの図は早稲田大学が出しているデータですが、「このような商品があったら買いますか?」と尋ねて、「買うと答えたのに結局買わなかった人の割合」を示しています。実際に買った人が青のグラフ、買わなかった人が赤のグラフですね。ご覧いただくと、赤の買わない人の方が多いことがわかります。

基本的にユーザが「買う」と答えても、「買うことを約束」してくれているわけではないのです。これを常に意識しなければいけません。やはり財布からお金を出すか出さないかの状況にならないと、ユーザの本当の答えというものはわかりません。

下のスライドの左右にその理由を書いていますが、まずは「情報は増えるし、変わる」ということがあります。リサーチのタイミングから買うまでに、当然情報は増えてしまうし変わってしまいます。実店舗やネットショップの店頭に商品が並ぶ際、お店によって並ぶカテゴリや種類、そして値段も異なります。ユーザ調査の段階では持っていなかった情報が増えることで、当然判断が変わってしまうのです。

あとは「予算や可処分所得の問題」もあります。たしかにその商品は欲しいけれど今ではない。他のところに予算を割きたい。といったことになると、優先順位を下げられてしまって購入を見送られてしまいます。

やはり実際に販売という手段を使わないと、本当に買ってくれるかどうかはわからないのです。したがって、ユーザ調査で仮説の精度をできる限り高めて、テストマーケティングの試験販売で本当に買ってもらえるか試しましょう、といつもお伝えしています。

「ベンチャーが成功するのは多くの場合、予想もしなかった市場で、予想もしなかった顧客が、予想もしなかった製品やサービスを、予想もしなかった目的のために買ってくれるときである」

こちらは有名なドラッガー先生の言葉ですが、想定外に売上が上がったときがベンチャーの成功する条件だと言っています。そこでこの後に、いくつかそうした事例を紹介します。

事例:ポケトル

こちらはポケトルという「小さすぎる水筒」に関する記事です。ぜひよかったら記事も読んでみてください。

この事例は20~30代のOLさんが使うとイメージしていたら、実は主力購買層が全く違ったという事例です。実際大ヒットしたのですが、買ってくれたのは半分以上がシニアの女性でした。

事例:霧島酒造

こちらは私も好きな黒霧島で有名な霧島酒造さんの事例です。

下のスライドの赤で囲ったところがポイントなのですが、実は黒霧島は最初の1年間売れていませんでした。そして1年経って社長が現場でヒアリングしたところ、もともとは焼酎をよく飲む人をターゲットにしていたのに、実際は焼酎好きでない人、例えば女性からよく飲まれていることがわかったのです。

この理由を紐解いてみると、黒霧島はあまり匂いや味が主張しないので食事に合う、といったことで女性から飲まれているようでした。これも最初の想定と違った売れ方をしていたという事例ですね。

事例:どん兵衛

続いてがどん兵衛の事例ですが、以前「10分どん兵衛」が話題になったと思います。日清さんとしては5分が一番おいしいと考えていたのですが、出してみたら実は10分が一番おいしいということでユーザさんがそのような食べ方をしていた。これも1つの事例かなと思います。

このような形で、当初の想定とは違う売上の上がり方をしたり、想定していた人と違う人が違った理由で買ってくれたりします。結局テストマーケティングしてみないと、その商品の本当のニーズはわかりません。その前に生産・量産してしまったり、コストをかけてしまったりすると本当にもったいないですよねという話です。

テストマーケティングで何が得られるのか?

それではテストマーケティングで何が得られるのかというと、「お金や時間をかけなくても、ある程度の需要がわかる」ということがポイントなので、基本的には資金調達や本格的な生産をしてコストをかける前に、個数や販路を限定して試験的に製品を販売するのがおすすめです。

そして具体的には、そもそも買ってもらえるのか、どのくらいのユーザが買ってくれるのか、どのような層が買ってくれるのか、どんな訴求内容が刺さるのか、どの程度の値段で購入してもらえるのか、どんなデザインがいいのか、そしてなぜ購入したのか・しないのか、といったことをテストマーケティングで得ることができます。

