【実例紹介】カスタマージャーニーマップ作成の4パターン(7ステップの作り方)

カスタマージャーニーマップはマーケティングに必要不可欠です。しかし、その重要性はわかるものの、実際に作って活用するところまではたどり着かない、という方も多いですよね。
この記事では、
- カスタマージャーニーとは何か
- カスタマージャーニーの具体例:どんな目的&ケースで有用か
- カスタマージャーニーマップの作り方の7ステップ
を解説します。
ポップインサイトでは、ユーザーリサーチのファクトにもとづいたペルソナ作成・カスタマージャーニーマップの作成を支援しています。
本当に使えるペルソナ・カスタマージャーニーマップの作成を行いたい方や、ワークショップを実施してペルソナマーケティングの社内浸透を行いたい方、サービスのUX改善に課題がある方はお気軽にご相談ください。
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※関連記事:【4つの成功事例】ペルソナマーケティングとは?
目次
カスタマージャーニーマップとは
まずは「カスタマージャーニー」について確認しておきましょう。
カスタマージャーニーとは、製品やサービス・ブランドにまつわる顧客の行動を時系列に並べ、顧客の感情・思考、抱えるであろう課題を洗い出したものです。顧客が商品を認知し、商品について学び、比較検討し、購入、評価するといった行動の流れを旅にたとえて「カスタマージャーニー(顧客の旅)」と呼んでいます。
そして、それをマップとして「見える化」したものが「カスタマージャーニーマップ」です。
デジタルを中心としたタッチポイントの増加にともない、顧客と製品・サービスとの関わりは複雑化しています。また、タッチポイント毎に、さまざまな感情・思考が発生します。顧客の感情・思考と製品・サービスの関わりを整理すれば、現状課題を把握したり、新しいアイデアを思い浮かべる大きなヒントになります。
カスタマージャーニーマップの具体例6選
では、実際のカスタマージャーニーマップを見てみましょう。
入門者はここからはじめよう!「シンプルイズベスト」2例
カスタマージャーニーを作る際、難しく考える必要はありません。横軸に「フェーズ」(=ステージ)を置き、フェーズごとに
- ユーザがどのような行動をとるか
- ユーザはその時何を考えているか
- 自社はどんなアクションをとるべきか
を思いつく限り書き出していくところからスタートしましょう。
この例では、商品の検討段階から購入後の評価に対しての戦略を策定する目的でカスタマージャーニーマップが作成されているので、「フェーズ」(ステージ)の範囲は「商品を探す」「購入する」「利用する」「評価する」の4つとなっています。

引用:株式会社ゼロセット
以下のカスタマージャーニーマップも非常にシンプルです。こちらは、ユーザの「行動」「思考/感情」に加え「インサイト」にも着目し、ユーザが本当に求めていることは何かを検討しています。横軸や縦軸に持ってくる項目は、顧客の行動に従い思考や感情、課題が整理されていれば特に決まりはありません。

出典:株式会社のれん
初級編:各タッチポイントでの社内ステークホルダーも把握
こちらのカスタマージャーニーマップは一見複雑に見えますが、構成要素は上述の2例同様、stage(ステージ)・step(ユーザ行動)・touchpoints(タッチポイント=顧客接点)です。特徴的なのは、それぞれのタッチポイントにおいてステークホルダーとなる部署がどこか、が星取表で表示されている点です。
これにより、課題の解決策を検討する際にイニシアチブをとるべき部署や、どの部署がコミュニケーションを取り合うべきかが一目瞭然です。

中級編:ユーザの感情の動きをより詳しく追ってみよう
以下のカスタマージャーニーマップでは、40代男性があるブランドのタイヤを購入するまでのジャーニーを表したものです。特徴的なのは、ユーザの感情の推移がグラフ化され、視覚的に把握しやすいようになっていることです。「タイヤを購入する意思」が消極的(中心線より下に下降)か、積極的か(上昇)を一目で把握することができるようになっています。

上級者向け:ステージごとの商機会も加味し、より複合的な「ジャーニー」把握へ
以下のカスタマージャーニーマップでは、「夏休みにはじめてハワイ旅行に行く35歳の夫婦」というペルソナの、旅行前のリサーチから旅行後の評価、そして次の旅行プラン検討までのジャーニーが示されています。
ユーザ行動とユーザの感情の変化(ポジティブ/ネガティブ)に加え、「現状の顧客接点」「顧客接点の提供価値」「機会とリスクの発見」が網羅されています。それにより、「旅行中には接点を活用できていない」という課題を明確に洗い出すことに成功しています。

