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導入事例

【事例】お客様目線に立つことで、革新的なサービスをわかりやすく浸透させる|タイムデザイン

スマートフォンのスワイプ操作や自動車のエンジンをかけるプッシュスタートなど、これまでにない新しいものが浸透するかどうかは、ユーザー体験の質にかかっています。旅行予約システムのASPサービスとして全く新しい独自サービスを展開する株式会社タイムデザインも、そうした課題に取り組み価値を生み出しているパイオニア企業の一つです。 そんな同社が自社サービスのサイト改善に定期的なユーザーテストを導入いただいている背景と実際について、お話を伺いました。

株式会社タイムデザイン 開発本部
左)取締役CIO本部長 佃様 右)マーケティング部部長 西村様

便利だと思っていたことが、逆に戸惑わせていた

Q.早速ですが弊社のユーザーテストExpress導入された背景をお聞かせください

佃:弊社のサービスがダイナミックパッケージという旅行予約システムのASPサービスを提供しておりまして、開発する上でユーザービリティなど、これがあったらお客様にとって便利だなとか、こうやった方が分かりやすいだろうということを提供者側の観点から作っていました。そうなるとやはりface to faceで物を売っているビジネスではないので、画面の向こうでユーザーがどう考えて使っているのかが分からないので、そこが創業以来ずっとある課題です。 ですのでポップインサイトさんを知る前は、友達や家族にサイトを見てもらい意見をもらっていましたが、実際のユーザだからこその世代による見やすいポイントとか知人ではないから聞ける忌憚のないご意見を伺えるというところで、ポップインサイトさんにお願いさせていただくようになりました。

Q.運用しているサイトの課題抽出というご活用ですが、実際に使ってみていかがでしょうか?

佃:これが面白くて、こちらが便利だろうと思っていることが、実際にはそこで戸惑ってしまったりしていて、そういったところを発見できるのがとてもよかったです。 自分たちの近しい人だと同じような目線になりがちなので、例えば大学生の子たちや20代、60代の人はそれぞれの見え方の違いなどがわかります。例えば文字の大きさや写真の出し方、検索時の挙動などあらゆる面で参考になります。ネットのアンケートとかだと顔が見れないので適当に回答されるイメージがありますが、ポップインサイトさんのサービスだとそのサイトを使っているところをあたかも目の前で見ているように感じられることがすごく役立ちました。 実際5月、6月にモニタ5名くらいの方に調査していただいたのですが、職種や性別などバラバラでも、みなさんが口をそろえておっしゃるところが抽出できたので、そこは早速改善に取り掛かっています。 提供者側からするともう知りすぎてしまっているので、初めて見た方がすぐに分かるように改善するためにとても役立つなと感じます。

Q.具体的に、どのような発見がありますか

佃:弊社のサービスは共通化したASPなので、割とフラットデザインで際立ったメリハリがないつくりになっています。それが逆に差別化が出来ていないという点や、ホテルの紹介など文字が多すぎるという印象になっていました。 提供者側としては、ホテルごとの特徴が分かりやすいようにテキストで説明していて、見落としてはいけないポイントなどもテキストで改めて伝えていました。しかし結局そういう工夫がユーザーに伝わっていないんですね。みんな見ないんです。でも当然説明が少なすぎると分からないので、その塩梅を掴むのがすごい大事だと思っており、ユーザーテストではまさにそこがよく分かりました。

Q.なるほど、まさにユーザーとのギャップを発見した例ですね。他にはいかがでしょう

佃:個人的な感覚ですが、きれいに見せようと思うと文字など極力少なくしてアイコンで全部表現するような方向になってしまうんですけど、そうすると特にフラットデザインの場合にはボタン一つにしてもそれが押せるものかどうかが伝わっていない人もいることがわかりました。特に今回テストしたターゲットがやや年配の方々だったので、その方々が抵抗なく見られるようボタンも文章もメリハリを持って表現していくことになりました。

ユーザーの目線で、チームで議論するということ

Q.ユーザーテストの動画を社内のメンバーと一緒に結構見ていただいたとのことですがこちらはどうでしたか?

