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SEOとUXの最適なバランスとは?

本記事は著者KristineDotTech氏より許可を得て翻訳したものです。

元記事:” Finding a balance between UX and SEO” July 19, 2021 (original) UX Magazine, December 21, 2021(republished)

SEOとは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で、検索エンジンによる検索結果のページでサイトが上位に表示されるために様々な施策を行うことを言います。一方で、UXとは、User Experience(ユーザー体験)の略で、サイトなどプロダクトを通じてユーザーが得る体験を言います。

SEOとUXは、どちらも、サイトを運営する上で欠かせない重要な概念です。しかし、SEOに対する施策とUXに対する施策が、両立するのか相反するのか、様々な意見があります。

本稿では、SEOとUXの最適なバランスについて説明したUX Magazineの記事” Finding a balance between UX and SEO”をご紹介します。

はじめに

SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、検索エンジンに認識されやすくなるようにサイトを改善し、Googleなどの検索結果ページでより上位にサイトを表示させることです。一方、UX(User Experience:ユーザーエクスペリエンス)とは、サイト訪問者に良質なコンテンツとサイトにおける素晴らしい体験を提供することです。

つまり、SEOは機械にとって、UXは読者である人間にとって、サイトをわかりやすくすることに重点を置いています。これがSEOとUXが対照的であるように感じさせ、SEOとUXの適切なバランスについて、多くのマーケターやUX担当者が苦労する要因となっています。しかし、SEOとUXを同時に成立させることは可能です。検索結果が上位にありながら、読者に快適なインタラクションを提供するWebサイトは実現できるのです。

正直なところ、初めてSEOについて知ったとき、良い印象を持ちませんでした。何度も繰り返されるキーワード、読みやすさを考慮しないリンクの数や膨大なフッターは受け入れがたく、とても不快に感じたものです。振り返れば、これは「UX」を意識したSEOではなく、「Google最適化のみ」を意識していたためだと思います。

本稿では、SEOとUXのバランスを考える方法をご紹介します。

図1 検索キーワード SEO UX人気度の推移
▲図1:検索キーワード「SEO UX」人気度の推移(Googleトレンドを使用)
出典:Finding a balance between UX and SEO

ちなみに、Googleトレンドの推移(図1)からわかるように、これまで多くの人がSEOとUXの最適なバランスについて探し求めています。本稿がこうした人々の役に立つことを願います。

免責事項:本稿はSEOとUXに関する広範なガイドを提供するものではありません。SEOもUXもそれぞれ専門的な分野であり、日々進歩しているため、本稿を読んだからと言ってどちらものマスターになれるわけではありません。しかし、本稿がみなさんにいくつかのアイデアを与えてくれるはずと願っています。

SEOとは何か?その重要性とは

SEOとは、検索エンジンが関連するサイトを検索する際に、サイトを簡単に認識できるようWebページの様々な要素を微調整することです。

「SEOとは、検索クエリ(検索画面に入力した単語)によってあなたのサイトを表示させ、サイトに人々を引きつけることです。

ーNNgroup

Webページで、適切なキーワードを使用するなど「SEO施策」を行うことで、サイトを検索結果ページの上位に表示させることができます。これにより、ユーザーへのリーチも容易になるでしょう。

SEOがなぜ重要なのか、以下にポイントをまとめます。

  • トラフィック、特にオーガニックトラフィック(※)を獲得するために非常に重要です。
  • ブランディングにも重要です。
  • サイトを最適化することにより、サイトの信頼性が高まります。ほとんどの人は、検索結果の1ページ目に表示されるサイトを信頼しています。
  • オーガニックトラフィックを獲得することは、持続可能なビジネスを構築するための手段となります。サイトにしっかりとしたSEO対策を施せば、広告掲載料を支払わなくても競合他社より上位に表示され、ユーザーの注目を集めることができます。

※オーガニックトラフィック:広告を使用せずに得る自然検索によるサイト訪問

UXとは何か?その重要性とは

UXは、ユーザーと会社・プロダクト(製品やサービス)との相互作用ともいえます。優れたUXというものは、ほとんどユーザーの目に見えず、ユーザーが気づかないものです。

