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UXリサーチをブログで学ぶ

【ユーザビリティテスト事例】電話サポートがない不安を上手く転換した旅行サイト

2016年2月にパートナー会社様向けに開催された「ユーザテスト活用勉強会」に、株式会社ポップインサイト代表池田が登壇。

ユーザテストを活用した成果の創出方法について講演いたしました。本記事は講演内容を書き起こしたものです。

今5記事目を読んでいます。

1記事目 ユーザテストの目的は?web専門家ではなくユーザに聞く理由
2記事目 ユーザテストでコンバージョンが3倍に改善!有料競馬情報サービスの事例
3記事目 サイト改善事例・自分ごと化で資料請求数10倍に(保険代理店のケース)
4記事目 1行追加でコンバージョン率19%アップ!旅行代理店のユーザテスト事例

電話サポートがないことをポジティブに転換した、旅行サイトの事例

ポップインサイト池田 これは少し上級編です。

不安、疑問が起こった時にただ情報を提供するだけで解消するものもあれば、そうではない時もあります。

例えばさきほどご紹介した料金表の話は、ユーザーがまだ知らないことだったので、ただ言うだけなんです。ところがそれだけでは駄目なケースもあります。そういう時の上手い言い方というパターンで紹介したいのが次のページです。

 

スライド18

 

先程と同じ旅行代理店の事例なんですが、安さを謳っているので電話サポートがないそうです。問い合わせページにいくとQ&Aがバーッと出てきて、ひたすら奥のページへ進み、結果的にフォームしかなくて電話ができない、みたいなサイトは多いと思うんですが、こちらも多分にもれずそういうサイトで電話問い合わせがありませんでした。

 

そこでユーザテストを実施してみたら、「電話がないということがまず探せない、見つからない」、かつ「探してもそもそも電話がないんだったら不安」「サポートもしてくれないのではないか」ということで非常に不安視されていたそうです。

これは普通に聞くと、そういうサービスだから仕方ないという感じで道がなさそうなんですが、この会社は改善する能力が優れていました。

不安を顧客の受ける便益に転換

どうしたかと言うと、電話番号を設けた訳ではなく、サイトの右上に「Where’s our phone number?」と載せました。これは「どこに電話番号があるの?」という意味です。多くのサイトは右上の方に電話番号がありますよね。そしてクリックすると画面が出るんですが、「なぜないのか」という理由が載っています。

「我が社は安い価格で提供するために電話は置いていないんです、申し訳ございません。」「ただしQ&Aもございますし、問い合わせはこちらからできますよ。」という感じの内容です。そうしたところすごくユーザの印象が上がったそうです。

 

Beforeでは、そもそもこういうのもなくて見つからないし、電話番号がないとわかるとふざけるなという感じになっていたのが、Afterでは、「電話がないことであなたのメリットになっています」ということを言うとすごく印象が変わりました。そんな打ち手もあるということですね。

 

まさにウェブサイトの話というよりはビジネスモデルの話で、電話を置かないことで間接コストを下げるという話なんです。それを、上手い言い方、出し方でメリットに変換するということで印象が上がることもあります。

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カテゴリ: ユーザーテスト、ユーザビリティテスト