Remote Work
リモートワークスタイルブログ
リモートワークの支援制度・仕組み

ポップインサイトがフルリモートワークの会社を始めた理由とは

総務省が推進するもなかなか定着しないテレワーク(リモートワーク)。そんな中、ポップインサイトはメンバーのうち8割がリモートワークです。

なぜ、ポップインサイトがリモートワークを始めたのか、社長である池田さんにその理由を伺ってみました。

開業当時はどんなワークスタイルだったのか

当時は渋谷の雑居ビルで集まるスタイルで仕事をしていました。最初からリモートワークだったわけではなく、出社スタイルが普通だと思っていました。

創業時は共同経営者と2名、そしてバイト数名程度のメンバーだったので大きなオフィスを持たなくても仕事ができましたが、徐々に人が増え、1年単位で転々とオフィスを変え3年目の段階では30名程度が収容できるオフィスビルでの業務を開始しました。

なぜリモートワークにしたのか

  1. 採用可能性の拡大
  2. 個人の可処分時間を増加
  3. 固定費削減

リモートワークにした理由①採用可能性の拡大のため

ポップがリモートワークという働き方を考えたのは、創業時一緒に仕事をしていたメンバーの一人が中国勤務を希望したことが始まりです。

突然、彼から「中国語をもっと学習するために中国に行きたい」と言われたのですが、彼はポップの主力メンバーだったので、今抜けられると非常に困ると思い「中国でいいから働いてみてよ」と話をしたんです。

チャイナウォールという情報の隔壁などの問題もあったんですが、意外とすんなり仕事を継続することができました。

中国にいても働けるということは、全国にいる優秀な方と働くことも可能なのではないかと考えるきっかけになりました。

つまり、リモートワークを軸にした採用ができるのではないかと考えたのです。

初のフルリモート正社員は、シングルマザー

早速どんな人を採用したら良いか検討を始め、レベルの高い人材を採用するために、「その環境でないと力が発揮できない人」を対象とすることに決めました。

片親で仕事をしているセグメントを狙えば、社会的にも価値があるのではないかと思い、いざ採用を実行。初の正社員は、シングルマザーの方に決まりました。

地方への委託で驚くほど能力の高い人材を発見

リモートワークでのユーザーテストを分業するにあたって、動画の文字起こしや、動画から発見点を得る作業など業務を分け、それぞれの作業を委託で依頼することにしたんですが、作業をお願いしている中に、驚くほど能力が高い人がいたんです。

今ではポップの正社員となり、主力メンバーとして働いてくれているのですが、彼女は当時広島に住んでいたので、ポップの仕事がなければコンビニでバイトするしかないと考えていたそうです。

その話を聞いて、そういう人がいるなら、地方のリモートワーク軸での採用は有望だなと改めて感じました。

リモートワークにした理由②個人の可処分時間を増やすため

会社員は当たり前のように毎日1時間、2時間という時間を通勤に充てています。

電車だけだと30分の通勤時間と思いがちですが、家で支度をして、電車までの道のりを歩いて、電車から会社までもまた歩く。それだけで1時間は超過するという方も少なくないのではないでしょうか。特に女性は支度に時間がかかりますよね。

通勤時間は本や新聞を読む時間に充てることは可能ですが、満員電車ではそんな余裕もなく、電車に乗るだけで疲弊してしまうことが多いのではないでしょうか。

リモートワークでは、自宅から出ることなく、また会議がなければ化粧など支度をする必要もありません。

これによって、例えば家族との時間や、夕食の準備に充てる時間、お出かけの時間さえもゆとりをもって確保することができるようになったのです。

中には、もしかすると通勤がない分働く時間が増えて喜んでいる人のほうが多いかもしれません。また、逆に働く時間が多くなりすぎて困っている人がいるかもしれません。

リモートワークだとなかなか個人個人が仕事とプライベートが両立できているか確認することができないので、毎週末「働き方ギャップ確認アンケート」というものを実施しています。

これは、個人が理想とする働き方を、その週に叶えられたかを確認しており、「ギャップが大きい」と回答した人に対しては、業務量を調整するなど、常に気を配るようにしています。

リモートワークにした理由③固定費削減のため

最後の理由はとてもビジネス的な話なのですが。

創業時は数名だったメンバーが次第に増え、広いオフィスが必要となり、月50万円もする広いオフィスを契約しました。東京の中心地では決して高くはないのですが、当時のポップには少々大きな出費となりました。

