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リサーチャー必見! UXリサーチの実践で重視すべき「状況理解と問いの立て方」

サービスデザインのプロセスでUXリサーチを実施することの重要性について、国内でも認知度が上がっています。しかし、「どのようにリサーチをするか」の議論だけにフォーカスを置いてはいないでしょうか。

2020年7月9日開催のオンラインセミナーでは、株式会社メルペイのUXリサーチャー、草野孔希さんがご登壇。大学院の特任講師として教鞭をとられ、さらにリサーチコンサルタントとしてもご活躍中の草野さん。

課題を解決するために大切なことは、リサーチの方法論を議論すること、そして、目的達成のために「何が必要か」を見極めて「どんな問いを立てるか」を考えることだとお話しくださいました。

本記事では、草野さんのセミナーより、「状況理解」と「問い立案」からユーザビリティテストという「手法」に到達するまでの思考例をご紹介します。

「何に困っているのか」「何が必要なのか」に立ち戻ることこそ、プロダクト改善の成功への近道です。「ユーザビリティテストやりましょう!被験者は何人集める?」…の前に少し立ち止まって、ぜひご一読ください。


【PR:解説動画付き:無料ダウンロード】ユーザビリティテストの基本もご覧ください>>
数あるUXリサーチ手法の中でも最初に始めやすい「ユーザビリティテスト」の「基本的な設計・実査・分析の流れ」と「実施の進め方や注意点」を解説します。


リサーチの「5つのプロセス」と手段を決める前の「3つの質問」

リサーチの5つのプロセス

セミナー冒頭、草野さんはリサーチの5つのプロセス、「状況理解」「問い立案」「手順設計」「調査分析」「共有&活用」を紹介します。

リサーチの相談を受ける際、特に、リサーチに慣れていない人からの相談は、「調査をどうやって実施するか」や「こんな手法で調べたい」という「手順設計」「調査分析」プロセスの話から始まることも多いそう。

しかし、ここでいったん立ち止まり「もともと何に困っているんでしたっけ?」「リサーチにどのくらい時間をかけられるんでしたっけ?」という「状況理解」「問い立案」のプロセスに立ち戻ることが大切だと草野さんは提案します。

  1. お客さま理解のためのインタビュー&ユーザビリティテスト:いくつかのデザインを試しながら課題を洗い出すため5名×3回実施
  2. インパクト軸×コスト軸を主とした調査結果の整理ワーク
  3. 整理ワークの結果をもとに改善案を導出

UXリサーチをサービスとしてとらえる

セミナー後半では、「状況を理解し問いを立てること」を忘れないために、意識していることをご紹介された草野さん。「UXリサーチやUXリサーチャーをサービスとしてとらえる」として、「誰がUXリサーチのお客さまか?」「お客さまにどのような価値を提供する?」など6つの問いが挙げられました。

最後に草野さんはあらためて、「手段」を決める前に「自分たちはどういう状況にいる?」「何を明らかにしたい?」「主に用いたらよい手段手順は?」という3つの質問に立ち戻ることを改めて提案し、トークを締めくくりました。

▼当日のスライドはこちら

 

現在草野さんは、「リサーチャーがリサーチしながらリサーチ本を書きたい」との思いで書籍を執筆中です。執筆のプロセスは、音声配信アプリ「stand.fm」にて配信中です。

ご興味ある方はぜひ「Meta UXR channel」の放送をチェックしてみてください。

▶当日のQ&Aセッションはこちら

「状況理解」「問い立案」「手順設計」に悩んだら

UXに取り組みたい、促進したいと考え始めた際、「とにかくまずはユーザに聞いてみたい!」という気持ちにかられることは多いはず。ユーザ視点に目を向けることはもちろん、UX向上の素晴らしい第一歩です。

しかしながら、草野さんがご提案されたように、手順の設計や調査そのものに加え、自社のリソースや時間の制限を含めた「状況理解」と、「何が明らかになったらプロダクト改善が進むのか」を明確にしたうえでの「問い立案」のプロセスは非常に重要です。

弊社セミナー「UXリサーチ初学者の壁とは」でも話題にあがったように、「何を」「どう」問うかを話し合うプロセスをおろそかにすると、「ユーザーの話をいろいろ聞けたけど、この結果をどうすればいいんだっけ?」という壁にぶつかり、プロダクト改善が遠回りになることさえ起こりえます。

リサーチ手法だけでなく、「何を明らかにすべきか」「どう問いをたてるか」を集中的にトレーニングしたい場合には、専門家によるOJTでUXリサーチを軌道に乗せてみませんか。弊社が提供するOJTプランでは、貴社の実案件を題材にしたプログラムのご要望にも対応しています。

 

UXリサーチOJT

・自走できるUXリサーチ人材を4ヶ月で育成するオンラインOJTプラン
・OJT形式なので実案件で成果を出せる即戦力を育成
・いつでも質問できるメンターがバックアップ

「UXリサーチの導入を試したい/試そうとしている。でも、人材も時間も足りない…」そんな場合は、ポップインサイトの実績豊富なリサーチャーがUX体制づくりに伴走します。

 

「アジャイル」なUXリサーチを実施しよう!

・UXリサーチャーとリサーチツールを定額でご提供
・1週間、数日など「短く」「小さく」「繰り返す」(=アジャイル)リサーチでPDCAサイクルをすばやく回す体制構築を支援
・専任担当リサーチャーがビジネス内容や社内体制を理解した最適な施策をご提案

投稿日: 2020/08/05 更新日:
カテゴリ: UXウェビナーダイジェスト