インバウンドのカスタマージャーニーマップ~観光客は何しにニッポンへ?~
2020年5月29日追記:
本稿でご紹介しているカスタマジャーニーマップは「Beforeコロナ」の価値観で作成されたものです。
2020年の東京オリンピック開催を間近に控え、訪日外国人観光客は増加の一途をたどっています。
東京、大阪、名古屋といった大都市だけでなく、地方都市の思いがけない場所を訪れる外国人観光客の姿をニュースなどで見聞きすることも増えたのではないでしょうか。
近年では、欧米だけでなくアジア諸外国からの観光客も増加。特にタイは、日本への観光客が毎年2桁で増加している国のひとつです。
(出典:日本政府観光局 訪日外客数資料)
そこで今回は、タイ人が日本に興味を持った時点から、目的地や渡航方法を決める旅行を計画し実際に旅を楽しんだ帰国後までのジャーニーマップを作成しました。
本ジャーニーマップは、タイ人モニタ3名へのインタビューを元に作成。
海外に調査ネットワークを広げるポップインサイトならではの、調査結果に裏打ちされたジャーニーマップです。
本稿では、インバウンドのカスタマージャーニーマップ作成プロセスで洗い出された興味深いポイントをご紹介していきます!
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目次
駅構内はまるでダンジョン・・・。交通手段についての母国語での情報が圧倒的に不足!
日本に住んでいるとあまり実感がわきませんが、タイの若年層では日本に興味がある人口が年々増えています。日本のドラマもNetflix等で視聴可能で、Facebookや掲示板で日本についての情報を積極的に収集できる環境になりつつあります。
しかしながら、現状では、日本への旅行を計画し情報収集する際、タイ語での情報が圧倒的に不足しており、英語での情報に頼らざるを得ない状況です。
今回のインタビューにでは、タイからのインバウンド客にとっての特に大きな課題は、日本国内の詳しい交通手段についての情報不足であることが判明しました。特に、乗り継ぎ導線などの駅構内案内が足りないことは不安要素となっているようでした。
東京駅、新宿駅などプラットフォームの多い駅は日本人にとってもダンジョン。インバウンド客が乗り継ぎなどで苦労することは想像に難くありません。インタビューでは、駅構内で迷った際にその場の日本人に尋ねるものの英語が分かる人が少なかった、という経験が、旅行におけるマイナスの印象となっていることが明らかになりました。
自国に無い「〇〇」をもっと味わいたい
日本で忙しく働くビジネスパーソンが普段忘れがちな「四季のうつろい」の魅力。
インタビューでは、熱帯地帯にあるタイからのインバウンド客にとって、季節を感じられる場所・イベントが日本人の想像以上に魅力的であり、特に、雪を見たり触ったりすることには関心が高いことが明らかになりました。
また、インバウンド客が寺社仏閣やスカイツリーなどのいわゆる「観光地」だけでなく、「コンビニスイーツ」「満員電車」といった「日本の日常」に魅力を感じていることも非常に印象的です。
帰国後も日本とつながりたい
インタビューではまた、帰国後にも日本を感じられるイベントなどに参加し、日本への関心を維持したいという声も印象的でした。
しかしながら、タイ語での情報が得にくいことなども含め、日本側においてタイ人の関心を維持するチャネルの整備が不足しているのが現状です。
旅行を一回のイベントとして完結させてしまうのではなく、旅行をきっかけに、国外からも多様に日本とつながる、いわゆる「関係人口」を増やしていくことが、今後のインバウンドビジネスのカギとなることが示唆される結果となりました。
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訪日ユーザのインサイト把握には、ユーザリサーチによるインサイト把握が必須です
タイ人インタビューに基づいたカスタマージャーニーマップをご紹介しました。いかがだったでしょうか。
上記でご紹介した以外にも、カスタマージャーニーマップには、タイ人の情報収集タッチポイントの詳細や、旅行企画中や旅行中のインサイトが満載です。
日本人の感覚では想像すら難しい外国人のインサイトは、いろいろ考える前に「まずは聞いてみる!」が正解です。
今後ますます増えることが予想される訪日インバウンドを対象にしたビジネスをお考えなら、まずはぜひ、ユーザリサーチに基づくカスタマージャーニーマップの作成をご検討ください。
カスタマージャーニーマップ作成の目的で最も多いパターンは、「Webサービスやアプリなどを具体的に改善する」ために、「筋の良い改善案をだす」または「チームの認識を揃え、動きやすくする」というものです。
当社でこのパターンのプロジェクトを行う場合には、「ペルソナ定義」と「カスタマージャニーマップ作成&改善アイデア出し」の2回のワークショップを実施します。
ワークショップ内で実際に使用している資料は以下からダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。
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