佃:動画ではなかなか辛辣な意見も言っていただきました。でも辛辣ですがそれはそれで本音というか、独り言のように「あれこれなんでだろう」「これどういう意味だろう」「これわかんないな」というように、彼らが心の中で思っていることを聞けるので、戸惑っている場所とその理由がわかり、チームで議論する上でのポイントが明確でした。 僕らも長い間作り込んでいるので、仕様上の話とサービス上の話だとどうしても仕様ありきでよくしていこうという意識がありますが、それではサービス的に物足りない部分が出てきてしまう。そういうことをユーザーから明確に示していただけると社内的にも改善の判断がしやすくなります。

Q.当初から社内的にユーザーテストを改善に活用していこうという方向性があったと伺っています。この辺りのお話をお聞かせいただけますか

そうですね。ただそういう意向はありましたが当時は何をやっていいかよくわからなかったんです。自社までモニタを集めて対面で調査してみることも考えましたが、やはり工数がかかるのでやれない。それでもユーザーテストはやりたかったので、会社の外にパソコンを持って行って触ってもらおうかと思ったくらいです。0から作り続けていると客観的に見られないので、コンバージョンが伸びないとなぜ伸びないのかという理由がわからないということもあり、そこを聞けるいいサービスがないかと思った時にちょうどユーザーテストExpressを見つけました。ただ、正直にいうと最初はちょっと半信半疑でもありました。

簡単すぎて「これだけでいいの?」と不安に

Q.それはユーザーテストサービスの質に対する不安のようなものでしょうか?

佃:そうです。よくあるネット上でのアンケートのような感覚でモニタが適当に答えていないかという不安です。実際にはとてもいいモニタの方にご協力いただけたので、みなさんちゃんと親身になって考えてくれるのでそこは本当に良かったです。初回無料で一回できるということで、まずやってみて、実際に納品された動画を見てみると「これはなかなか使えるんじゃないか」と驚きました。 西村:結果的にはいい意味ですが、はじめに使った時に「すごく簡単すぎる」というのがありまして、「旅行に行きたくてネットで予約をしたことがある人」ということだけを設定したらあとは設問も全部作っていただけるので「これだけでいいの?」という不安がありました。それがアウトプットの内容も非常に満足いくものだったので、今ではテストを設定する側としては非常に助かっています。

Q.なるほど。今実感している変化みたいなものはありますか?

西村:1つあるのが、「ユーザーはこうやって使ってくれているであろう」という思い込みがメンバーみんなの頭から消えたことです。改善していく時に「これは分かるだろうか」という確認がそれぞれの中でもしっかり行われるようになっています。 弊社の場合、ユーザーの年齢層が20代から上は70歳の方とかも予約している方がいらっしゃるので、どこかの年代に特化しすぎてもいけないし、でもそれぞれにちゃんと分かりやすいようにという、なかなか難しいところがあるので、そのいい塩梅というか正解を見つけるためのヒントを頂けていると思います。

Q.逆に改善点などあればお聞かせください

西村:同じモニタさんを違う調査で依頼しそうなったケースがありました。たまたま気づいた御社(ポップインサイト)のサポートセンターの方から「同じ人で大丈夫ですか」と確認が入り、違う人に変えさせていただきました。 こちらの管理でIDなどだけで判断するのは難しいので、モニタが重複していないかすぐにわかるといいです。 佃:モニタの数がどんどん増えて欲しいです。弊社としては上期下期で年に2回ほどの頻度で継続的にやっていこうと思うのですが、そうなるとモニタが被らないように、尚且つちゃんと発話していただけるモニタを選び続けるとお願いできる方がいずれ限られていってしまうのでその時にクオリティが下がるようだともったいないと思うので、そこはぜひお願いしたいです。

Q.定期的なチェックを行う上で、弊社サービスに限らず理想のユーザーテスト体制があるとしたらどんな形でしょうか?

佃:現状は今のパターンが一番いいと思っています。ポップインサイトさんのサービス使わずにやろうと思ったら、手配や準備などとにかく工数が大変です。質問の設計なども自前でやるには難しいですよね。しかもリモート調査はその場にいなくても勝手に動画が録画されて、それをこちらの好きなタイミングで、チームでも個人でも自由に見ることができるというのは、他に考えられないのですでに理想の体制に近いと思います。

「新しいけど使いやすい」そんなお客様目線のサービスを

Q.最後に、今後のミッションをお聞かせください。

我々は世の中にない仕組みを作っています。旅行予約サイト自体はたくさんありますが、本来なら旅行会社しか買えないような格安の券種など含めてほとんどの航空会社サービスを一画面で選べるというのは弊社独自のものです。つまりサービスとして新しくてエッジが立っていますが、裏を返すと初めて見るからこその新しいものに対する戸惑いもありえます。 時代はどんどん変わっていくので、いつでも先端に立っていくつもりですが、同時にお客様がどう使うかというところを、ユーザーテストを使ってお客様の生の声を聞きながらちゃんと理解して、「新しいんだけど使いやすいね」、「見たことないけど使いやすいね」と言われるようなお客様の目線にたったものを提供していきたいです。

※ページ上の各種情報は2018年1月時点のものです。

投稿日: 2021/11/05 更新日: