ブログ

実務で即使えるOJT型のUX人材育成プログラム【導入事例】

【作成】2021/02/08 【更新】2021/06/22

本記事では、実案件を題材とするOJT型のUXリサーチトレーニングでビジネス成果向上が目指せるプログラムの導入事例をご紹介します。

今回、OJT型プログラムを導入いただいたのは、「企業活動を効率化し便利にする」の理念のもと、EC、決済、保証事業を展開する株式会社ラクーンホールディングス様です。BtoBの卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」など5つのサービスを提供されています。

同社デザイン戦略部では、2020年8月~11月の4か月間、社内UXリサーチ人材を育成する「UXリサーチOJT」をご利用いただきました。

デザイン戦略部は、EC・決済サービスの全制作を担当する部署。ウェブデザイナーを中心に18人のメンバーが所属しています(2021年2月現在)。
今回、OJTプログラムを導入したきっかけと実施後の社内の変化について、チームリーダーの大沼紗耶佳さんにお話を伺いました。

UXリサーチOJTとは

UXリサーチ(インタビュー・ユーザーテストなど)の手法を身に付けた「UXリサーチ人材」を育成するサービスです。リサーチの計画、実施、分析、分析を基にしたプロダクト・サービス改善、改善後の評価までを網羅したオンラインプログラムです。

  • 自走できるUXリサーチ人材を4ヶ月で育成
  • 実際の自社サービス/プロダクトを題材としたプログラムが提供可能
  • いつでも質問できるメンターがバックアップ

▶UXリサーチOJTの詳細はこちら

ユーザーにとって意味のある、価値ある機能を作りたい—その方法を探して、見つけた答えが「UX」


▲大沼さまにはオンラインでお話をうかがいました。

Q.ユーザー理解に基づくUXデザインにご興味を持ったきっかけは?

私自身は、UIデザイナーとしてキャリアをスタートして10年ほどになります。UXデザインに興味を持ったのは制作チームに所属していた5年ほど前です。

当時は、企画担当部署が要件をほぼフィックスし、その企画に対して制作チームがユーザビリティをより高める、という関わり方でした。機能の中には、リリース後ユーザーにほとんど使われないものや、意図したようには機能しないものもありました。その経験を経て、「ユーザーにとって意味のある、価値ある機能を作りたい」という思いを強くしました。その方法を調べてたどり着いたのが「UX」でした。

Q.社内ではおひとりでUXデザインを実践されたのですか?

いいえ。書籍を読んだりセミナーに参加してUXを知れば知るほど、一人ではできないなと感じました。

ラクーンでは、基本的には何を改修、開発するかは事業部主導で決定されます。もちろん提案などはできますが、職域が違うため「どういう機能を作るべきか」「どのように改善すべきか」という上流の要件検討にまで入っていくのは難しく、自分の関われる範囲でどこまでできるかを模索していました。

そんな中、2019年にデザイン学校で半年間、UXデザインの手法を学びました。ちょうどその直後、事業部から「こんな改修を考えているんだけど」と相談が。内容を聞いてみると、まさにユーザー調査から始めるべき施策の相談で、私はこのタイミングで「ユーザーインタビューをやらせてもらえませんか」と初めて提案してみたのです。

Q.初めて自社で取り組んだユーザーインタビューはうまくいきましたか?

いいえ、課題だらけでした(笑)。学校で学びはしたものの実務では初めてだったので、探り探りという状態でした。事業部の理解はありがたかったですが、今後他部署とどう連携できるかという新たな課題も感じました。
ポップインサイトさんのOJTプログラムを知ったのは、そんなタイミングです。

Q.OJTプログラム導入の決め手は何だったのでしょうか?

