【事例】社内に「ユーザーを理解する」という姿勢をもたらしたシステム担当者の取り組み|ロングランプランニング
「エンタテインメントを、もっと身近なものに。」という理念のもと、芸術団体やその先のお客様に対して、公演に関わるあらゆる活動をフルサポートしているロングランプランニング株式会社。本記事では、BtoBとBtoCそれぞれに様々な形で顧客との接点を持つ同社が、実際にユーザーテストを導入したことでどのようなインパクトがあったのかなど、システムを担当する藤生様、中井様お二人にお話を伺いました。
Webでどう伝えていくかという課題を解決したかった
Q.先ずはユーザーテストを実施された背景をお聞かせください
中井:弊社は「エンタテインメントを、もっと身近なものに。」という理念のもと、興行主である芸術団体と、作品を観劇・鑑賞するお客様を繋ぐ事業を複数展開しています。当然、芸術団体、お客様それぞれと接点がありますが、なかでもインターネットでのチケット購入やポイントサービスを中心に、ネット上での接点がどんどん増えてきています。一方で興行の世界ではチケットの手売りや取り置き(当日精算)も未だに多く、芸術団体、お客様ともに必ずしもネットを使い慣れた方々だけではありません。そうした中で、いかに「エンタテインメントを、もっと身近なものに。」していくかは、いかに顧客が使いやすく理解しやすいウェブサイトを提供するか、ということと直結しているため「顧客のことをもっと知ろう」ということになりました。
Q.弊社のサービスを導入いただいたのはどういった経緯でしょうか
藤生:一番初めはBtoBの領域で、芸術団体の興行主様に弊社サイトでチケットを販売していただくというサービスのサイトリニューアルのために導入させていただきました。
弊社のチケット販売サービスには複数のプランがあり、芸術団体それぞれの興行規模や希望する販売方式に沿って最適なものをお選びいただいています。もともと各プランの特長を情報量が限られるウェブサイト上でどう伝えていくか、という課題を抱えていました。また前述の通りウェブやシステムに不慣れな方も多く、そういった方々にも分かりやすい内容にするというのがリニューアルの大きなポイントでした。その解決を思案している時に、外注しているデザイナーの方からユーザーテストをご提案いただいて、使い始めたという経緯があります。
Q.ユーザーテスト以外の選択肢はありましたか
藤生:我々の社内の事情から話しますと、システム担当を社内に設けたのが3、4年前で、当時は私一人でやっていました。しかし私はそれまでシステムやデザインなどを学んでいたわけではなく、会社に入って勉強をし始めたというような状況でした。とにかく試行錯誤しながらも、何が正解なのか全く自信がないという状態でやっていたときに、たまたま知ったのが御社(ポップインサイト)のユーザーテストでした。実ユーザーを想定したモニタにサイトを見て触ってもらい、フィードバックをもらえるということで、今まさに欲しかったサービスだと感じました。
Q.非常に困難な状況を経て今に至るのが伝わります。その時は他社サービスの比較はされたのですか
藤生:比較は当然しました。やはり費用面や、どういった成果物が頂けるのかというところを重視しました。当時はUIについて勉強されているデザイナーの方にレポート作成をお願いすることになっていたので、実際に弊社として必要なものはユーザーテストの動画をまず得たいという状況でした。そうした背景の中、一番リーズナブルでかつ、弊社の必要としている動画のみということにもご対応いただけたので、御社(ポップインサイト)に決めさせていただきました。
Q.なるほど。では当時依頼するにあたって不安感などはありましたか
藤生:アウトプットの質に対する不安はあまりなかったのですが、テストしたいサービス(チケット販売)が結構ニッチな領域なので、モニタがどれだけ集まるのかというところは心配していました。それが意外にも、こちらで選べるくらいの人数が集まったので安心しました。
ユーザーテストが社内にもたらしたもの
Q.ご覧になられた実際のユーザーテスト動画はいかがでしたか
中井:私の場合は今年、BtoC事業である、ウェブサイト上でチケットを買うお客様を対象としたユーザーテストを実施しました。弊社のチケット販売サイトはスマートフォンユーザーが多いので、スマートフォンサイトでの調査となりました。PCと違い、実際に手で持って操作をする動画ということで、画質や音声などの不安はありましたが、最終的に頂いたものはクオリティとしてとても満足いくものでした。
