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新卒1年目。UXリサーチャーの失敗談と学びとは?

「UXリサーチって未経験者には難しいのかな…」

こんにちは。UXリサーチャーの西尾と申します。1年前、ポップインサイトに新卒入社した私は初めてUXの世界に飛び込みました。今回は、ポップインサイトに入社してからの1年を振り返りながら、失敗談とそこから得た学びについて紹介したいと思います。

新卒1年目の失敗

ドキドキのはじめてのリサーチ

ポップインサイトに入社して半年が経ったころ、とある調査を実施することになりました。入社からその時までに、いくつかリサーチに携わったことはありましたが、私が中心となって調査を実施することは初めてでした。

その調査は以下のような内容でした。(※具体的な名称は伏せています)

●調査対象
法人向けツールAのユーザー(ツールAは会社で使うツール)

●要望
そのツールAのUI上の課題をあぶり出しつつ、ユーザー像も明らかにしたい

●調査手法
ツールAを会社で使ったことがあるユーザーへのインタビュー

●対応範囲

  1. リクルーティング(調査に協力してくれるユーザーの手配)
  2. 調査設計(インタビューの設計など)
  3. ユーザーインタビューの実施(5名)
  4. 分析・レポーティング

調査対象のツールAについて当時の私は何も知りませんでした。ただ、調査のためにそのツールAを用意することは難しく、実際に触って操作をすることはできませんでした。そのため、調査対象のツールAに関して資料を見たり、集められる限りの情報を集めました。

また、どれくらいのユーザーがいるのかを推計するために、出現率調査も行いました。出現率とは、母集団の中である条件に合致する人がどのくらいいるのかを表す数値です。ここでいうと、その法人向けのツールAを利用した人が、1000人中何人いるのかという軽いアンケート調査を行って、おおよその出現率を割り出しました。その出現率によって、よりスムーズにリクルーティングを進めることができるのです。

このように、私は最大限の事前準備を行いました。準備は万全でした。

ドキドキのはじめてのリサーチが迎えた結末

準備は万全だと思っていた私でしたが、

結果として、2週間半の遅れが発生してしまったのです。

計画通り進めば1カ月で完了できるはずの調査でしたが、私には考慮しきれていなかった点がありました。

原因は「ユーザー理解」と「立ち位置」

2週間半の遅れの原因は「ユーザー理解」の不十分さ、そして、その調査の「立ち位置」をきちんと定義づけられていなかった点にありました。対象サービスは会社で使っているツールAであるため、利用ユーザーに実際に操作する様子を見せてもらうことは、セキュリティ上の問題からかなり難しかったのです。

また、「ツールAの導入に携わったが、操作はしていない人」や「導入には携わっていないが、実際に操作をしていた人」等、ユーザーにはいくつかの種類がありました。そのユーザーの立ち位置によって、インタビューでヒアリングできる内容も変わってきます。

そして、「UI上の課題をあぶり出しつつ、ユーザー像も明らかにしたい」という調査目的もやや曖昧でした。「UI上の課題」にフォーカスするのか?それとも「ユーザーのニーズ」をあぶり出すのか?前者と後者では分析の手法が異なります。立ち位置を明確にしなかったことにより、分析にかかる工期も変動してしまいます。

以上の点を考慮しきれていなかったことにより、調査手法の再考や分析期間が伸びてしまい、2週間半の遅れが発生してしまいました。

新卒1年目の学び

この失敗から私は以下の3つのことを学びました。

調査対象サービスの「特徴」を把握しよう

調査を行う際、調査対象サービスの「特徴」についていろいろな側面から検討する必要があります。

・一般向けなのか?法人向けなのか?
・そのサービスを使っている様子を見せてもらうこと自体の難易度は?
・利用者は1名?複数人?
・調査用に自分が操作してみることができるデモ環境を用意できるのか?

サービスの説明資料に記載がある以外の部分の考慮も必要になります。

調査対象サービスの「ユーザーの背景」を把握しよう

また、「利用したことがある」と答えていてもユーザーにはいろいろな背景が存在します。

・サービスの導入に携わったのか?
・実際に手を動かして使ったことがあるのか?

リクルーティングしたユーザーがどの利用段階に携わったのかによって、調査で明らかにできる範囲は変わってきます。とにかくユーザーの背景を意識することが大事だと学びました。

調査の「立ち位置」を意識しよう

調査の目的の認識をあらかじめすり合わせて置くことで、調査設計や分析時の出戻りが少なくなります。

・何を優先的に明らかにしたいのか?
・どんなユーザーに調査をかけるのが理想か?
・最終的にどんなアウトプットがあると、クライアントの事業に活かしやすいのか?

これらを調査が本格的に始動する前に、十分にすり合わせて置くことで、より正確なスケジュールを引くことができます。
また同時に、HCDプロセスの中での立ち位置もより明確にすることで、次のアクションにつなげやすくなります。

引用「HCD-Net」:https://www.hcdnet.org/hcd/column/hcd_06.html

「利用の状況の把握と明示」
「ユーザーと組織の要求事項の明示」
「設計による解決策の作成」
「要求事項に対する設計の評価」

4つのプロセスの段階によって主に用いる手法が異なります。また、このプロセスを意識することで、次のアクションを意識しやすくなるという点でも重要となります。

以上が、私が新卒1年目の新米UXリサーチャーとしての失敗談と学びのご紹介となります。
「UXリサーチって未経験者には難しいのかな…」と感じている方もこの記事の内容を参考にぜひUXリサーチにチャレンジしてみてください。

執筆者について
西尾 太一
2021年に株式会社メンバーズ入社、ポップインサイトカンパニー所属。現在、新人UXリサーチャーとして2年目を迎える。

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