試験販売(テストマーケティング)の3つの軸

少し本題とはそれますが、テストマーケティングの考え方には「顧客」「販売する場」「集客方法」という3つの軸が必要です。

まず1つ目は「顧客を誰にするか」というところ。既存顧客・新規顧客という考え方があるのですが、私たちが推奨しているのはまず既存顧客にアプローチするということ。お金をかけずに、メールやSNSを通じてアプローチできます。一方で既存顧客は既に自社との関係があるので、新規のお客様とはだいぶ異なったモチベーションになってしまいます。そこで既存顧客である程度試した後に、新規顧客でもしっかりテストすることが重要です。

次が「お客様に対して販売する場」です。リアル店舗・オンライン店舗の中にもそれぞれたくさんの場があるのですが、おすすめはコストが抑えられてデータが取得しやすいオンラインですね。

そして最後が「集客方法」。当然テストマーケティングを行うためには、しっかりと集客をしなければいけません。そこには自力と広告という手法があります。今のおすすめは、やはり自力でFacebookやTwitterなどのSNSを使って少しでも多く集客するということ。そしてもし足りなければ広告を出す、という方法がいいのではないかなと思っていて、私たちはクラウドファンディングを使ったテストマーケティングを推奨しています。

(購入型)クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングを知らない方はあまりいらっしゃらないかもしれませんが、基本的には「新しいチャレンジをしたい人とそれに対して共感して支援する人をつなげる」というのがわかりやすい役割です。

私たちがテストマーケティングで使っている購入型というものに限定してお話すると、新しい挑戦に対して支援してもらう代わりに、リターンを用意して提供します。それはモノやサービス、場合によってはアイデアのときもあります。私たちはそのリターンをまさに製品のアイデアにすることで、テストマーケティングを行おうとしているわけです。

参考までに購入型のクラウドファンディングの市場を、数字のデータからご紹介します。

クラウドファンディングは2018年段階で年間80万人の利用者がいます。今年は120~150万人ほどいくのではないかなと思っていますね。

1プロジェクトあたりの平均顧客単価、つまりプロジェクトに投資する額の平均額は1.2万円です。これは少し高いなというイメージがあると思うのですが、クラウドファンティングにはガジェットのような高額のものもあれば、支援するときに50万円・100万円と一括でまとめて支援するものもありますので、もしかしたらそういったプロジェクトで平均が上がっているという可能性も考えられます。

1プロジェクトの最高の支援金額は1.3億円というものがありまして、1億円超えているプロジェクトも複数出てきています。1プロジェクトの最高の支援人数が今のところ1.4 万人となっており、クラウドファンディングというキーワードの検索数を右肩上がりで伸びている状況です。

テストマーケティングにグラウドファンディングがオススメな5つの理由

私たちはテストマーケティングにクラウドファンディングを使うというサービスを提供していますが、なぜクラウドファンディングがおすすめなのかその5つの理由をご説明します。

①オンラインショッピングと差別化できる
自社のECではだめなのかという話が出ることもあるのですが、クラウドファンディングは「新しい挑戦や商品を提示する場所」だとユーザに認識されています。一方オンラインショッピングで行うと、ユーザ側も普通の買い物というモチベーションになってしまうので、テストのようにはなりづらいかなと思います。

②シェアしてもらいやすい
テストマーケティングは、数多くの人に商品を見てもらって判断してもらうことが必要です。その点クラウドファンディングは「挑戦スケールの意思表明」でもあるので、周囲の人が心理的にSNS等でシェアされやすく、より多くの人に伝わるかなと思います。

③リターンを複数設計できる
そしてリターンは複数設計することができるので、リターンの中で価格・色・機能などを変えた複数のパターンを用意して、どれが人気なのかを把握することができます。どのアイデアが良いか悩んだ際の比較もしやすくなりますね。

④掲載に初期費用・月額費用が必要ない
これは大きいポイントだと思うのですが、掲載に際して初期費用や月額費用がかかりません。基本的には集まった支援額から手数料を取る仕組みなので、テストマーケティングではお金をかけたくないという方には向いています。

⑤在庫を抱える必要がない
クラウドファンディングでは、実際に製造するのは支援が集まってからというケースが多いです。そうすると先に製品を作らなくていいので、在庫を抱える心配がありません。これもテストマーケティングをおすすめする理由ですね。