出典:ADver Times
以下のカスタマージャーニーマップは、渡邉家(35歳サラリーマンの夫・32歳専業主婦の妻・3歳の男の子)という家族ペルソナの、家族旅行の検討から旅行後のジャーニーマップです。各ステージのタッチポイント、ユーザ行動とその心理に加え、ビジネス課題の気づきやそれを裏打ちする数値データが整理された非常に網羅的なジャーニーマップです。
このカスタマージャーニーマップは当初、温泉旅館サイトのリニューアルを目的として作成されました。しかし、マップを作成する中で、「夫婦の合意形成プロセスのタイミング」が旅行を成功させるうえでの重要なポイントであるという新たな発見点が得られました。
ビジネス成果の向上を目指すうえで、カスタマージャーニーマップが非常に大きな役割を果たすことは明らかです。
出典:株式会社デモ
このように、網羅的なカスタマージャーニーマップは非常に有用なツールです。
しかし、注意すべきは、あまりに多くの情報を盛り込みすぎることでマップが必要以上に複雑化してしまい、肝心の施策の策定が困難になってしまうことです。
失敗例
- 子供が生まれてから18年をカスタマージャーニーマップに落とし込んだが複雑すぎて事業に活用できなかった
- 100の課題を洗い出したものの優先順位がつけられず改善が進まなかった
ウェブや書籍などで紹介されているカスタマージャーニーマップは、イラスト・画像を多用した見た目がキレイなものが多いですが、カスタマージャーニーマップは、実際に「ただの表」です。実務的には、Excelを使って整理するだけで全く問題ありません。大事なのは、当たり前ですが「中身」です。
【無料ダウンロード】ユーザリサーチで裏打ちしたカスタマージャーニーマップ
ポップインサイトでは、数十回ものユーザリサーチに基づいたカスタマージャーニーマップを作成し、公開しています(2019年8月~)。
このジャーニーマップは、インタビューおよび数十~数百人へのアンケートを何十回も繰り返すことで得たリアルなユーザの声をベースとしており、商品・サービス提供者視点ではなく実ユーザの視点から作成したジャーニーマップです。
「ユーザ視点」にこだわるポップインサイトの真骨頂となるジャーニーマップの内容をぜひご一読ください。
① 自動車購入~メンテ・車検~買い替えジャーニーマップ
- 初回購入時と買い替え時では「安全性が気になる」の意味合いが異なる
- 買い替え時は「サイトで見積もり」を実施しない
- ネットで下調べするのは営業スタッフとの交渉のため
など、初回購入から10年間のジャーニーと顧客インサイト満載です!
② 「今の仕事に不満がある」30代の転職ジャーニーマップ
- 具体的な転職活動を行っていない群でも35%は「転職に興味あり」
- 「雇用形態」「残業・労働時間」に不満がある群が転職を検討する傾向
- 転職サイトをもっとも活用するのは「転職し始め」「エントリー・応募」フェーズ
など「転職のリアル」満載です。
カスタマージャーニーマップ作成の4つのパターン
さて、カスタマージャーニーマップの作成は何のために行われるのでしょうか。
当社でも最近、カスタマージャーニーを作りたいというご相談が増えていますが、よくよく背景状況を聞いてみると、以下の4つのパターンに集約されます。カスタマージャーニーマップを作る目的やプロセスはパターンごとに異なります。ぜひ確認してみてください。
パターン1. 筋の良い改善アイデアを出したい(チーム内の認識を揃えたい)
最もよくあるパターンは、「Webサービスやアプリなどを具体的に改善する」ことを目的とし、「筋の良い改善案をだす」または「チームの認識を揃え、動きやすくする」ための手段としてカスタマージャーニーマップの作成をおこなうものです。
■ プロジェクト成功のポイント
このパターンの場合のキーポイントは以下の3つです。特に3つ目の「ワークショップでの議論」の盛り上がりにより、成果が大きく変わります。
- 改善すべき対象や範囲は事前に決める
- 改善の意思決定者をプロジェクトに巻き込む
- 改善施策はワークショップで議論し、当事者意識を高める
■ プロジェクトのよくある進め方
通常、プロジェクトの進め方は以下のとおりです。「2. ターゲット定義」は、すでに決まっている場合は整理するだけですが、決まっていない場合はここでワークショップを挟むこともあります。
- 改善対象や範囲の整理
- ターゲット定義(ペルソナ定義)
- ペルソナのデータ収集&リサーチ(インタビュー、アンケート等)
- カスタマージャーニー素案の作成
- ワークショップの実施
- カスタマージャーニーの整理
- 各タッチポイントにおける現状課題整理
- 課題に対する改善アイデア出し
- アイデアの整理(リスト化)
ワークショップに意思決定者や関係部署を巻き込んで課題認識を共有し、一緒にアイデアを出すのがカギです。人数が多いと調整などが大変ではありますが、必ず参加してもらいましょう。
パターン2. タッチポイント横断体験の課題を把握したい
PC・スマホ・タブレットといったマルチデバイスや、自社サイト・外部メディア・口コミメディア・ソーシャルなどのマルチプラットフォームなど、ユーザとのタッチポイントは飛躍的に増えています。
このような中で「各タッチポイントでの個別改善は行っているが、横断的な体験が管理できていない」という課題感に対する打ち手として、カスタマージャーニーマップを作りたいというニーズがでる場合があります。
■ プロジェクト成功のポイント
このパターンの成功ポイントは以下3つです。ワークショップ等での議論では、各ステークホルダーの「思い込み」が強く実態を反映しづらい場合があるので、しっかりとファクトに基づいて整理することが大事です。
リサーチでは、ユーザテスト等の単発のタッチポイントに向いた調査よりも、インタビューや日記調査などにより、長い時間軸での行動・思考を把握することが大事です。当社でも最近は、LINEを使って継続的に行動や思考を追うようなリサーチが増えています。
- 評価すべきタッチポイントを整理する
- 体験の流れが把握できるように、継続的かつ複合的なユーザリサーチを行う
- ファクトに基づいて流れを整理する
■ プロジェクトのよくある進め方
ワークショップで議論するというよりは、多角的なユーザリサーチのファクトに基づき、ロジカルに整理していくことが多いです。
- 評価すべきタッチポイントの整理
- ターゲット定義(ペルソナ定義)
- ユーザリサーチの実施
- インタビュー
- 日記調査(LINEなども活用可能)
- カスタマージャーニー作成
- タッチポイント別の課題整理
パターン3. ユーザ視点(UX視点)で自社・競合を評価したい
自社サービスと競合サービスの良し悪しをユーザ視点(UX視点)で評価したり、良い点をベンチマークして取り込んでいきたいというニーズが継続的にあり、以下のような様々な方法がありますが、どれもしっくりこないという場合があります。
- 調査機関のサイトランキング等を活用:レイアウトやUI等の表面的な評価になってしまう
- NPS等の取得:サイトでなくサービス評価になってしまう(サービス内容に依存)
- ユーザテスト等での評価:多人数での実施に大きなコストがかかる
このような課題に対して、カスタマージャーニーマップを作った上で「ユーザがサイトに求めるもの」をチェックリストに落とし、スコア化していく取組を行うケースも増えています。
■ プロジェクト成功のポイント
この場合のポイントは以下の3つです。
- 業界・サービス毎のカスタマージャーニーを作る
- カスタマージャーニーで明らかになったニーズ・心理をチェック項目にする
- チェック項目について、ニーズへの対応状況→その要因を、構造化して評価する
チェック項目を一般化しすぎると具体性に欠けるため、業界単位でのジャーニーを作ることが重要です。
当社では「住宅ローンの新規借り入れにおけるUX比較」「ゴールドカードの新規申し込みにおけるUX」といった単位で作っています。
■ プロジェクトのよくある進め方
カスタマージャーニー作成まではパターン2に近いですが、そこからチェックリスト化し、スコアリングしていくところが違います。また評価基準を明確化することも重要です。
当社では、「ユーザニーズ(要件) → 未対応の場合の課題パターン → パターン別のチェックポイント」といった形で整理し、課題パターン・チェックポイントを業界横断で共通化することで、再現性を担保しています。
- 評価対象(競合)の定義
- ターゲット定義(ペルソナ定義)
- ペルソナのデータ収集&リサーチ(インタビュー、アンケート等)
- カスタマージャーニーの作成
- カスタマージャーニーからサイト要件(チェックリスト)を作成
- サイト要件への対応状況を評価&スコア化
パターン4. MA(マーケティングオートメーション)のシナリオを作りたい
MA(マーケティングオートメーションを導入する企業が徐々に増えています。当社もSATORIと提携し活用支援を行っていますが、その中で必ず議論になるのが「MAを使ってどんなコミュニケーションをすればいいか」という話です。
MAツールでは「シナリオ」という機能で、様々なコミュニケーションパターンを自動化することができますが、このシナリオを作るためにカスタマージャーニーを作ることも増えています。
▶「2019年最新版 MAツール7選・BtoB成功事例5選」を読む
■ プロジェクト成功のポイント
このパターンでは、重要なポイントは2つあります。MAツールへの実装が前提になるため、「どんなシナリオが作れるか」「そのシナリオを実現するためのデータがあるか」という2点です。
- どんなシナリオが作れるか:MAツールの機能を理解する
- シナリオを実現するためのデータがあるか:顧客データの状況を理解する
■ プロジェクトのよくある進め方
- MAツールの導入状況の把握
- 顧客データベースの状況把握(利用可能なデータ把握)
- ターゲット定義(ペルソナ定義)
- ペルソナのデータ収集&リサーチ(インタビュー、アンケート等)
- カスタマージャーニー整理
- MAシナリオ作成
MAツールありきですので、まずはシステム状況を理解しましょう。また「6. シナリオ作成」では、シナリオを実現するためのコンテンツ素材がなく、その作成を伴う場合も多いので注意しましょう。
カスタマージャーニーマップ作成のご相談
当社では、上記のような様々なパターンでのカスタマージャーニーマップ作成をご支援しております。ぜひお気軽にご相談ください。
7ステップで作るカスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップは目的毎に作り方も変わってきますが、ここで代表的なカスタマージャーニーマップの作り方を解説していきます。

