7ステップで作る!成果につながるカスタマージャーニーマップ


カスタマージャーニーについて、用語としてなんとなく理解していても、実際に作って活用するところまではたどり着いていない企業がほとんどではないでしょうか。この記事では、カスタマージャーニー作成の目的や必要性などの基礎知識のほか、カスタマージャーニーマップの作成ステップを7つにわけて解説します。御社のカスタマージャーニーマップ作成にお役立てください。

カスタマージャーニーとは

まずは「カスタマージャーニー」について確認しておきましょう。

「カスタマージャーニー」は、製品やサービス、ブランドにまつわる顧客の行動を時系列に並べ、ポイントごとに顧客の感情・思考、抱えるであろう課題を洗い出すフレームワークです。それをマップとして「見える化」したものが「カスタマージャーニーマップ」です。

顧客が商品を認知し、商品について学び、比較検討し、購入、評価するといった行動の流れを旅にたとえて「カスタマージャーニー(顧客の旅)」と呼んでいます。

顧客と製品やサービス、ブランドをめぐる関わりは単純なものではなく、一連の行動に加えて、さまざまな感情・思考・課題が生まれます。それに対して現在はどのようなタイミングで、どのような対応をしているかを考えてみると、そこに新たな改善のポイントが見えてきます。

実際に作られたカスタマージャーニーマップを見てみましょう。

出典:株式会社のれん

上記は比較的単純化されたわかりやすいマップの例です。横軸は時系列で行動が並び、縦軸にはその行動フェーズごとの思考や感情、検討事項が並んでいます。横軸や縦軸に持ってくる項目は、顧客の行動に従い思考や感情、課題が整理されていれば特に決まりはありません。

以下のように、顧客の感情を視覚的に把握しやすいようにグラフ化したものもあります。

出典:株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー

カスタマージャーニーマップ作成の目的

カスタマージャーニーマップの作成はなんのために行われるのでしょうか。

徹底して顧客視点に立つ

カスタマージャーニーは、都合の良いように顧客像を作り上げて施策を決めていきがちな売り手側や開発側の目線を、顧客視点にシフトさせる助けとなります。顧客は、製品やサービスに接しているときだけ生きているわけではありません。カスタマージャーニー分析は、顧客を一人の人間として、その生活や思考を洗い出すところからスタートします。徹底して顧客について考えることが求められます。

顧客の体験を理解して、最適な施策に落とし込む

カスタマージャーニーマップは、サービスの開発や集客・販促、ブランディング、WEBコンテンツの改善などのツールとして利用されます。近年、マーケティングの世界では、顧客に対して最適なタイミングで最高の体験をしてもらうことで商品やサービスの価値を高める「顧客体験価値(カスタマーエクスペリエンス)」の重要性が注目されています。「買わせる」のではなく、顧客に選んでもらうこと、商品に満足してもらうことが次の購買行動につながるという考え方です。顧客体験価値を向上するには、顧客の行動や体験、感情を理解することが欠かせません。カスタマージャーニー分析を行うことで、顧客の体験に寄り添った最適な施策を立て、顧客の支持を得ること、ひいては顧客視点で自社の競争力を高めることを目指します。

チームで顧客像や施策を共有する

顧客の体験や感情を整理し、カスタマージャーニーマップとして「見える化」することで、チーム内、あるいは部署を超えて顧客像を共有できます。製品やサービスに関わる担当者間で認識を共有することで、顧客視点に基づいた施策を出しやすくなります。また施策の実施にあたっても「何のためにやっているのか」を担当者全員が共有しやすくなり、理解が深まることで、より顧客体験価値に即したサービスを提供することができます。

7ステップで作るカスタマージャーニーマップ

それではカスタマージャーニーマップの作り方を解説していきます。

上記カスタマージャーニーマップのフォーマットをここからダウンロードできます。

誰がどうやって作るの?

作り方に入る前に、誰が作るかについて決めておきましょう。マーケティング担当者が一人で想像して作ったカスタマージャーニーマップは、どうしても偏った見方になってしまいがちです。実際に顧客との接点があるセクションと協力して複数人のチームを作り、意見を出し合いながら作っていくのが理想です。また、顧客の真の姿に迫るためには、顧客自身や顧客対応担当者へのアンケートやヒアリングなども活用して、できる限り生の声を参考としましょう。

1.ペルソナの設定

まずはじめに、分析対象とするペルソナを設定します。ペルソナは、ターゲット顧客を分析し「特定の一人の人物像」に仕上げたもの。ペルソナがあいまいだと分析する人物像がはっきりせず、カスタマージャーニーもぼんやりしたものになってしまいます。ペルソナが複数人いるという場合は、複数枚のカスタマージャーニーマップができあがります。

同時に、ペルソナにたどり着いて欲しいゴールもあらためて明確にしておきましょう。「初めての商品購入」「リピート購入」「SNSでの拡散」など、ゴールはさまざまのはずです。これは何のためにカスタマージャーニーマップを作るのか、という目的や課題の再確認と言ってよいでしょう。

