アジャイル型UXを成功に導く3つのリサーチ手法

【作成】2020/02/04   【更新】2020/02/05 

本記事は、米国UserZoom社より承諾を得て翻訳したものです。
元記事:”3 Testing Methodologies to Master Agile User Experience
著者:Ben Wulff 2015年9月11日掲載

「スピード重視のアジャイル環境にUXリサーチを取り入れるにはどうしたらよいか」は、リサーチャーが直面する最も重要な課題の1つです。 本記事では、アジャイル型UXのメリットと、アジャイル型UXテストを実施する3つの手法を示します。

アジャイル型とウォーターフォール型

90年代半ばに発明されたアジャイル型とは、ソフトウェア開発におけるライトかつ反復的なアプローチであり、最終段階ですべてを提供するのではなく、ソフトウェアを段階的に構築することが特徴です。 これは、従来の順次開発、つまりウォーターフォール型に代わるものです。

ウォーターフォール型の方法論は、「課題の発見」「設計」「開発」「テスト」の4つのフェーズで構成されていますが、アジャイル型ではこれらの4つのフェーズを短いスプリントで数回実施します。

アジャイル型では、開発チームはプロジェクトをより適切に運用したり、チームのコラボレーションを強化したりできます。また、UXデザイナー・リサーチャー・開発者がより緊密に協力することで、より柔軟に変更や調整に対応できます。

アジャイル型メソッドとリモートユーザテスト

ユーザテストを迅速かつ反復的に実行できるアジャイル型メソッドは、特に「リモートユーザテスト」との相性が抜群です。アジャイル型メソッドを利用すれば、企業は開発コストとラボでのリサーチに費やす時間を節約できます。

ただし、「UXリサーチには準備が必要」であることに注意しなければなりません。より実用的な結果を得るには、アジャイル型にUXリサーチをうまく取り入れるための事前準備が必要です。つまり、UXリサーチ導入のための時間・ツール・リソースさえ確保できれば、アジャイル型メソッドによって、より効果的に時間とコストを節約できるのです。

例えば、高度なUXリサーチソフトウェアを利用すれば、過去に実施したリサーチをコピーし、現在のニーズに合うよう少し調整・更新することで、迅速に調査を実施できます。また、独自のパネルを持つ専門業者(パネルプロバイダー)に依頼すれば、1日以内に参加者をリクルーティングし、定性的・定量的リサーチやフォローアップリサーチを実施できます。

こうしたツールやリソースを利用すれば、調査結果をすぐに入手でき、リサーチから得られたインサイトをアジャイルサイクルに適応できます。また、調査レポートを自動作成化するようにしておけば、分析を高速化し、リサーチを簡単にするために必要なデータも提供できます。

アジャイル型UXリサーチに最適なリモートテストの3つの手法

アジャイル開発プロセスで簡単に実装できるUXリサーチ手法は次の3つです。

  1. ツリーテスト
  2. スクリーンショットクリックテスト
  3. リモートユーザビリティテスト

1. ツリーテスト

ツリーテストとは、Webサイトのナビゲーション構造を対象に、見つけやすさや操作のしやすさ、構成を評価するユーザビリティ評価の手法です。 ナビゲーションの課題を早期に検出するのに役立ち、ユーザがWebサイト階層内において、アイテム、コンテンツや情報を効率的に見つけられるかどうかを測定できます。

ツリーテストを実施することで、ユーザがナビゲーションツリー内である項目を選択するのに、どのくらいの時間を費やしたかが測定できます。 「ユーザがどこを最初にクリックするか」だけでなく、調査参加者に「特定の商品や情報を見つけるためにどこをクリックすればよいかがすぐにわかったか」「どの程度の確信があってその項目を選択したか」などを尋ねることができます。

ツリーテストの実施にあたってページを細部まで作りこむ必要はなく、設計や開発プロセスの初期段階で実施できます。つまり、 新規またはアップデートしたナビゲーション構造を対象に、ユーザテストと評価を実施し、すぐにプロトタイプに反映することができるのです。

2. スクリーンショットクリックテスト

スクリーンショットクリックテストとは、調査参加者に画像(例:ホームページやランディングページ)を見てもらい、どこを最初にクリックするかを追跡する手法です。「Webページ内であなたがアクセスして欲しい場所にユーザはアクセスしようとしているか?」「それとも完全に外れた場所にアクセスしているか?」などが確認できます。

最初のクリックは非常に重要です。なぜなら、最初のクリックを正しく行ったユーザの87%がタスクを正常に完了できるからです。もし、最初のクリックで既に軌道からはずれているユーザは、タスクを正しく完了することは難しく、タスクの成功率は低下します。

ツリーテストと同様、スクリーンショットクリックテストも、完成したページは必要ありません。したがって、UXデザイナーは、どのページをテストするかを柔軟に決定することができ、テスト結果を最終的なデザインまたはページ構造に適用することができます。

スクリーンショットクリックテストを実施するのはどんなときか?

アジャイルサイクルでリサーチの必要性が高い課題の一つは「デザイン」です。
スクリーンショットクリックテストは、このデザインの課題を洗い出すテストです。

例えば、「どのデザインが最適か?」「 どのデザインがコンバージョンに貢献し、ユーザにとってより魅力的か?」といったことを調査します。 つまり、スクリーンショットクリックテストは、デザイン、画像、バナーを早い段階で比較するのに役立つと言えます。

3. リモートユーザビリティテスト

リモートユーザビリティテストでは、モニターは使いやすさのカギとなるタスク(サイトやアプリからのログアウト手順など)を実行するよう求められます。この調査は、ウェブサイト/アプリ、プロトタイプ、モックアップといったWebベースのインターフェースを対象に実施できます。

例えば、「ユーザはサイト上のキーとなるタスクを完了することができるか? 」「コンバージョン率に悪影響を及ぼすユーザビリティ上の障壁があるか?」といったことを調査します。

UXリサーチャーは、UXデザイナーからプロダクトを引継いですぐ、様々なセグメントのユーザを対象にリモートユーザビリティテストを実施できます。プロダクトをさらに開発または完全にコーディングする前に実施することが重要です。

リモートユーザビリティテストでは、ユーザの所在地を問わず100人以上のユーザを対象に一度に実行できます。このため、このアプローチはアジャイル環境に非常に適しており、企業はリサーチコストや時間を節約できるだけでなく、テストの頻度を増やすことができます。

まとめ

アジャイル型プロセスにユーザリサーチを取り入れる方法は、「どのようにチームを構成するか」「チームメンバーは開発のどのプロセスにユーザテストの必要性を感じているか」「ユーザテストをどのくらいの頻度で実施したいかユーザテストを実行する頻度はどのくらいと考えているのか」によって異なります。

しかし、一番重要なことは、UXやユーザビリティの課題を洗い出すテストを「サイトやプロダクト完成前に実施する」ということです。完成後にテストを実施すると開発を最初からやり直さなくてはならず、ローンチは遅れ、より長い時間、多くのエネルギーとコストがかかる結果になってしまいます。

スクリーンショットクリックテスト、ツリーテスト、およびリモートユーザビリティテストは、アジャイルアプローチに適した調査手法です。この3手法をうまく組み合わせることで、アジャイル型UXリサーチを成功に導くことができるのです。

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