業態別のおすすめ試験販売方法

クラウドファンディングはBtoC、消費者向けのものを作っている会社におすすめです。 やはりコスパが非常に良いと思いますね。一方で今のところBtoBはクラウドファンディングとの相性がそこまで良くないので、自社webサイトの活用や催事に行ったほうがいいですよ、という話をしています。

そして改めて注意なのですが、クラウドファンディング自体はあくまでも場を提供しているだけです。自社のページに人を集める必要がある、ということは理解していただければと思います。

そしてここまでのプロセスを繰り返していくことが重要です。商品の改良を重ねて、ユーザさんが本当に欲しいものを作っていく。この後もお話しますが、このプロセスを続けていくと関与するユーザさんがファンになっていって、気づいたときには認知度が上がっています。プロセスにユーザさんを巻き込むというのは、欲しい商品を作るという目的だけではなく、ファンを作るという意味でも大事だと私は思っています。

クラウドファンディングに足りなかったもの

私たちはクラウドファンディングに後発で参入したのですが、もともとテストマーケティングをする上で、クラウドファンディングには足りないものがあると思っていました。それが「ユーザからのフィードバック」です。先ほどお話しした通り、新しい挑戦というのは思った通りにうまくいくことがなくて、ユーザの反応を受けて改良していきます。したがってフィードバックが欲しいわけです。

クラウドファンディングはECサイトと同じで、プロジェクトページを見てその商品の提案を聞いても、支援をしてくれる人は数%程度です。9割以上の人はそもそも支援をしません。しかしこの99%の中に本来ヒントがあるはずで、もしかしたらその内の約15%はとても悩んだ上で支援しなかったのかもしれません。そうしたらその悩んだ理由を把握してそこに対策をしたいですよね。

私は新規事業も行っていたので、フィードバックを受ける仕組みを作りたいと思っていました。クラウドファンディングには応援コメントという欄があるのですが、どうしても良いコメントが多くなりがちです。そもそも支援した人からしかコメントをもらえないので、構造上なかなか厳しい意見を受けづらいということがありました。

そこで私たちは従来のクラウドファンディングに対して、将来の購入ユーザ候補(図の赤い部分)からリターンを得るという仕掛けを作りました。これが私たちがテストマーケティングに特化したクラウドファンディングを行っているポイントでもあります。

ロケットファクトリー発の新しい取り組み

こちらは実際の画面になりますが、「プロジェクトを支援」というボタンの下に「おしいね」というボタンを置いています。そして、長時間ページを見てくれたけれども離脱してしまった方や、リターンの詳細を見たけれども離脱してしまったお客様に対して、この「おしいね」をポップアップで出すような仕組みを搭載しています。つまり、支援しなかったユーザさんから、その理由をフィードバックしてもらえる仕組みを作ったのです。

実際に「おしいね」をクリックすると、右の画面のようにどこが惜しいのかを答えることができます。プロジェクトのコンセプトが惜しかったのか、実績が惜しかったのか、そしてフリーコメントも書けるようになっています。そして「おしいね」の質や本気度も企業側は知りたいので、そちらも選べるようにしました。実はこちらの画面は古いUIでして、この辺は改善をしてよりたくさん押してもらえるようなアクションのチャレンジをしています。

クラウドファンディングは愛着を生む

こちらはマクロミルさんが出しているデータですが、クラウドファンディングのリターンに対して支援をしたときに、9割の人が愛着が湧いたと回答しています。これはとても大事なポイントです。クラウドファンディングでは、既製品を一方的に売られているわけではありません。未完成の状態で関与したという事実があるので特別感がありますし、商品開発に自分が関与した気持ちにもなるのではないかなと思っています。

つまりお客様ではなくて仲間に近い。開発チームの一員といった心理になる効果があるのではないでしょうか。これは究極の競合対策になると思います。したがってクラウドファンディングは、ファンマーケティングにつながりやすいのです。

愛着を強化し拡げるために

この愛着を強化して拡げるために何が必要かというと、やはり「おしいね」を押した人やリサーチ・ヒアリングをした人に対してしっかりコミュニケーションをとること。そして改良してもう一度出してみて、またフィードバックをして、というこのサイクルを回していく。こういったことが、より商品開発にお客様が深く関与していく上で必要なポイントだと思っています。

