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手軽な全自動ユーザテストでもここまで分かる!ユーザーテストExpress体験記(個人輸出入のケース)

「準備一分、結果翌日」の感覚で気軽に利用いただけるユーザテストExpressもリリースからはや2週間、既に数多くのお客様にお試しいただいております。

業界、調査の目的は非常に多様で、私共のほうが「こんなふうに使っていただいているのか」と逆に驚かされるケースもしばしばです。

ユーザテストExpressは簡易的なサービスですが、多様なニーズにお応えするため、3種類のタスク設計(被験者に何を見てもらうかの指示)を用意しています。

1. 自社サイトを集中的に見るタスク
2. 自社サイトと競合サイトを比較するタスク
3. 検索エンジン上での行動の様子を含むタスク

今回は「3.検索エンジン上での行動を含むタスク」でユーザテストExpressを利用された李様からご意見を伺うことができました(注1)。

testscreen

※上記キャプチャは実際の調査内の様子です。
※調査動画、インタビュー内容の公開はご本人の了承を得ております。

Q. お仕事の内容を簡単に教えて下さい。

李:小規模ですが、日本の化粧品を海外に輸出しています。輸出先は主に中国の大都市です。ご存知の方も多いと思いますが、今中国では飛びぬけた富裕層だけでなく、比較的若い人たちでも、生活に少し余裕が出れば国外の製品を使いたいと思っています。

皆が日本製を含めた海外製のものを使いたがる理由は大きく分けて2つあります。ひとつは「良いものを使っている自分をSNSなどを通じて友人に見せたい」。もうひとつは「自国産のもの、自国の業者が管理販売しているものは危ないので使いたくない」。化粧品の場合、肌に直接付けるものですから、安全への敏感度はより高くなります。そうした要望に応えるために、化粧品の海外買い付け、直接輸入を行っています。

Q.   買い手である中国の方でなく、日本の消費者をターゲットにユーザテストをされましたね。これはなぜですか?

李:私は中国人なので、ある意味では中国人が何を考えているか、何を基準に商品を選ぶかはだいたい分かっているつもりです。でも、それを基準に商品を選ぶと、「すでに中国に輸入されている」商品ばかりになってしまう。

大都市の百貨店にはカネボウや資生堂だけでなく、城野医院(ドクターシーラボ)などが既にブースを構えていて、中国人が好む商品を売っています。そんな中で輸入業を行うには「まだ中国では有名じゃないけど、良いもの」を発掘していく必要があります。日本の消費者は「高くないけど自分に合うもの」「有名じゃないけど、実はいいもの」を見つけるのがとても得意です。実際に見つけていく様子を動画で見ること、商品を選ぶときに何を気にしているのか知ることはすごく勉強になります。まだ中国で気付かれていないけど、向こうで売れそうなものを見つけるきっかけにもなります。

Q. ユーザテストExpressの結果をご覧になって、特に参考になったのはどこですか?

李:ユーザさんが「エバーライフ」さんのサイトを見ながら「すごくこの写真が、リフトアップ効果もありそうですね、密着していて。きゅっと、ぐっと上がっている感じが気持ちよさそうです」とおっしゃっていたんですね。

商品を売るときにウェブサイトを印刷したものを一緒につけることが多いんですが、動画を見たときに「この写真を付けられるなら売れる!」と直感しました。

自分で商品を探しているときはどうしても「業者の目」になってしまって、値段や分量、効果、成分ばかりを気にしてしまうのですが、ユーザテストの結果を見ているときはそこから解放される感じがします。より自由な視点でマーケティングができるのが、何というか、ユーザテストならではの良い感覚だと思います。今回はフェイスマスクで試しましたが、他の商材でもまた利用して、日本人の視点を知ってみたいと思います。

―――

今回ご紹介した例はやや変則的ではありますが、「他国の人の行動を気軽に観察できる」のもユーザテストの強みです。

注1:本来ユーザテストExpressではタスク構成の変更は承っていないのですが、本件ではインタビュー記事公開と交換条件で特別にタスク構成の変更、調整を行っております。

投稿日: 2015/06/23 更新日:
カテゴリ: ユーザーテスト、ユーザビリティテスト