誰がどうやって作るの?
作り方に入る前に、誰が作るかについて決めておきましょう。マーケティング担当者が一人で想像して作ったカスタマージャーニーマップは、どうしても偏った見方になってしまいがちです。
実際に顧客との接点があるセクションと協力して複数人のチームを作り、意見を出し合いながら作っていくのが理想です。また、顧客の真の姿に迫るためには、顧客自身や顧客対応担当者へのアンケートやヒアリングなども活用して、できる限り生の声を参考としましょう。
1.ペルソナの設定
まずはじめに、分析対象とするペルソナを設定します。ペルソナは、ターゲット顧客を分析し「特定の一人の人物像」に仕上げたもの。ペルソナがあいまいだと分析する人物像がはっきりせず、カスタマージャーニーもぼんやりしたものになってしまいます。ペルソナが複数人いるという場合は、複数枚のカスタマージャーニーマップができあがります。
同時に、ペルソナにたどり着いて欲しいゴールもあらためて明確にしておきましょう。「初めての商品購入」「リピート購入」「SNSでの拡散」など、ゴールはさまざまのはずです。これは何のためにカスタマージャーニーマップを作るのか、という目的や課題の再確認と言ってよいでしょう。
ペルソナマーケティングについては以下の記事もあわせて確認すると分かりやすいです。
ペルソナマーケティングを理解する上でおさえておきたい国内事例4つ
2.フェーズの設定