ロケットファクトリーのコンセプトは共創

ということで、ロケットファクトリーのコンセプトは共創です。お客様と挑戦者が一緒に商品を作っていくことをポイントに置いて運営をしています。

クラウドファンディングでのテストマーケティングの成功事例

ここが最後のポイントですが、成功事例を簡単にご説明していきます。

クラウドファンディングはリターンを複数設定できる

スライドの事例ではリターンを複数並べることで、値段やデザインなどを検証しています。こうすることで「これが一番人気だから量産しよう」といった判断をすることができるのです。

事例:ライオン

こちらはライオンさんがクラウドファンディングを行った事例なのですが、新分野でもブランド力が効くかというリサーチです。

ライオンさんはもともとオーラルケア・メディカルケアではブランド力があったのですが、美容家電という領域は初めてでした。美容家電に参入したときに、ユーザさん達がライオンというブランド力をポジティブに捉えてくれるかが分からなかったので、クラウドファンディングを通じて試そうとなったのです。

実際リサーチをした結果、ニーズがあったということで本格販売を決めています。

事例:ケンウッド

次はケンウッドさんです。ケンウッドさんは新しいコンセプトの提案ということで、正式販売する前にユーザの需要や反応を見るために、テストマーケティングとしてクラウドファンティングを行っています。直接的にユーザさんの声が聞ける機会があるということで、有意義だと捉えていたようです。

事例:白鶴

そして白鶴さんです。白鶴さんはもともとご年配のファンがいる中で、既存顧客のブランドイメージを崩してはいけないという思いがありました。一方で20~30代の若手社員さんは今後若者向けにマーケティングをしていきたいということで、クラウドファンディングを活用してテストマーケティングをすることになりました。

これは若手のメンバーが若者用に作っていますよという線引きをするために、「別鶴」という名前のブランドにしています。やはり自社のサイトで実施しなかったことで、既存のお客様からはできるだけブランドのネガティブになる影響度を排除した上で、需要のリサーチができたような事例です。

事例:SABAR

こちらはSABARという鯖しか扱っていない飲食店です。ここは鯖に特化した専門飲食店を出したいということで、通常の金融機関さんからお金を借りようとしたのですが、「そんなお店に誰も行きたくないよ」と言われて断られてしまいました。

そこでクラウドファンディングで投資金額を集めようとした結果、テストマーケティングとしてユーザニーズがあるということが明確になったのです。実際に1,600人ほどから約7,000万円が集まって、この事実を見た金融機関さんからも融資を受けられました。ということで、これはテストマーケティングとしてうまくいったという事例ですね。

事例:ALL YOURS

続いてがALL YOURSさん。ここはクラウドファンディングを24ヶ月連続でチャレンジしたという企業です。新商品を作るたびに毎回クラウドファンディングを実施したり、商品でなくてもクラウドファンディングを何かしら毎月チャレンジしたりすることで、お客様とのコミュニケーションをとっています。

ALL YOURSさんもテストマーケティングという意識を持ってはいないと思うのですが、クラウドファンディングを通じてアクションを続けたことで、ALL YOURSという名前がとても認知されました。実際にブランド名の検索数は増加しています。テストマーケティングからは逸れるのですが、ファンを作るという意味で面白い事例だなと思います。

クラウドファンディングの結果を踏まえて

クラウドファンディングを行った結果、たくさんユーザさんを集められたらその数字が可視化されますし、仮にうまくいかなかったとしても「おしいね」のデータをとることができます。そしてそのデータは小売店等の販路に営業する際の武器になる、というところがクラウドファンディングの特徴なのかなと思っています。テストマーケティングはリサーチなのですが、その結果が営業にも活きていくわけです。

本日の振り返り

本日お話した内容を、はじめにお伝えした5つのポイントから振り返ると以下のようになります。

告知

最後になるのですが、現在新型ウイルスの感染拡大防止のため休止中ですが、ロケットメイカーズでは、「スナック♡ロケットメイカーズ」という、地方の面白い経営者と応援してくれる人をマッチングするイベントもあります。

地方はSNSの広がりが弱かったり、東京になかなかつながらなかったりします。一方で東京のマーケターの人やクリエイターの人からは、地方の面白い経営者と飲みたい・話したい・応援したいと言った声を聞くので、ここをマッチングしようということで「スナック♡ロケットメイカーズ」を行っています。

