アジャイル開発のデメリットを解決!リモートUXリサーチ8つの特徴
本記事は、米国UserZoom社より承諾を得て翻訳したものです。
元記事:”Agile & Remote Usability Testing: A Love Story”
著者:Phil Dahnke 2015年6月8日掲載
アジャイル環境とUXリサーチはどのように組み合わせたらよいでしょうか?
本稿では、まず、アジャイル環境でのよくある課題を振り返り、次にアジャイル環境とリモートUXリサーチを組み合わせるメリットをご紹介します。
アジャイル環境でのよくある課題
アジャイル環境における典型的な課題は次のようなものです。
- 既存のWebサービスを全面的に見直したい。その際、既存サイトを改善するだけでなく新機能をユーザに試してもらい追加することも検討したい。
- 2週間のスプリントサイクルで実施するアジャイル型プロジェクトのため、期限が非常に限られており時間がない。
- UXリサーチを実施したいと考えているが、UXリサーチやユーザビリティテストは、費用と時間がかかる。また、ターゲットとするユーザは世界中に点在しており、どのように調査したらよいかわからない。
- UXリサーチのための出張費、高額なリサーチ用備品費、調査参加者への報酬をすべてまかなえるほどの予算はない。また、UXリサーチをモデレートし、データ分析からレポート作成まで実施する時間やリソースがない。
我々はこれまで多くの企業をサポートする中で、上記のような状況を幾度となく目にしてきました。
こうした状況は、「リモートUXリサーチ」という方法で打開することができます。リモートUXリサーチを利用すれば、インサイトに富んだユーザのフィードバックを低予算かつ迅速に得ることができます。
アジャイル型とは?
アジャイル型アプローチは、短いサイクルを繰り返し段階的にプロジェクトを進めていくことが特徴です。 多くのアジャイル手法では、タスクを最小限の単位に分割し、タスクに長期的な課題は含みません。
1サイクルは通常1〜4週間で、計画立案・要求分析・デザイン・コーディング・単体テスト・受け入れテストから構成され、部門横断的なチームで運用します。
また、各サイクルの最後で、ステークホルダーとプロダクトを共有することにより、全体的なリスクを最小限に抑えられるだけでなく、プロジェクトを迅速に変更することもできます。
1つのサイクルでは、市場リリースに足る十分な機能が追加できない場合がありますが、ここでの目的は、サイクルごとのバグを最小限に抑えることです。 製品または新機能をリリースするには、複数のサイクルが必要になる場合があります。
リモートUXリサーチとは?
リモートUXリサーチとは、単に調査参加者がリサーチャーとは別の場所にいることを意味します。 特に「モデレーターなしのオンラインユーザテスト(非モデレートリモートユーザテスト)」は、インターネットを利用し、リサーチャーが設定したシナリオにしたがって、ユーザにテストを実施してもらう方法です。
このため、施設・ラボで調査するよりもコストや時間がかからず、より大きなサンプルサイズでの調査が可能です。また、オンラインのため、ユーザへ交通費を払う必要もありません。
典型的な調査では、100人以上のユーザが、複数のWebサイトを対象に複数のタスクを実行します。オンラインのユーザテスト用ソフトウェアを利用することで、テストをモデレートでき、質問や仮説に対する定量的および定性的なデータを得ることができます。
アジャイル環境とリモートUXリサーチを組み合わせる8つのメリット
アジャイル環境とリモートUXリサーチを組み合わせる一般的な方法としては、アジャイル環境でのプロトタイプテストでリモートユーザテストを実施することがあげられます。
この場合のメリットは次のとおりです。
- より費用対効果の高いテストが実施できる
- 数時間でフィードバックを受け取れる
- サンプルサイズが大きいため統計的な有意性が検証できる
- 地理的に点在しているユーザを対象に調査ができる
- ユーザは自分の端末やパソコンを使うので、普段通りの自然な反応を観察することができる
- 調査用の会場ではなく、自宅など普段通りの環境で実施できるので、ユーザの素直なフィードバックが得られる。
- 定量的および定性的な結果が入手できそれらを組み合わせることもできる
- リモートテストを実行するために本番サイトを用意する必要がない(プロトタイプやデザイン初期段階でも実施できる)
まとめ
アジャイル環境とリモートUXリサーチの相性は完璧です。
アジャイル環境では、短期間のスプリント内でテストを実施しなければなりません。多くの場合、異なる機能を持つ複数のプロトタイプを検証することが目的であるため、リモートUXリサーチの利用は、前述したような大きなメリットをもたらします。
統計的に意味がありかつ費用対効果の高い結果を開発プロセス内の重要なタイミングで迅速にプロダクトに反映することは、ターゲットユーザに沿ったプロダクトの創出には不可欠です。
アジャイルの環境にリモートUXリサーチを取り入れることをまだ検討したことがないのであれば、本稿でご紹介した8つのメリットを知った今が、この組み合わせを試す大きなチャンスかもしれません。
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