次に、マップ作成の目的や事業内容などに応じてフェーズ(ステージ)を設定します。このフェーズが横軸のベースになります。一般的な購買行動では、「認知・興味関心」「情報収集・理解」「比較検討」「購入」「継続利用」のフェーズがありますが、目的によってこの限りではありません。
フェーズを設定するのが難しい場合は、ステップ4に先に進み、思いつくままに顧客の行動を洗い出していき、それを分類していってフェーズにわけていくという方法もあります。テンプレートにこだわらず、目的にあったフェーズの設定を行いましょう。
3.タッチポイント・チャネルの洗い出し
フェーズを設定したら、次にタッチポイントとチャネルを洗い出します。タッチポイントは顧客と製品やサービス、ブランドとの接点、チャネルはその接点を実現した媒体を指します。例えば「比較検討」のフェーズで、「スマホのWEBサイトで商品コンテンツを閲覧」という場合、チャネルはスマホサイト、タッチポイントは商品コンテンツになります。
顧客との接点を明確にしておくことは、顧客の行動や感情を考える上で重要なポイントです。洗い出す際は、「ここでこういう接点を持ちたい」という理想と、「今はこういう接点になっている」という現状をきちんと分けておくことに注意してください。現在はどうなっているかを洗い出し、改善に役立てましょう。
なお、チャネルやタッチポイントの洗い出しはステップ4の行動の洗い出しと一緒に行ってから整理するほうがやりやすいケースもありますので、柔軟に対応してください。
4.顧客行動の洗い出し