ユーザビリティとはサイトにたどり着いた後の人々の行動に関するもので、主な目標はコンバージョン率を高めることです。

ーNNgroup

特にeコマース商品の場合、ユーザーの定着や獲得は、サイトのUXに大きく依存します。UXを重視すれば、ユーザーはサイトで探している情報を簡単に見つけることができます。つまり、UXが優れたeコマースサイトの場合、ユーザーは欲しい商品を簡単に見つけ、すぐに注文することができるということです。

UXがなぜ重要か、以下にポイントをまとめます。

  • 激しい競争環境においても、自社のWebサイトやビジネスを際立たせます。
  • 素晴らしいUXは、サイトのコンバージョン率を劇的に向上させます。
  • ユーザーの定着率に、最も大きな影響を与えます。ロイヤルユーザーグループを維持するためには、Webサイトは、ユーザーごとにパーソナライズされた体験を提供する必要があります。

SEOとUXの意味と重要性が分かった上で、次に両者が相互に関連していることを理解する必要があります。優れたUXは、SEOのランキングを上げるのに役立ちます。ただし、どちらかが欠けてしまうと、プロダクトの全体的な体験に悪影響を与えてしまいます。かつて、アリストテレスは「全体は部分の総和よりも大きい。」と言いました。これは、まるでSEOとUXのバランスが良くないと、プロダクト全体に大きな影響を与えると言っているかのようです。

序文が長くなりましたが、要約すると次のようになります。

SEOは、サイトが検索上位になることを確保する。UXは、ユーザーのコンバージョンを確保する。しかし、どちらか一方が欠けるとプロダクトは成り立たない。

SEOとUXを両立させる方法

まず、大切なのは、SEOとUXが強い関連性を持っているということです。SEOとUXに影響を与える要因がすべてわかれば、どちらも良くすることが可能です。

図2 UXとSEOは密接に関係しており、
企業の収益、評判、顧客満足度に大きな影響を与える
▲図2:UXとSEOは密接に関係しており、
企業の収益、評判、顧客満足度に大きな影響を与える。
出典:Finding a balance between UX and SEO

1.コンテンツを重視する

Webサイトに、何ページもただコンテンツが続くだけでは、サイト訪問者は退屈してしまうかもしれません。良いUXを実現するためのポイントは、要点を押さえた簡潔なコンテンツにすることです。しかし、コンテンツが短すぎると検索エンジンが理解しづらくなり、リストアップされなくなる可能性があります。

この2つの課題を克服するためには、どうしたらいいのでしょうか。

まず、各ページに十分なコンテンツを用意し、ユーザーが楽しめるインタラクティブなパターンで提示しましょう。実際、多くの読者は、内容が適切である限り、たとえ長文でも必要な情報を一度に与えてくれる、網羅的な記事を好みます。

図3 コンテンツの長さは重要
▲図3:コンテンツの長さが重要
出典:Finding a balance between UX and SEO, SerpIQ

検索サイトにおけるランキングとコンテンツの字数をみると(図3)、検索上位は平均2,416単語、10位は2,032単語となっています。つまり、上位10位に入っているサイトはいずれも2,000単語を上回っているのです。

また、サイト訪問者の注意を引き続けるためには、コンテンツをわかりやすいまとまりに分割する必要があります。例えば、画像や動画、関連リンクなど、よりサイト訪問者の興味を引くような要素を追加したほうがよいでしょう。この戦略は、ランディングページやホームページのような、重要なページで特に有効です。ランディングページやホームページでは、コンテンツが多くなりがちです。このため、サイト訪問者が簡単に移動できるよう、適切なセクションに分割したほうがよいでしょう。

2.徹底したキーワード調査をする

キーワード調査は、マーケティング担当者なら誰もが行う、優れた投資といえます。どんなに有益なコンテンツでも、興味があるユーザーにリーチできなければ意味がありません。3つ以上のキーワードを組み合わせた検索キーワード(ロングテールキーワード)まで調査し焦点を絞ることで、適切なユーザーを獲得しましょう。そうすれば、きっとコンバージョン率を向上させることができるでしょう。