再開予定は当社ホームページやSNSで告知いたしますので、楽しみにお待ちください。尚、過去の全8回のロケットメイカーズTV、過去のスナック♡ロケットメイカーズのレポがご覧になられるページを公開いたしましたので、再開まではこちらをご覧いただきお楽しみください。

・ロケットメイカーズTV
・スナック♡ロケットメイカーズ

質疑応答

【オンラインセミナー動画】リサーチ機能付新型クラウドファンディング創業者に聞く!新商品開発におけるリサーチとテストマーケティングの活用法 part2(質疑応答部分)

Q.テストマーケティングのコツが知りたいです。先ほどもご説明いただいておりましたが、補足やより踏み込んだお話があれば教えてください。

そもそもテストマーケティングするときに考えなければいけないのは、コストを抑えるということ。新規事業は使えるお金や期間が決まっていることが多いので、必要なタイミングでお金を残しておくということがとても大事です。

そしてある程度何を知りたいか仮説を立てて、明確にしておくということもコツかもしれないですね。私たちはよく「誰のどんな課題を、どのように解決するか」を明確にしましょうと言っていて、テストをするときにそうしたストーリーをお客様に提示しています。

そういったフォーマットが明確にあると、お客様も反応しやすい。この商品は何で勝負しようとしているのか、何を特徴しているのかを理解した方がフィードバックしやすいですよね。「これが聞きたい」と伝えることで、良い回答を得やすくなるのかなと思います。テストマーケティングはある程度パッケージや文章を作って売りに行くので、そこに引っかかりをちらつかせるというのが重要なのかなと思っています。

Q.先程のスナックのお話にも通じるところかもしれませんが、地方の可能性はどうでしょうか?

地方の可能性はとてもあると思います。面白い企業さんも人もいますし、食べ物や飲み物も良いものがたくさんある。そういった意味ではとても可能性があると思いますね。一方で構造的に解決しなければいけない課題がたくさんあるので、そこのバランスをどう取るかが、可能性を切り開く上で重要だと思っています。

Q.地方の可能性や魅力みたいなものを事業化していく、つなげていくために何かコツはあったりしますか?

事業で考えたときには、結局誰かに評価してもらってお金を払っていかなければなりません。そうするとやはりストーリーを持っているものや場所をしっかりと選ぶことが大事です。もしくは表に出ていないものでも、聞いてみるとたくさんストーリーが出てくることがあるので、その視点はとても大事だと思います。

特に地方の経営者さんや地元の人たちは、当たり前すぎて魅力だと気づいていないことも多いです。今まで発掘されていなかった場所でも、ある人が見つけたらすごいと話題になることもある。それは実際見た目の問題もありますがストーリーもあるので、その人の話だけでなくて、そこから広げて聞いていくことがとても大事だと思います。

Q.従来のテストマーケティングとの違いは、ネットで高速に回すということですか?それ以外の工夫は何かありますか?

クラウドファンディングの何が良いかというと、新しい挑戦である、と情緒的に周りの人に感じてもらいやすいということが1つあります。あと私たちはテストマーケティングを「ユーザとのコミュニケーション」だと捉えています。例えば製造工程やそもそもアイデアを検討している工程は、基本的には今までクローズドでした。既製品が出たときに初めてユーザさんはその商品と出会います。

一方でテストマーケティング自体は最後の工程ですが、製造工程やアイデアを考えているところなどの苦労している工程を、私はどんどん表に出していったほうが良いと思っています。そうすると製品の価値ではなくて作り手が見えてくるのです。

従来のテストマーケティングとの違いという回答になっているか分かりませんが、ファンマーケティングを含めてテストマーケティングを捉えてしまうというのが、私たちの考え方としてはポイントなのかなと思っています。

Q.先ほどの事例のほかに、最近何か面白い事例があれば教えてください。

テストマーケティング目的かはわかりませんが、私の仮説で成功したと思う事例を紹介します。先ほどクラウドファンディングで1.3億集めた会社があるとお話ししました。それが和歌山のベンチャー企業さんが作ったglafitという商品で、自転車とバイクの機能を備えたものです。

これはやはり機能が面白くて1.3億円も集まったのですが、当初は一般の消費者の方に直接買ってもらうのと、小さな小売店の方にまとめて何個か買ってもらおうという程度の想定でした。しかしこれは聞いた話なのですが、実際には大手の車用品専門の小売店さんがまとめてお金を出して支援したのです。