次に、ペルソナの行動を時系列で洗い出していきます。ブレストしながら付箋などを使って思いつくままに貼り付けていき、ある程度出たところで、ステップ2や3で設定したフェーズやタッチポイントごとに整理していくとよいでしょう。
このとき、タッチポイントやチャネルのときと同様、現状を顧客視点で洗い出すことを忘れないようにしましょう。アンケートやヒアリングも活用し、どんなときにどのような行動をするかを洗い出します。また顧客の行動はタッチポイントに対するアクションのみではないことに注意します。例えば「WEBサイトの閲覧」というタッチポイントの前に「Googleでの検索」という行動があったり、「商品をサイトで購入」というタッチポイントの前に「家族に相談」という行動があるかもしれません。タッチポイントの周辺の行動まで思いを馳せることが重要です。
5.感情・思考の洗い出し
ペルソナの行動を洗い出したら、その行動に際しての感情や思考を洗い出していきます。
感情は嬉しい・悲しい・不安・安心など行動に伴って発生する心の動きです。
思考は「信頼する」「迷う」「疑問に思う」といった顧客の考えていることです。
「こうなっていたらいい」という売り手の理想を混ぜないことに気をつけます。感情や思考はポジティブなものもネガティブなものも、どちらも欠かさず出しましょう。
6.課題や施策の洗い出し
これまでのステップでペルソナの行動や感情の把握ができたら、それをもとに現状の課題や問題点、改善施策、追加施策を洗い出していきます。ペルソナの行動とマッチしていないポイントはどこか、ペルソナの感情や思考にそむいているポイントや感情の後押しが足りていないポイントはないか、そういった点について考えていきましょう。
課題や施策を洗い出す前に、次のステップに進んでマップを完成させ、それを元に課題や施策を検討していくという流れでも構いません。
7.マップとして仕上げる

以上の6ステップが終了したら、清書してマップとして仕上げていきます。
横軸には時系列にフェーズを並べ、縦軸にはチャネル・タッチポイント、行動、感情・思考、課題・施策が並びます。
必要以上にグラフィカルにすることはありませんが、マップを作った人以外でも理解しやすくする工夫は必要です。例えば、感情はグラフで図示すると、見る人がイメージしやすく、「この上向き矢印を維持するにはどうしたらいいか」といった議論に発展させやすくなる効果があります。
まとめ

カスタマージャーニーマップには、決められたフォーマットはありません。業界・業種や企業規模、作る目的によって、仕上がるマップは変わってくるでしょう。これが正解というものはなく、重要なのは「ペルソナの実際の感情や行動に即したものになっているか」という点です。
マップができあがったら「本当に顧客の目線で作られているか」「こうあってほしいという願望がまじっていないか」という点に注意して、見直しをしてみましょう。また、チーム間や社内で共有し、施策を実施していくなかで、「ここは実際と違っていた」ということも必ず出てきます。その際にはマップを修正し、改善していきましょう。
カスタマージャーニーマップの作成ツールや分析ツールもありますが、ツールを使う前に、荒削りでも自分達の手でカスタマージャーニーマップを作ってみることで、理解を深められます。最初から精度の高いものを目指す必要はありません。作ってみた上で、「ここはもっと詳細に分析したい」「よりわかりやすく可視化したい」というところがあれば、ツールの力を借りてブラッシュアップしていくのもひとつの方法です。簡単なようで難しい顧客視点の獲得を、カスタマージャーニーマップの作成で実現していきましょう。
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カスタマージャーニーマップの作成も、専門のリサーチャーがサポートするので安心です。
まずは気軽にご相談ください。
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