キーワードを適切に用い、サイトが改善されると、狙ったユーザーが立ち寄るようになります。また、キーワード調査によって、「不要なキーワードを詰め込まずにコンテンツを構成する方法」もわかります。キーワードの配置を間違えたり、キーワードを何度も重複して使用したりすると、ランキングが下がるだけでなくコンテンツの魅力も減ってしまいます。

そして、キーワード調査をしっかりと実施することで、どの属性をターゲットとするか判断がしやすくなります。ターゲットとするユーザーがどのような単語を使用し、どのような目的で検索しているのかを把握すれば、検索結果ページでサイトが上位に表示されるようになることはもちろん、優れたUXを維持することも可能になります。

キーワード調査のUXへの有効性は、製品のギャップを調査し、製品を改善することを考えればわかるでしょう。顧客が何を求めていて、製品が何を提供できていないかを知ることは、ビジネスにとっては金鉱を見つけるようなものです。つまり、キーワード調査は、SEOとUX、ひいてはビジネス利益につながる素晴らしい情報をもたらしてくれます。

3.ページの読み込み時間を定期的に確認する

ページの表示スピードは、サイトの視認性とコンバージョン率のどちらにも影響を与えます。つまり、表示スピードはUXとSEOのどちらにも重要ということです。

レスポンシブ対応(※)をしていないサイトは、ユーザーの興味をそぎ、検索エンジンによる評価も低くなってしまいます。このため、表示スピードを早くするために画像などの圧縮ができているか、リダイレクトを最小限に抑えるよう定期的に確認することが必要です。また、サーバーの応答時間が、ページ全体のパフォーマンスを低下させていないことも確認しましょう。

こうしたチェックを実施することは、検索エンジンのランキングを上げるためのページ最適化だけでなく、優れたUXの維持にもつながります。ページの読み込み時間が長くなると、サイトの直帰率(※)が高くなります。これは、トラフィックが減少し、ランキングが下がることを意味します。ページの応答性を良くするためには、ファイルを結合したり、ホスティング(レンタルサーバー)が効率的であるか確認したり、ページの圧縮状況をチェックすると良いでしょう。

※レスポンシブ対応:PCやスマートフォンなど、異なったデバイスの画面に対応すること
※直帰率:入口となる最初の1ページだけを見てサイトから離脱してしまう割合

4.サイト内におけるユーザー行動に焦点をあてる

SEOとUXを相反させる要因の一つに「ナビゲーション」があります。複数のページを回遊させるナビゲーションは、サイトのランキングを上げることに貢献するかもしれません。しかし、多くのユーザーは、迷うことなく、簡単に探しているページを見つけたいと思っています。

このため、SEOとUXのバランスを取るためには、サイト上のナビゲーションを複雑にしないことが大切です。また、できる限り少ないページ数を維持するようにしましょう。そうすれば、ユーザーにとって必要な情報がどこにあるかわかりやすくなります。より良いUXを提供しつつ、検索ランキングで良い結果を出すためには、明快さが鍵となります。

5.コンテンツはモバイルで最適化する

2015年より、Googleはモバイルエクスペリエンスに焦点をあて、それ以来、モバイルエクスペリエンスは、Googleのアルゴリズムのアップデートにおいて重要な位置を占めるようになっています。

全世界のWebトラフィックの約半分をモバイルが占めている。2017年以降、モバイルデバイス(タブレットを除く)が世界のWebサイトトラフィックに占める割合は、一貫して50%台で推移しており、2021年第1四半期には、世界の54.8%を占めている。”

ーJ. Clement、Statista、2021年4月

かつて、Webサイトをモバイル端末向けに最適化することは贅沢なことでしたが、今日では必須事項です。いまや、モバイルの最適化は、SEOとUXのどちらもに重大な影響を与える要因の一つとなっています。ユーザーが、PCとスマートフォンの両方で同じ検索クエリを使用したとしても、同じページが検索結果の1ページ目に表示されるとは限りません。これは、すべてのページがモバイルに最適化されているわけではないからです。

