ポップインサイトの失敗から学ぶ!リモートUXリサーチ実施時のチェックリスト

【作成】2020/05/08  

コロナ禍による外出自粛で、打合せや会議、商談、セミナーなどが急速にオンラインにシフトしています。

当然、UXリサーチも対面での実施が難しくなり、リモート(オンライン)での実施の必要に迫られている方も多いでしょう。

コロナ禍で人々のニーズが劇的に変化した今、

  • 今顧客がなにを考えているのか
  • アフターコロナに向けて顧客のニーズはどう変わっていくのか
  • 今どんなコミュニケーションを取っていくべきなのか

を探ることがCX/UX向上の重要なカギとなります。

本記事では、のべ7,000件以上の実績を持つポップインサイトのUXリサーチャ達がつちかった「リモートUXリサーチのコツ」を大公開!

今まさに実践しながら悩んでいるUXリサーチ中級上級者向けのややディープ目な内容です。リモートでもミスらない、慌てないリサーチを実施したい方必見です!

※入門編tips記事も作成中!ご期待ください。

「入念な準備」「安心感を生むコミュニケーション」

リモートリサーチを成功させるポイントは、大きく分けると以下の2つです。

  1. 不測の事態を想定した入念な準備
  2. 被験者に安心・リラックスして協力いただけるコミュニケーション

ここからは、ポップインサイトUXリサーチャの成功・失敗の経験から、「準備」「コミュニケーション」それぞれの主要な「コツ」をご紹介。チェックリストとしてご活用ください!

「入念な準備」チェックリスト

事前準備① 通信費

被験者側でネット接続が必要となる調査では、ネット環境を事前に確認し、特にスマホで調査に参加いただく場合はWi-Fi接続が推奨であることを事前に案内します。

格安SIMを利用している被験者は特に通信費が気にかかるはずです。

事前準備② デバイスのOS

被験者の私物PCやスマホの、OSのバージョンも事前に確認します。
バージョンによって、テレビ会議システムの機能(画面共有など)が使えないケースもあります。

事前準備③ 接続状態

調査当日までに接続テストを実施します。

テストの際、テレビ会議での画面共有の方法やチャット画面の確認方法などもレクチャーします。テレビ会議画面に不慣れな方だと、ボタン等の場所がわからない、会議中のチャット投稿に気づかないといったケースもあるので事前のレクチャーを推奨します。

事前準備④ 個人情報の写り込み

被験者の私物PCのデスクトップ画面やスマホのホーム画面などに、写真や個人情報の写り込みが無いよう事前に確認します。

※個人情報の取り扱いは各社ポリシーによりますが、写りこまないに越したことはありません

【確認する項目例】

  • ブラウザのブックマークに個人情報が含まれていないか
  • PCのデスクトップ、スマホのホーム画面等のファイル名に個人情報が含まれていないか
  • PC・スマホの待ち受け画面がお子さんの写真等になっていないか
  • SNS等からの通知はミュートになっているか

【事例】
調査当日、被験者のスマホの待ち受け画面がお子さんの写真だったので変えてもらえるようお願いしたが「数年前の写真なので大丈夫です」「変え方がわからない」と変えていただけなかった。個人情報保護の観点からはモザイク処理が必要となるため、クライアントに提出するまでに工数が余分にかかってしまった。

事前準備⑤ 調査の実施場所

被験者には、できるだけ静かな場所で落ち着いて調査に参加いただけるよう、事前に確認します。

【事例1】ファミレス
周りの雑音が大きく被験者の声が終始聞き取りづらかった

【事例2】犬の散歩がてら
人見知りをする犬が他人とすれ違う度に吠えてしまい被験者の声がかき消されてしまった

【事例3】公園
風が強い日だったため、マイクが「ゴー」という風の音を拾い被験者の声が聞きとりづらかった

事前準備⑥ デバイスの再確認

「スマホ」で接続するようお願いしていても、勘違いで「PC」で接続してしまう被験者もいます。調査で使用するデバイスの種類については複数回の確認が推奨です。

次に、調査実施中にキモとなる2つのポイントをご紹介します。

調査中の準備① バックアップ

押したはずの「Rec」ボタンが押されていなかった、アイスブレイクに気を取られてボタンを押すことすら忘れていた、ということのないよう、録音や録画は複数のツールを併用し、「バックアップのバックアップ」を取ることを強くお勧めします。