実はご依頼した中で一件だけスマートフォンがずれており動画がきちんと撮れていないものがありましたが、カスタマーセンターの方にお伝えしたところすぐに改めて調査しなおした動画を納品してくださり、その対応はとてもありがたかったです。
また動画を観て、モニタの方々もきちんと考えて発言してくださっていることを感じましたし、そういった面でもクオリティに関して満足しています。
Q.ありがとうございます。実際に使ってみた結果はいかがでしたか
藤生:例えばチケット販売サイトはサービスの分かりづらさなどをお問い合わせいただく件数が減りました。
しかし一番良かったことは、社内に「ユーザーを理解する」という姿勢が生まれたことだと思います。我々がどう売りたいかではなく、ユーザーが知りたいことや求めていることを理解して提供していかなければいけない、という意識がはっきりしたことは価値として大きいです。
Q.なるほど。実際の生の声は時に厳しい意見もあったかもしれませんが、その辺りいかがでしょう
中井:厳しいご意見も結構ありました。「こういう公演欲しいよね」「この見た目はお客さん目線からしたらありえない」など、サービスの内容からウェブサイトのデザインについてまで、率直なご意見を多数頂きました。正直、動画を受け取った当初はグサッときましたが、レポートにまとめなおしてみると、確かに的を射ていたり、分かってはいたけれど目をそらしていた部分へのご指摘が多く含まれていました。おかげで「今のままではダメだ」「向き合うべきことと向き合わなければ」という良い意味での危機感が生まれました。
Q.サイトの改善など、社内を巻き込む部分もあったかと思います。そういった点でご苦労はありましたか
藤生:社内的には割りと素直に浸透したと思います。レポートや動画を関係部署と共有しまして、ユーザーを理解する必要性を中心に共有できたと思います。それは我々がUIやUXについて初心者だったから良かったのかもしれないですね。今まであまり直にお客様の声を聞く機会が無かったので、すごく貴重な意見を知って、受け止めなければいけないという意識になりました。
ユーザーテストとアンケートを活用してわかったこと
Q.その他良かった点はありますか
中井:オプションで使った「発見点リスト」は課題をまとめる作業が非常に楽になりました。1名25分ぐらいの動画をいくつも観てまとめようと思うと結構大変なので、「発見点リスト」は簡易的なレポートの代わりになって助かります。
また、無料のトライアルはユーザーテストの利用について社内の合意を取るのに非常に良かったです。実際のアウトプットのクオリティが事前に共有できるので、「これだけのことが出来るなら予算を立てよう」となりました。
Q.改善して欲しいところはどんなところでしょう
中井:モニタに募集をかける時にもう少し絞り込む条件が設定できるといいと思いました。募集で集まったあとのモニタの詳細データは確認できますが、事前にもう少し細かく指定して募集をかけることができると、よりこちらが求めているモニタが集まりやすいのではないかと。
Q.ちなみにアンケートExpressもご活用いただいていましたがいかがでしたか
中井:アンケートも良い意見が結構頂けまして、むしろアンケートの方が、率直な意見が多かったですね。ユーザーテストは動画なので、ユーザーはどういう経路でウェブサイトを使い、その流れの中でどんな意見があったか、というフローや文脈の理解に役立ちました。一方アンケートはピンポイントでここが良い・悪い、ということがわかりました。アンケートの設問は「気になったコンテンツはありますか?」や「見辛かった場所はありますか」という大雑把なものでしたが、それでも「このページのこのコンテンツがおもしろかった」とか「トップページの左側のレイアウトが、文字が密集していて見辛い」など、サイトの中からピンポイントでの意見を得ることができました。
お客様の目線に立ってできることを考える
Q.最後に、お二人の今後のミッションをお聞かせください
藤生:「ユーザーテストExpress」を使うようになり、お客様を理解してユーザー中心でサービスを考えようという姿勢が生まれました。この動きをもっと全社的に、できる限り多くのサービスで導入することで、よりお客様のために使いやすいサービス、分かりやすいサービスというものを提供していけると思っています。「お客様の目線に立ってできることを考える」スタートに立てたところなので、「エンタテインメントを、もっと身近なものに。」するために、今後もユーザーテストを続けていきたいと思います。
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