それはやはりテストマーケティングとして行う中で、想定しない以上の小売店さんが反応して、取引につながっていったという事例ではないかなと思います。彼らはその後大手のファンドさんも獲得して、その小売店さんの販路を開拓しました。そしてさらに大手のメーカーさんから数億円の出資も受けています。当初はそこまでテストマーケティングとして考えていなかったとしても、結果的に大口の発注が入り、その時点では日本のクラウドファンディングで一番支援金を集めました。

こうなるとメディアでも取り上げられやすいですし、結果的に大手の大口の出資も受けられるという流れが作れたというのは1つの事例ですね。そして、クラウドファンディングとしても確実に何か実績を積み重ねた事例とも言えます。

ただ個人的に一番成功したと思う事例は、先ほどお話ししたSABARさんです。資料には入れていなかったのですが、SABARさんはもともと大阪の豊中の鯖寿司屋さんでした。弁当屋さんやデパ地下などにも卸していたのですが、経営者の方がチャレンジングな思考の持ち主でSABAR作りたいと思ったそうです。実際にクラウドファンディングであれだけの金額を集めて、今や20店舗以上も展開しています。海外にも出店していて、食べログの点数も高いです。記事によると、プロセスの途中ではありますが売上が2倍になって雇用も4倍になっています。

クラウドファンディングで盛り上がっていても実際に売上がついてきているかは分からない、PR上はうまくいっているけれど実態はわからないという中で、SABARさんは実際に数字を公開していて、売上や雇用を明確に伸ばしている。これは1つ成功した事例と言えるのではないかなという印象があります。

Q.他社のクラウドファンディングとの違いについて改めて教えてください。

大きく2つあります。1つは私たちが新規事業支援会社なので、クラウドファンディングだけで売上を上げるということはあまり考えていません。基本的にクラウドファンディングは、中長期にこのサービスを成功させるためにどうするか、というコンサルのようなところから入らせていただけるのが特徴です。

もう1つが先ほどお話した「おしいね」というフィードバックボタン。これは他社が持っていないものになります。

そして細かいところで言うと、私たちのクラウドファンディングではレポートなどのオプションサービスを提供しています。例えばクラウドファンディングが終わった後にどうするか、という戦略を私たちが一緒に考えてアクションプランを作っています。基本的に他社ではこうしたサービスは無いようです。プラットフォームとしての違いというよりは、思考から来る機能の違いというか、コンサルのようなことから一緒にやりますよというところが一番違うのではないかなと思います。

Q.クラウドファンディングの支援者がどんな風に利用しているのか、長期的に追いかけることはありますか?

11月末にサービスをリリースしたばかりなのでこれからではありますが、私たちはお客様と一緒に追いかけますよ、という話をしています。どういうことかというと、プロジェクトを行った人の対応次第では、支援者は実は一番の批判者になるリスクを抱えているのです。

実際に今起きているのは、クラウドファンディングをしてもそのままやりっぱなしになっているということ。支援してもらうまでは一生懸命皆さんに応援してくださいと言うのですが、いざ支援するとその後連絡がぱったり止まってしまう。もちろん忙しいなどいろいろな事情があるのでしょうが、結構みなさん抜けている場合が多いようです。

そうなると今までモチベーションを上げて支援した人は、その後の行動にギャップを感じてしまいます。そもそも私たちはファンマーケティングのような話をしていて、クラウドファンディングで支援してくれた人たちは一番大事な人なわけです。その商品に最初に支援してくれたのですから、本来はその人たちを良い意味で巻き込んで、広げていかなければなりません。

従来の販売方法ではモノを売ったらそこで関係が終わりでしたが、クラウドファンディングの凄いところは、売った後もお客様に届くまでに6カ月間関係が続くということです。クラウドファンディングは基本的にお金が集まったら作るので、実際の製造やクラウドファンディングの早い段階で支援してくれた人からすると、プロジェクトが始まるまで1ヶ月から2ヶ月あるのでその分遅れます。

そこからお金が入って製造して届けるとなると、そこからやはり期間がかかります。その間買ってくれた人との関係値はあるので、本当はもっとコミュニケーションを取るべきではないかなと思います。そこで支援してくれた人と深い関係を作ることで、よりその人たちとの関係を良くできると思っています。そういうわけで、利用している方をどう追いかけるかということもお客様と一緒に行っていこうとしています。

Q.確かに今のところクラウドファンディングにそのイメージはないですよね。

やはりクラウドファンディングをやりっぱなしになってしまうことは多いですね。そして一度盛り上がった後に、どうしようと悩んでいる方も多いイメージがあります。

Q.無形商材でのテストは可能ですか?

もちろん可能です。例えばこんなサービスを開発したくてプロトタイプも作れるが、実際に作るにはエンジニアが必要な場合、何かしらシステムのコストをかけなければいけない場合には、月額課金やSaaSにしてそれを先に買ってもらう。

月額3,000円で年間36,000円だとしたら、年間30,000円で売る。クラウドファンディングの場合は特別に値引きをする場合が多いので、「今なら年会費を3万円で一括にします」といった形で出してみます。そういったテストの仕方というのは無形商材でもできると思いますし、実際にやってらっしゃる方もいます。

ただし結局は、今のようなリターンの作り方がポイントです。完全フリーミアムなモデルでは、お金を払う・払わないという選択が後になってしまいます。そうすると設計の仕方によっては良いテストにならないかもしれないですが、そこはやり方次第かなと思います。

Q.クラウドファンディングの支援者の傾向は何かありますか?意見の受け取り方について何か気をつけて分析すべきことがあれば教えてください。

これはとても重要なポイントだと思っています。当然プラットフォームによってもユーザの傾向は違います。起案者の商材にもよりますが、そもそもクラウドファンディングを利用しているユーザは、基本的にお金に余裕がある人が多いと思います。

webのツールを使って調べたもので正式なデータではありませんが、クラウドファンディングのサイトに訪問するユーザは、20代後半から40代の男性が6割~7割を占めています。これは女性よりも男性の方が、ストーリーに刺されやすい傾向があるからではないかなと個人的に思っています。自分の欲しい物よりも、人に語りたいといった側面がクラウドファンディングの商品には多いですね。

訪問者さんにもよりますが、新しい物好きのアーリーアダプターやイノベーターの人が主力だったりするところもあります。そういう人の中には、とりあえず新しいからやってみたという人もいるので、本当のターゲットユーザではない可能性があります。そこは注意しなければいけません。

また、クラウドファンディングには「30%の法則」というものがあります。基本的に最初の30%は身内など自分で集客する。次の30%は身内の身内が来て、最後の40%に知らない人やメディアから来る。これはなぜかというと、やはり新しい挑戦は認知や緊急性がない商品が多いということがあります。

そうすると特に最初は、知らない人からすると買う理由になりづらいのです。私はよく、「どこでもドア欲しいですか?」という質問をします。そうするとみんな「欲しいです」と言います。しかしその後に「よく知らない人が作っていたら支援しますか?」と尋ねると「しない」と言うのです。そして「寄付金が集まっていたら支援しますか?」と聞くと、「パーセンテージによってします」と言う。

これは正しい本質だと思っていて、そうなるとやはりある程度最初は身内の人に助けてもらう。本当のテストマーケティングで言うと、そこから広がって身内の身内の人や、さらにその奥から来た人がどうかというのがとてもポイントになると思います。

Q.集客は個人で発信力がないと難しいでしょうか?先程のところで言うと、最初の30%のコツで何かありましたら教えてください。

クラウドファンディングをすぐやらなければいけない場合、個人で応援してくれるコミュニティーを持っていないと成功確率は低くなります。もし遅らせることができるのであれば、その段階から準備をすればいいわけです。

何が大事かというと、先ほどの「誰の・どのような問題を・どう解決すればいいか」ということ。ここを明確にするとそれに共感してくれる人は絶対いるはずなので、イベントに出て色々な人に会ったり、noteやSNSで実際に自分が情報を発信したりする。そうすることで少しずつ仲間になる人・シェアしてくれる人を増やしていく。そういった努力は最低限していかなければいけないかなと思います。

弊社の「スナック♡ロケットメイカーズ」も、思いはあるけれど集客力がなくてできない、という悩みを抱えている人達のために実施しています。モノには自信があって想いもあるけれども、地元で誰もSNSをしていないからクローズになっている。それであれば私たちの東京の仲間の中で引っかかりがある人をうまく探して、その人たちに応援してもらう。そういったことを「スナック♡ロケットメイカーズ」で行っています。

Q.そこはオフラインとオンラインを織り交ぜて土台を作っていくという形でしょうか?

なかなか無料で拡散するというのは難しいので、やはり最終的には応援してくれるコミュニティーを作っていかなければいけません。そして当然コンセプトもしっかりしている必要があります。プロダクトが優秀なものであれば良いのですが、そういったものを作るのはやはり難しいですね。

Q.グローバル展開を考える場合に、海外のニーズもクラウドファンディングで拾っているのでしょうか?

弊社の場合は全く拾えていません。他社もそうかもしれませんが、日本に住所がある方でないと会員登録ができないようになっています。私たちも人をチェックしなければいけないですし、郵送も必要です。

私たちも国内よりも海外だという思いはあります。マーケットが広いところにお客様を連れてきたいとは考えているのですが、現時点ではそこまでできていません。ですから現段階では、私の知り合いで越境をしている人に紹介しています。弊社としては対応できないのでご紹介するといった形になりますね。

Q.どういった会社であれば提携してくれますか?

私たちの理念に共感してくれる会社であればぜひ提携したいです。現在は中小企業やベンチャー企業を応援している会社や、成長してくれた方が嬉しい会社と提携したり連携したりしています。実際に地方銀行や県・行政と連携や提携もしています。企業や創業した人の新しい挑戦を応援したい、成長させたいと思っている企業であれば私たちも提携したいです。

Q.新規事業を立ち上げてテストマーケティングをするときに、クラウドファンディング以外で有効な方法はありますか?

たくさんあると思います。クラウドファンディングがマストだとは思いませんし、先ほどお話しした「顧客・場所・集客方法」のバランスが重要です。ただしリアル店舗を出してしまうとコストがかかりますし、意外とデータを取ることが難しいです。そういうわけで、できる限りオンラインの方が気軽にやりやすいかなと思います。自社のサイトからでもいいですし、今ですと手数料が格安のECプラットフォームもたくさんあるので、そういったものでもいいですね。

ただクラウドファンディングですと、新しい支援をシェアしてもらいやすいのも事実です。自社サイトで新商品を出しました場合と、クラウドファンディングで商品のテストマーケティングをする場合では、やはり自社サイトの方にクローズ感が出てしまいます。そういった意味では、クラウドファンディングの方が良いのではないかなと思っています。

また、当然企業によってはクラウドファンディングを出すのが厳しいところもあると思います。そういった場合は、そもそもやり方を変えなければいけません。その場合に有効な手段として、自社のECであれば手数料もそこまで取られないですし、格安プラットフォーマーであればオンラインでデータが取れるのでいいと思います。

さらに重要な論点で言うと、「手に取りたいというユーザさんに対してどう対応するか」ということもポイントです。やはりweb上だけだと買えないとおっしゃるお客様もいます。例えばメガネはあててみて初めて分かりますし、髪に塗るワックスもつけてみて初めて分かるというところがあります。そういったものはある程度リアル店舗を用意した方が良いのかなとも思います。また、クラウドファンディングのプラットフォーマーと提携してリアル店舗を出すということも今後可能になって行くのではないかと思ってます。

※YouTubeで全編公開中!【オンラインセミナー動画】リサーチ機能付新型クラウドファンディング創業者に聞く!新商品開発におけるリサーチとテストマーケティングの活用法を見るpart1(本編)を見る

※YouTubeで全編公開中!【オンラインセミナー動画】リサーチ機能付新型クラウドファンディング創業者に聞く!新商品開発におけるリサーチとテストマーケティングの活用法part2(質疑応答部分)を見る

以上、たくさんのご質問をいただいた皆様、詳しくご回答くださった大和田さん、ありがとうございました!私もこの後ロケットメイカーズTVを拝見したいと思います(^O^)♪

また、大和田さんも重要と仰っていたユーザリサーチ。弊社でもご支援しております♪アジャイルUXリサーチお問い合わせどしどしお待ちしております(^O^)♪

田中比那子

株式会社ポップインサイトにて、北海道のリモート環境で、Expressサービスのカスタマーサクセスを担当。Webクリエイター上級資格あり。



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