リモート勤務の人が増えたのをきっかけに、ミーティング時は会議室を借りて仕事をするという形態に変えました。

そうすることによって、当たり前ですが固定費を削減することができ、ポップの利益や、メンバーへの福利厚生に回すことができました。

会社として「リモートワーク」を実施するメリット

採用力が高まる

Wantedlyや自社サイトを含め、採用費は月たったの3万だけですが、働きに出る機会が得にくい子育て中の人や、地方に住んでいて良い仕事に出会えない人などを狙うことができるので、とても優秀な人たちからの応募が得られています。

競合は数社しかいないリモートワークの世界なのですが、ポップインサイトが選ばれることが多い気がしています。

知名度を上げやすい

リモートワークという切り口から、NHK「オイコノミア」の取材や、「テレワーク100選」選出など、知名度が挙げられる機会が多くあります。

社長のライフワークバランスが取りやすい

自分自身も出社自体は週1~2回なのですが、それによって子どもとの時間や、奥さんとの家事分担が一部できており、ハードワークと家庭の団らんを高いレベルで実現できています。

ポップのメンバーも仕事の状況にもよりけりだと思いますが、出社スタイルに比べると遥かにライフワークバランスが取りやすい状況ではないかと思っています。

個々人の活動が可視化しやすい

よく、リモートワークは「社員の動きが見えづらい」と思われます。

ですが、実際には、チャットツールなどでやり取りが可視化されるため、オフィス内で各自が働いている時よりも、各自の状況が見やすくなっています。

社長視点だと、ほぼクライアントMTG等で外出してたりするので、オフィスに集めるよりも、状況は見やすくて良いと思っています。

リモートワークという働き方のデメリット

基本的に大きなデメリットはありません。

強いて言えば「一体感」は醸成しづらいかもしれません。

出社型の会社のほうが、一同に、一か所に集めることができるため、一体感やコミュニケーションはスムーズになる可能性はあります。

ただ、実際に出社してても一体感を感じないという人も多くいると思いますし、ポップとしては特段問題だとは感じていません。

リモートワークの会社を続けていて思うこと


もっとリモートワーク前提の会社が増えるべき

自分自身がリモートワーク率が高い環境になってみて、改めて「通勤前提・出社前提の生活スタイル」があまりにも無駄すぎることを痛感しています。

打ち合わせなども、訪問しなくて済むケースは極めて多くあります。

リモート(訪問しないこと・同一空間にいないこと)を前提とした業務設計をすることのメリットは、個人・会社・社会の各レイヤーにとって重要なことなのではないかと考えています。

リモートワークのリテラシーは高める必要あり

リモートにおいては、非同期・非同席でのコミュニケーションが必要になるため、高いコミュニケーション能力が求められます。

このコミュニケーション能力をブレイクダウンすると、「論点整理」「前提整理」「論理構成の整理」「語彙等の文章能力」「画像などの活用力」「タイピングの速さ」と、身につけるのが一筋縄ではいかない基礎スキルがないと厳しくなっています。

そのため、リモートワークをしたい人には、ぜひ上記スキルを磨いていただきたいですし、企業としても基礎スキルのある人を見極めることでリモートスタイルの実現が近づくのではないかと思います。

ポップインサイトのこれから

ポップインサイトとして、リモートワークの継続は必須ですね。

時代の流れに沿い、会社の独自性や採用力にも多いに貢献しており、また既存社員も8割以上はリモートワークでないと働けないので、これから出社スタイルに切り替えるのは現実的に不可能ですね(笑)

ただ、リモートワーク・出社可能の比率は考える必要があるかなと思っています。

残念ながら今の日本社会だと、訪問必須にならざるを得ないケースがとても多くあります。

リモートワークしかできない人の比率が高いと、その分のしわ寄せが出社可能メンバーによっているのが現実としてはあります。

ポップにおいては、出社可能:リモート=1:4程度の比率を維持するのがベストではないかと現在進行形で考え中です。

会社によってベストな比率は違うと思うので、その辺は検討が必要ですね。

ぜひ、これからの働き方として「リモートワーク」を取り入れる参考にしてみてください!

投稿日: 2019/07/26 更新日:
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