【事例】「ライフルホームズ」におけるユーザーリサーチ活用法
「不動産・住宅情報サイト ライフルホームズ」で有名なLIFULL様では、サービス改善やサイト改善のための手段の一つとして、2016年10月より「ユーザリサーチExpress」をご導入頂いています。今回は、導入をご担当頂いた、HOME’S事業本部 マーケティング戦略部 ブランディングユニット リサーチグループの和田様に、活用方法や改善すべき点など、率直なお話をお伺いしました。
実際のユーザ意見をユーザテストでしっかりと知りたい
Q.LIFULL様には2016年10月からユーザリサーチExpressをご利用いただいているわけですが、導入の経緯などお伺い出来ますでしょうか?
和田:私の部署では、定量調査も含めた「リサーチ」全般を担当しているため、他部署から様々なリサーチの相談を受けます。
その中には「ユーザテストを行った方がいいな」と思うような相談もあったのですが、そのための仕組みや知見が社内に無く、ユーザテストの推進は出来ていませんでした。部署によっては独自にユーザテストを行っているところもあったりしたのですが、状況もまちまちでしたね。
弊社の場合、良い意味でサービスに思い入れも強く、自分達がよいと思うものをまずはやってみるというもののつくり方ができる反面、実際のユーザをきちんと知るという過程を踏まない場合が多いことに課題も感じていました。
そんな状況を打破したく、手軽にユーザテストを実施できる仕組みを探していたところ、御社のサービスに行きつき、検討・導入させていただいた次第です。
Q.なるほど。和田様の部署はリサーチ全般を担当していらっしゃるということは、UXなんかをご担当されている方は他にいらっしゃるということでしょうか?
和田:UXを考える部署やチームが事業部内にあるところもあります。ただ、ユーザテストをやりたいという相談は、デザイナーや各施策の担当者からも上がってきます。
ユーザテストというのは、ある程度の知見がないとどんな時にどんな調査をしたらよいかが分からないので、知見がある人間がサポートする必要があると思っています。そのため、相談が上がってきた際には、本当にユーザテストを行うべきか、行うのであれば社内で行うべきか、リモートで行うのが良いのかなどを都度判断するようにしています。
リサーチ部門ではありませんが、ユーザビリティ評価などを専門的に扱う担当もいて、連携して行っています。
Q.それでは、社内でユーザテストを実施する際にはその方が同席されたりするわけですね?
和田:そうですね。リモートでも設計や分析は協力してもらっています。窓口はどちらでも、案件の共有は行っているので、リモートで行った方が良いとなった場合には、御社のサービスを利用させていただいております。
課題によって、まずは何がしたいのかを確認してから実施する
Q.ユーザテストを実施するかどうかの判断はどのようになさっているのですか?
和田:まず「何がしたいのか」を確認するようにしています。
どういったことが知りたくて、その後にどうそれを活用したいのかをヒアリングし、その状況によって「ユーザテストをする」「まずはアクセス解析すべき」などの方法を提案しています。
例えば最近の相談だと、Webページを改修したいのだけれども、それまで改修やユーザ確認をほとんどしてきていないので、ユーザにどう思われているかわからないというものがありました。この場合、ざっくりした状況下で、特に仮説があるわけでもなかったので「まずは1回、ライトにユーザがどう使うかを見るべき」ということで、ユーザテストの実施を推奨しました。
Q.なるほど。他にも「こんな時はユーザテストが有効だ」というようなケースはありますか?
和田:そうですね。定量評価の後の裏付け等ですかね。
過去、「アクセス解析を見て、離脱が多い箇所はわかったが、理由が分からない」というケースがありました。こういった「数値的に悪いが、なぜかが分からない」という際にも、やはり定性的に課題が見えるユーザテストは有効ですね。
あとは、施策や要素をピンポイントで評価するケースです。例えば、ある文言があって、それがどのように認識されてどう影響を与えているか等、実際に触ってもらわなければわからないですからね。
新たに見つかった課題から方向性を議論できる
Q.課題によってより有効な手段をお考えになっていることがよくわかりました。リモートユーザテストの取りまとめをされているということでしたが、見つかった課題の共有などはどうされているのですか?
和田:ケースバイケースです。見つかった課題、結論をプロダクト側に共有して終了することもあれば、社内ワークショップの開催までサポートすることもあります。
後者はチーム内の合意形成を目的としてユーザテストを実施した場合です。
現行のものに対するユーザ行為やユーザ心理を大枠で知りたいだとか、現状の課題をメンバー内で共有したいだとかいう場合にユーザテストはもちろん有効ですが、ワークショップを行うのは、更にそこから施策まで考案しなければならない場合が多いですね。方向性の議論の素材として利用できるところもユーザテストの面白いところだと思います。
Q.それでは最後に、弊社のサービスであるユーザリサーチExpressの良い点悪い点などお伺いしてもよろしいでしょうか?
和田:悪い点から申し上げますと、モニタが集まらない場合や、複数の調査に同じ方しかご参加いただけない場合があることです。
あとは、御社のサービスでは、テスト用のフレームワークをご用意いただいており、それを活用する形でテストの設計を行う形になっていると思います。それこそ知見のない人間でもある程度手軽にというご配慮のもとだと思うので、その手軽さとのトレードオフにはなってしまうのですが、もう少し自由度があってもいいのかなと感じることはあります。
次に良い点ですが、他社様よりリクルートからテスト開始までの期間が短い印象を持っています。私は取りまとめをしている立場なので、プロダクト側に早めに結果を共有できるのはありがたいですね。
あとは動画の指定箇所をつなぎ合わせることでダイジェスト版が作成できる機能です。全ての動画をメンバー全員で視聴することは難しいのですが、ダイジェストになっているとそのハードルは下がります。そういった軽めの動画を見せることでユーザテストに対する抵抗を少なくすることもでき、とても助かります。
忌憚のないご意見、ありがとうございました!
※ページ上の各種情報は2018年1月時点のものです。