ポップインサイトさんのことはもともと知っていました。UXデザインの相談相手が欲しいと思っていた時に、ポップインサイトさんの無料相談サービス「UXよろず相談会」を見つけ、すぐに申し込みました。この時、細かく相談に乗ってもらえたことで前に進めた実感がありました。

OJT導入の決め手は、「よろず相談」のように1回限りの相談だけでなく、プロジェクトの最後まで伴走して支援してもらえれば実務が進みそうだと思ったことです。

OJTプログラムに期待したのは、自分自身にUXデザインのスキルがつくこと。そして、会社にUXを広めていく足がかりになってくれること。OJTを通じて、UXデザインが組織に浸透するために具体的に何をすべきかも把握できそうだという期待感がありました。社内にUXの知見が貯まるという点にも上司から前向きな反応があり、導入にいたりました。

Q.オンラインでのOJTに不安はありませんでしたか?

正直、実際にプログラムが始まるまでは、どのように進行するのかイメージしづらかったです。導入前に、「聞きたいことがあるときには電話してもいいんですか」など、納得できるまで色々質問しました。

座学とワークショップでスキルアップしながら実案件でリサーチを実践し、ビジネス成果の可能性にも期待

Q.OJTプログラムではどのような取組みをされたのですか?

チームの課題と、「何のために調査をするのか」という調査目的をすり合わせるところから始めました。当初は既存の出店企業さま対象のリサーチを進めていましたが、その後、新規出展企業さまにフォーカスをあてたリサーチに移行しました。

各リサーチは、以下のようなステップで実施しました。

  1. メンバーと課題をすり合わせ
  2. 対象企業のスクリーニング条件をきめてモニター募集
  3. インタビューガイド作成
  4. インタビューの実査と結果の分析
  5. ペルソナ作成

Q.リサーチのサポートやフォローはどのような体制でしたか?

メンターの岡さんと定例ミーティングを毎週もちました。ミーティングでは、前週までの進捗報告、わからないことの質問、次にどんなアクションを取るかのすり合わせ、といったサポートがありました。

加えて、調査を実施するために必要な知識を座学やワークショップで身に着けました。ワークショップは月に1,2回。1回2時間のワークショップで、オンラインツール「Miro」を使いながらアイディエーションをおこなったり、コンセプトツリーを作る際のファシリテーションも見せてもらいました。また、岡さんが実際にインタビューを実践して見せてくれたのも勉強になりました。

UX初学者としてとても助かったのは、「この方向性でいいのか」と迷ったときに適宜アドバイスをもらえる体制だったことです。チームのみんなを巻きこみ、また、メンバーの時間や会社の資源も使っているという責任もあるので、サポート体制には納得感がありました。


▲4ヶ月のプログラム。2つのUXリサーチに取り組みました

※上記に加え、定例Mtg1時間x4回/月・レクチャー(座学ワークショップ)3-4時間/月を開催し進捗をフォロー。
※必要に応じ、ご質問にSlack等でお答えしました。

Q.プログラムの中で印象に残ったことはありますか?

リサーチは繰り返すことでコツがつかめるということを実感しました。インタビューは3回、インタビューした内容を分析する「KJ法」も2回取り組みました。

「KJ法」では、インタビューで聞き取った具体的なエピソードを抽象化するプロセスがあります。この「抽象化」は、始めてトライしたときは感覚がつかめずに終わった気がしたのですが、2回目からは「抽象」と「具体」のイメージがつき始めた実感がありましたし、スピードもあがりました。やはり、短期間で複数回実施できたことの価値は大きかったです。間隔が空いていたらきっと忘れてしまっていたと思います。

加えて、「みんなでやる」ことに価値があったと思っています。知識や経験が自分にしか蓄積されないと、他のメンバーとの齟齬が生まれてしまいます。また、OJT前は、「インタビュー内容に解釈を加えてはいけない」と考えていたのですが、「背景を理解しみんなで解釈する」がスタートであるとを学べたのも大きかったです。

Q.スキルアップの実感はありますか?