なお、ポップインサイトのUXリサーチャは以下の録画ツールをよく利用しています。

調査中の準備② トラブル対応のキモは「焦らない」

どんなに準備万端にしていても思わぬトラブルはつきものです。
被験者の通信環境の問題や、操作に不慣れでOSのバージョンアップができない、など、防ぎきれないトラブルは起こりえます。

どんな事態が起きても、大事なのは「焦らない」こと。打つ手は、必ずあります。

【事例1】被験者のPC画面が動かなくなった

→急きょスマホサイトを開いてもらうと閲覧できたため、スマホでの調査に切り替えてもらった
※スマホ調査、PC調査で数人ずつモニタをリクルートしており、モニタ同士の入れ替えが可能だったため対応できた案件でした

【事例2】PCで音声が出力されなかった

→Zoomで画面だけ共有して見つつ電話をつなぎ、電話の音声をスピーカーホンで出力した。

「安心感を生むコミュニケーション」チェックリスト

続いては、被験者が安心して調査に参加してもらうtipsを、リサーチャの声とともにご紹介します。
被験者の緊張感や不安を取り除き、できるだけリラックスした状態で調査に参加いただくことで、調査対象のサイト・アプリに対して自然な感想が出やすくなります。

事前準備① 所要時間や被験者の予定の再確認

調査に要する時間については事前にお知らせしているケースも多いでしょう。
しかし、急な用事が発生したり、事前連絡時には言いそびれてしまった用事がある可能性もあります。

リサーチャT:
所用時間を事前にお伝えしていたとしても、調査開始時にあらためて終了予定時間(必ず調査を終わらせて欲しい時間)をお伝えします。調査終了直後に予定があるかどうかを確認しておけば、お互いに安心です。

事前準備② 「録画は途中で止められます」

録画開始後にお子さんが泣いてしまったり宅配便が来たりなど、被験者が調査を中断したい用が発生することもあります。ご自身から言い出しにくい被験者もいるので、「録画は途中で止められますよ」と一言、調査開始前にお伝えてしておきます。特に、被験者にお子さんがいらっしゃる場合は安心していただけます。

事前準備③ 「子どもの声が聞こえるかも」

コロナウイルスの影響で幼稚園・保育園や学校もお休みとなり、被験者だけでなく、時にはリサーチャも子ども在宅で調査を実施することもあります。

調査実施中の部屋にお子さんが入らない、声が聞こえない、という状況が理想ではありますが、実際には難しい場合もあるでしょう。
事前に「実は子どもがいるので声が聞こえるかもしれません」と正直にお伝えすることも大事です。被験者も「うちもなんです~」と心を開いてくれ、ラポール形成の一助になるケースもあります。

ただし注意点もあります。
被験者の発話をさえぎらない程度の歌声や笑い声はほほえましいのですが、大きな泣き声やケンカなどは被験者、リサーチャともに集中力をそいでしまうので、可能なら調査を中断し自体の収束を図ったほうが良い場合もあります。

リサーチャH:
インタビュー中、妻と子どもが別室で言い合いになってしまったことがあります。子どもの大きな声が聞こえたため被験者にも「大丈夫ですか」心配されました。お互い調査に集中できず、一旦調査を中断して仲裁に入りました。