ペルソナマーケティングについては以下の記事もあわせて確認すると分かりやすいです。
ペルソナマーケティングを理解する上でおさえておきたい国内事例4つ

2.フェーズの設定

次に、マップ作成の目的や事業内容などに応じてフェーズ(ステージ)を設定します。このフェーズが横軸のベースになります。一般的な購買行動では、「認知・興味関心」「情報収集・理解」「比較検討」「購入」「継続利用」のフェーズがありますが、目的によってこの限りではありません。

フェーズを設定するのが難しい場合は、ステップ4に先に進み、思いつくままに顧客の行動を洗い出していき、それを分類していってフェーズにわけていくという方法もあります。テンプレートにこだわらず、目的にあったフェーズの設定を行いましょう。

3.タッチポイント・チャネルの洗い出し

フェーズを設定したら、次にタッチポイントとチャネルを洗い出します。タッチポイントは顧客と製品やサービス、ブランドとの接点、チャネルはその接点を実現した媒体を指します。例えば「比較検討」のフェーズで、「スマホのWEBサイトで商品コンテンツを閲覧」という場合、チャネルはスマホサイト、タッチポイントは商品コンテンツになります。

顧客との接点を明確にしておくことは、顧客の行動や感情を考える上で重要なポイントです。洗い出す際は、「ここでこういう接点を持ちたい」という理想と、「今はこういう接点になっている」という現状をきちんと分けておくことに注意してください。現在はどうなっているかを洗い出し、改善に役立てましょう。

なお、チャネルやタッチポイントの洗い出しはステップ4の行動の洗い出しと一緒に行ってから整理するほうがやりやすいケースもありますので、柔軟に対応してください。

4.行動の洗い出し

次に、ペルソナの行動を時系列で洗い出していきます。ブレストしながら付箋などを使って思いつくままに貼り付けていき、ある程度出たところで、ステップ2や3で設定したフェーズやタッチポイントごとに整理していくとよいでしょう。

このとき、タッチポイントやチャネルのときと同様、現状を顧客視点で洗い出すことを忘れないようにしましょう。アンケートやヒアリングも活用し、どんなときにどのような行動をするかを洗い出します。また顧客の行動はタッチポイントに対するアクションのみではないことに注意します。例えば「WEBサイトの閲覧」というタッチポイントの前に「Googleでの検索」という行動があったり、「商品をサイトで購入」というタッチポイントの前に「家族に相談」という行動があるかもしれません。タッチポイントの周辺の行動まで思いを馳せることが重要です。

5.感情・思考の洗い出し

ペルソナの行動を洗い出したら、その行動に際しての感情や思考を洗い出していきます。感情は嬉しい・悲しい・不安・安心など行動に伴って発生する心の動きです。思考は「信頼する」「迷う」「疑問に思う」といった顧客の考えていることです。「こうなっていたらいい」という売り手の理想を混ぜないことに気をつけます。感情や思考はポジティブなものもネガティブなものも、どちらも欠かさず出しましょう。

6.課題や施策の洗い出し

これまでのステップでペルソナの行動や感情の把握ができたら、それをもとに現状の課題や問題点、改善施策、追加施策を洗い出していきます。ペルソナの行動とマッチしていないポイントはどこか、ペルソナの感情や思考にそむいているポイントや感情の後押しが足りていないポイントはないか、そういった点について考えていきましょう。

課題や施策を洗い出す前に、次のステップに進んでマップを完成させ、それを元に課題や施策を検討していくという流れでも構いません。

7.マップとして仕上げる

以上の6ステップが終了したら、清書してマップとして仕上げていきます。横軸には時系列にフェーズを並べ、縦軸にはチャネル・タッチポイント、行動、感情・思考、課題・施策が並びます。

必要以上にグラフィカルにすることはありませんが、マップを作った人以外でも理解しやすくする工夫は必要です。例えば、感情はグラフで図示すると、見る人がイメージしやすく、「この上向き矢印を維持するにはどうしたらいいか」といった議論に発展させやすくなる効果があります。

まとめ

カスタマージャーニーマップには、決められたフォーマットはありません。業界・業種や企業規模、作る目的によって、仕上がるマップは変わってくるでしょう。これが正解というものはなく、重要なのは「ペルソナの実際の感情や行動に即したものになっているか」という点です。マップができあがったら「本当に顧客の目線で作られているか」「こうあってほしいという願望がまじっていないか」という点に注意して、見直しをしてみましょう。また、チーム間や社内で共有し、施策を実施していくなかで、「ここは実際と違っていた」ということも必ず出てきます。その際にはマップを修正し、改善していきましょう。

カスタマージャーニーマップの作成ツールや分析ツールもありますが、ツールを使う前に、荒削りでも自分達の手でカスタマージャーニーマップを作ってみることで、理解を深められます。最初から精度の高いものを目指す必要はありません。作ってみた上で、「ここはもっと詳細に分析したい」「よりわかりやすく可視化したい」というところがあれば、ツールの力を借りてブラッシュアップしていくのもひとつの方法です。簡単なようで難しい顧客視点の獲得を、カスタマージャーニーマップの作成で実現していきましょう。

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