サイトへのトラフィックを維持したい場合、モバイル最適化に注力する必要があります。もちろん、モバイル最適化はユーザーエンゲージメントを高める上でも大きな役割を果たします。レスポンシブで、モバイル画面に対応するサイトにすることによって、サイトのランキングは強化され、ユーザーがサイトを訪れるようになるでしょう。そして、モバイルでは、読み込み時間がより重要になります。

SEOに良いことは、UXにも良い

図4 SEOにとって良いことはほぼUXにとっても良い
▲図4: SEOにとって良いことは、ほぼUXにとっても良い 
出典:Finding a balance between UX and SEO

これまでご説明した点を念頭におき、SEOとUXが両立するプロダクト戦略やマーケティング戦略に取り組むようにしましょう。そして、サイトがユーザーの興味を引き続けているか、検索エンジンで良いランキングを獲得しているかを確認するために、戦略を監視し評価し続けることが重要です。そうすれば、売上を伸ばすだけでなく、投資に対する収益も増やすことができます。

SEOとWebアクセシビリティの向上

W3C(※)は、Webアクセシビリティを「障害者の人々がWebサイトにアクセスし回遊し理解し対話しコンテンツを投稿するための能力」と定義しています。

デザイン、UX、技術インフラ、情報アーキテクチャなど、SEOが対象とする範囲は、Webアクセシビリティが対象とする範囲と広く重なっています。どのようなプロダクトにおいても、UXを設計する際には、ユーザーの能力やニーズに広いばらつきがあることと、クローラー(※)やスクリーンリーダー(※)の要件に留意することが不可欠です。

例えば、画像を使用せず、CSSを使用してレンダリング(※)することも考えられます。また、画像を使用する場合は、スクリーンリーダーで音声に変換できるように、代替テキストを含めることを忘れないようにします。

図5  SEOに影響を与える5つの要因のうち、alt属性の欠落、タイトルタグの重複、メタディスクリプションの重複は、ウェブアクセシビリティにも影響する。
▲図5:SEOに影響を与える5つの要因のうち、「alt属性の欠落」「タイトルタグの重複」「メタディスクリプションの重複」は、Webアクセシビリティにも影響する。
出典:Finding a balance between UX and SEO,Statista

図5では、SEOに大きな影響を与える5つの要因を挙げています。5つの要因のほとんどが、Webアクセシビリティとユーザビリティにも影響を与えていることがわかるでしょう。

なお、alt属性(altタグ、altディスクリプションとも呼ばれる)とは、画像に付与されるHTMLの属性です。この属性には3つの重要な役割があります。

  1. 検索エンジンに代替テキストを提供する(SEO対策として有効)
  2. 画像の代わりにaltを使用することで,、スクリーンリーダーを使用するユーザーに画像に対する情報を提供できる(Webアクセシビリティに良い)
  3. 画像が読み込めない場合、画像の代わりに説明テキストを表示できる(UXに良い)

※W3C:World Wide Webで利用される技術の標準化を推進する、国際的な非営利団体(IT用語辞典より引用)
※クローラー:インターネット上に存在するサイト・画像・動画などのデータを収集するシステム
※スクリーンリーダー:視覚障害者などのために画面を読み上げるソフト
※レンダリング:データをもとに画像を生成すること

まとめ

SEOとUXは相反するものではありません。長年にわたり、Googleのアルゴリズムは、ユーザーにとってより良いものを優先してきました。そして、それは今後も変わることはないでしょう。

図6 ユーザーエクスペリエンスに焦点を当てたGoogleの検索アルゴリズムアップデートのまとめ
▲図6:ユーザーエクスペリエンスに焦点をあてた、Googleの検索アルゴリズムアップデートのまとめ
出典:Searchenginejournal

本稿では、私が何年もかけて、SEOとUXの両方に役に立つと感じたことの一部をご紹介しました。SEOとUXを両立させるヒントは、まだたくさんあると思います。もし、機会があれば、是非みなさんの方法も教えてくださいね。

著者紹介

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Kristine Kalnina
シニアUXリサーチャー/Oracle

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投稿日: 2022/02/03 更新日:
カテゴリ: マーケティング情報, UX改善, 海外最新記事・UXを学ぶ