事前準備④ 謝礼や同意事項を案内

対面調査の場合、調査参加の報酬は当日現地でお渡しすることも多いでしょう。
リモート調査の場合は、当然ながら後日振込等の対応になります。

調査内容に関わる守秘義務などの同意事項や報酬については、事前だけでなく当日も改めてお伝えします。

リサーチャM:
被験者の方が報酬の支払いを気にかけていらっしゃることは少なくない印象です。「うまく答えられなかった(と本人は思っている)が支払ってもらえるのか」「支払いはいつか」という不安がありつつ、お金のことは自分から聞きにくい方も。「〇日以内に」「どういった方法で」お支払いするのかは当日もはっきりお伝えします。支払い日の目安を伝えることで、「まだ支払われない」といったクレームを防ぐ効果もあります。

調査中① リサーチャの顔を見せる

ビデオチャットやテレビ会議が何年も前から普及している欧米人と比較すると、日本人はオンラインでの顔出しが苦手な傾向があるそうです(出典:東洋経済オンライン)。

ポップインサイトで実施する調査では、特別な要件がない限り被験者に顔出しをお願いすることはありません。一方で、あえて自分は顔出しをすると決めているリサーチャもいます。

リサーチャH:
私自身はあえて顔を出すようにしています。顔が見えることで、「どんな人かわからない人に質問されて答える」という不安を払拭することができます。

調査中② ニックネームで呼ぶ

ポップインサイトで実施する調査では、被験者の個人情報保護の観点から、調査中にお名前を呼ぶことを原則NGとしています(録画・録音に個人情報が入ってしまうとそのパートをカットする工数もかかってしまいます)。

とはいえ、お名前ではなく「あなたは~」「あなた様は~」という呼びかけもなんだか不自然…。この場合、被験者のニックネームをお聞きする方法もあります。

リサーチャI:
「調査中はどんなニックネームでお呼びすればいいですか」とお聞きすると、「うーん」と一瞬悩んだ後、少し打ち解けたような声で教えてくれる方が多くいらっしゃいました。被験者の方と少しフレンドリーになれる瞬間でした。「学生時代はなんと呼ばれていましたか?」など促すとスムーズです。

調査中③ 真剣に聞いていると伝わるように

人は、話を聞いてくれる人に話したくなる、という心理があります。

質のいいインサイトを得るためには被験者が話している間の反応が大切ですが、「話を真剣に聞いている空気」をかもしだすのが難しいオンラインではどうすればよいでしょうか。

リサーチャH:
私はノートに手書きでメモを取るのですが、書いていることがわかるようにあえて音を立てて書く時があります。対面で話しているときに相手がメモを取っていたら「真剣に聞いてるな」と思ってもらえるのと同じで、「きちんと聞いてます、興味津々です!」をちょっとアピールします。

調査中④ ミュート機能の活用

「真剣に聞いている」を伝えることは非常に大事ですが、一方で、リサーチャが無意識に出してしまった態度が被験者の回答のバイアスにならないような配慮も必要です。

リサーチャO:
私はキーボードでメモを取りますが、メモを取る際はテレビ会議をミュートにします。タイプする音の有無や大小が、被験者が回答する際のバイアスにならないようにするためです。

まとめ:完璧を目指さない「レッツトライ」精神で!

いかがだったでしょうか。
不測の事態を回避する準備や被験者がリラックスできるようなコミュニケーションには、ご紹介したような多くのtipsがあります。

ただ、難しそう、失敗したらどうしよう…そんなふうに思う必要はありません。
完璧を目指そうとリサーチャが緊張すると、その空気の堅さは被験者に伝わってしまいます。まずは「レッツトライ」「やってみよう」という気持ちで臨むことが何よりも大切です。

この機会に、ひとりでも多くの方が「気軽に」「すばやく」「繰り返し」実施できるリモートUXリサーチの経験を数多く積まれることを願っております。

なお、ポップインサイトでは、サイト・アプリ改善のPDCAサイクルをすばやく・数多く回すUXリサーチ体制づくりをご支援しております。「小さなリサーチ」を手早く繰り返し実施することで、貴社の勝ちパターンをあぶりだすことができます。ぜひお声がけください!

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