はい。繰り返し分析する、という貴重な機会を通じてスキルアップした実感があります。

はじめて習う手法(コンセプトツリー、ユーザーストーリーマッピング、ソリューションインタビューなど)を知り、実践もできました。

Q.OJTがビジネス成果に直結した実感はありますか?

成果がはっきり見えてくるのはもう少し先になりそうですが、
今後、OJTの内容がビジネス成果につながっていきそうだという期待は大きいです。

その根拠は、「体系的に調査した結果をサービス設計の要素に落とし込む」フローをOJTで実際になぞれたことです。
調査で得たユーザーインサイトは、サービスに落とし込まないと意味がありません。
今回のOJTプログラムは、実際に担当しているサービスを対象に実施したので再現性が高く、今後のサービス設計に役立ちそうです。

もちろんこれまでも、なんとなく調査やアナリティクス分析をしていました。
しかし重要なことは、定量と定性を組み合わせて両軸で仮説を強くし、サービス設計に落とし込んでいくこと。リサーチはインサイトとアウトプットをつなぐフレームワークなので、ビジネス成果につながると考えています。

他部署と共創しながら「ユーザーの声を聞く」を提案していきたい

Q.4ヵ月のプログラムを終え、今後どのようにリサーチを展開していきたいとお考えですか

今回はひとつの部署との協業プログラムでした。今後は、カスタマーサービスなどの他部署や、他の事業のユーザーを対象にした調査などにもトライしていきたいですね。他部署から提案や相談が来た時に、「ユーザーに調査したほうがよさそうですよ、やってみませんか」と提案しながら、少しずつ、小さく始めていきたいです。

Q.UXリサーチOJTプログラムはどのような人・組織におすすめですか?

「自社サービスをもっとよくしたい」と考えていたり、現状に課題感を持っている人には、おしなべて全員におすすめです(笑)。もちろん、UXを自力で推進できる人もいるとは思います。しかし、ひとりでは時間がかかりますし、組織全体でサービス向上を目指すのであれば「自分ひとりだけUXデザインができる」という状況はありえません。

ポップインサイトさんのOJTプログラムは受講メンバーが4人選べるので、UX推進の仲間づくりのきっかけができるのもメリットです。ひとりで取り組む人にとって心が折れるタイミングは、分析結果が他の事業部に刺さらず、価値を生み出せなかったとき。そこにいわば「死の谷」があります。今回一緒に受講したメンバーには、この「死の谷」を乗りこえるためのエンジンになってもらえました。


組織へのUXの浸透と自社サービスの改善を推進する大沼さんの取り組みの軌跡をお聞きすることができました。貴重なお話をありがとうございました。

講師・メンターの岡より:

OJTプログラムを4か月間担当しました。大沼さんのチームは、2回目の分析から精度が高い印象でした。愚直なプロセスがユーザーの心理をしっかり受け止めないと使い物にならないということがご理解いただけたのではないかと思います。

UXリサーチに限らず、コツがつかめる前に楽しさが感じられないとやりたくなくなるものです。OJTプログラムを受けていただくことで、コツもわからない、フィードバックもない、仲間もいない、という状況を回避できたのは、UXの価値を知ってプロセスを楽しみ、結果的にビジネス成果も向上するショートカットになったのではないでしょうか。

実案件で題材にすることで、「自社のユーザー理解が進んだ」「サービスやプロダクトが改善された」という実感が持てます。その実感は、自社サービスをもっともっとよくしたい、という原動力になります。

今後も、ひとりでも多くの方に「よいものを創ること」の価値や楽しさを伝えていきたいと思っています。

UXリサーチOJT

・自走できるUXリサーチ人材を4ヶ月で育成するオンラインOJTプラン
・OJT形式なので実案件で成果を出せる即戦力を育成
・いつでも質問できるメンターがバックアップ

カテゴリ: UXリサーチ事例
タグ: ,
投稿日:
投稿者: makino
ページ上部にもどる