ユーザビリティテストの基本 ー「基本的な設計・実査・分析の流れ」「実施の進め方や注意点」
ユーザビリティテストとは、人間中心設計(HCD)というプロセスの中で、検証フェーズで行われる調査のことです。
数あるUXリサーチ手法の中でも最初に始めやすい「ユーザビリティテスト」。本記事は、無料でダウンロードいただける「ユーザビリティテストの基本「設計・実査・分析の流れ」と「実施の進め方や注意点」より、最初の「ユーザーテストとは?」の章を解説いたします。
目次
ユーザーテスト(コンセプトテスト・ユーザビリティテスト)は「④要求事項に対する設計の評価」プロセス
まず、ユーザーテストとは人間中心設計(HCD)というプロセスの中で、検証フェーズで行われる調査のことです。
人間中心設計(HCD)とは>>
「人間中心設計」という単語が聞き慣れない方もいらっしゃるかと思いますが、これは「製品やサービスの開発において、実際の利用者の要求を満たすことを優先して設計しましょう」というフレームワークのことを指します。人間中心設計は、英語ではHuman Centered Designと言われ、頭文字をとってHCDプロセスと言われることもあります。
ユーザーテストをこの人間中心設計(HCD)の流れに沿って説明すると、4つめの最後のフェーズにあたります。
①:いろいろな調査やインタビューにより、ユーザーの行動とその背景や要因を理解します。
②:ユーザーの利用状況を体系的に整理し、そのうえでどのような要件を満たすべきか明らかにします 。
③:フェーズ②で定義された要件に基づいて、最適な解決策を生み出します。解決策としてプロトタイプ、試作品を作ることも多いです。
④:フェーズ③で生み出されたプロトタイプが要求事項を満たしているのか評価するフェーズです。
ユーザーテストは主にこの最後のフェーズで行われる調査で、要求を満たせていれば実装に移すことができますし、満たしていなければ、その程度に応じて、フェーズ②やフェーズ③からやり直すこともあります。
このように、ユーザーテストは人間中心設計(HCD)プロセスの「ユーザー体験の評価」を担う重要なパートです。
HCDプロセス④設計・デザインの評価
ご説明した通り、ユーザー体験の評価は「フェーズ③で生み出されたユーザーの要求事項を満たす解決策」の正しさを段階的に評価・検証するフェーズです。
具体的な手法は様々ありますが、ユーザーテストと言われるものは大きく分けて2つ
•ユーザビリティテスト
•コンセプト・ソリューション受容性評価
があります。
ユーザーテストの種類
ユーザーテストには、大きく分けて2つ。この資料では、タスクが達成できるか操作性を評価する「ユーザビリティテスト」について解説します。
■コンセプトテスト(ソリューションインタビュー)
コンセプト・アイデアを評価する「コンセプトテスト(ソリューションインタビュー)」は、その名の通り「提案する製品やサービスのコンセプトがユーザーにどれだけ受け容れられるのか」という観点で調査するものです。
新規事業開発など、アイディアがまだ具体的な形を取っていない段階ではコンセプトテストの比重が大きくなることが予想されます。
このコンセプトテストでアイデアがユーザーに受容されるということが分かれば、実際にユーザビリティテストに移っていきます。
■ユーザビリティテスト
タスクが達成できるか操作性を評価するのが「ユーザビリティテスト」です。「ユーザーの要求事項を満たす設計になっているかどうか」を検証する目的で行いますので、具体的な利用シーンを想定してターゲットに近いユーザーに実際に操作や閲覧をしてもらい、その様子を観察したり考えていることを発話してもらいながら検証を進めます。
今回はこの「ユーザビリティテスト」の説明をいたします。
ユーザビリティテストの特徴
ユーザビリティテストの特徴はまず、定性的な調査であるという点があります。行動観察やユーザーの思考発話を通して、定性的に課題のありかや、課題が発生した理由をあきらかにしていくというのが、ユーザビリティテストの特徴です。
よく「何人ぐらいに調査すればいいのですか?」というご質問を頂くことが多いですが、ユーザビリティテストでは5人集めて調査すれば80%以上の課題が発見できるといわれています。
最初の人間中心設計(HCD)の流れを思い出していただくと、ユーザーの要求を満たす設計になっていることがわかるまで、検証を繰り返していくことが特徴になりますので、一度に沢山の人数を確保するというよりは、5人ぐらいで検証しながら課題を見つけて、その課題をつぶすためにプロトタイプを改修して、また検証のためにユーザビリティテストを実施するという流れが良いと思います。
ユーザビリティテストからわかること
ここまでをまとめると、ユーザーテストはHCDプロセスの中で、ユーザーの要求事項を満たす設計かどうかを検証するものです。
まず、コンセプトテストでユーザーにコンセプトが受容されることがわかれば、もう少し具体的な形に落としてユーザビリティテストを実施します。
そして、ユーザビリティテストでは、具体的な利用シーンを想定しながらユーザーに実際に操作してもらい、その様子を行動観察したり、ユーザーに思考発話してもらいながらどこに課題があるのか、なぜそれが課題になるのかを明らかにしていきます。
ですので、「ユーザビリティテストをすることで、ユーザーの目から見たプロダクトの課題がクリアになる」ということです。
ユーザビリティテストの流れの全体像
では、実際にユーザビリティテストを実施したい場合どういう流れになるのか、というお話ですが、
プロセスは大きく分けて4つです。
まず取り組むのは調査設計で、ここではスクリーニングというターゲットに近いユーザーを絞り込むプロセスと、タスク設計という実際にユーザーが利用するであろうシーンを想定し、その流れに沿って知りたい情報が取得できるようなテストを設計するというプロセスになります。
ユーザーテストの設計
(目次)
4. ユーザーテストの実査
•モニター選定のポイント
•実査の事前準備
•ユーザーテストの実査に関するTips
•ユーザーテストのモデレート時のポイント
5. ユーザーテストの分析
•ユーザーテストのテスト記録の作成(分析の準備)
•テスト記録の一例
•ユーザーテスト分析の流れ
•1.「事実(FACT)」を書き出す
•2.同一の課題をまとめる
•3.重要度を判断する
以降の章については、無料でダウンロードいただける「ユーザビリティテストの基本「設計・実査・分析の流れ」と「実施の進め方や注意点」に全ての情報が掲載しておりますので、ぜひ、ダウンロードしてご覧ください。
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