アクセス解析ツールとユーザテストで成果を出す4つの手順
2016年2月にパートナー会社様向けに開催された「ユーザテスト活用勉強会」に、株式会社ポップインサイト代表池田が登壇。
ユーザテストを活用した成果の創出方法について講演いたしました。本記事は講演内容を書き起こしたものです。
今6記事目を読んでいます。
1記事目 ユーザテストの目的は?web専門家ではなくユーザに聞く理由
2記事目 ユーザテストでコンバージョンが3倍に改善!有料競馬情報サービスの事例
3記事目 サイト改善事例・自分ごと化で資料請求数10倍に(保険代理店のケース)
4記事目 1行追加でコンバージョン率19%アップ!旅行代理店のユーザテスト事例
5記事目 サイト改善事例・自分ごと化で資料請求数10倍に(保険代理店のケース)
「ユーザテストをわざわざしなくても、考えて思いついたことを実行すれば良い」とか「アクセス解析ができればそれはそれでいい。」と言われることは多々あります。
実際、クライアント様と話していても、ほぼ開口一番「アクセス解析で課題が分かるんですよね。」っておっしゃいますから、まぁみんなそんな風に感じている人は多いんだろうということを承知の上で言わせてもらうのですが、私自身はやはりユーザテストを行うことは価値があるものと思っています。
ユーザテストの価値が、他のアクセス解析ツールと比較して、どういったところにで価値を発揮するのかについてお話ししたいと思います。
仮説立案における各ツールの棲み分け
まずサイトやページの改善をフローに落とすと、
- 仮説を立案する
- その仮説を検証する
という大きく2つのフェーズがあると思います。
検証はA/Bテストで実施するわけですが、仮説立案の中にそれぞのツール(手法)が果たすべき役割があるのではないかと考えています。
1.アクセス解析:改善ページの特定
まず、アクセス解析の役割ですが、一番大きな役割としては、「結局どこを直せばいいだろう?」ということが分かることです。100ページあるサイトでは、100ページ全部は一気に直せないので、離脱率を見たり、直帰が多いところを見たりしていく。そこがアクセス解析ができる最大の価値であり、効果だとと思っています。
アクセス解析とユーザテストの併用については、Googleアナリティクスでできること、できないこと~なぜ解析が改善に繋がらないか?の記事で詳しく解説していますので、是非ご参照ください。
2.ユーザーテスト:どう直すべきかの把握
アクセス解析で改善すべきページを特定し、さらにそのページをどう直すかといったときに、ユーザテストが真価を発揮します。
ページ内でどんな要素が足りないのか(もしくは余計なのか)を把握し、メッセージを足して(消して)、訴求内容の精査をしていくということです。
また、同じ要素だったとしても、言い方が分かりにくいとか 伝わりにくいということがあると思うので、そういった分かりにくさを調整していく側面も持ち合わせています。
ユーザテスト以外のタグを仕込むツールは、基本的にサイトに出ている情報が見られているかとかクリックされているかとか、数字データで分析していくものです。
ところがユーザーテストはそれとは関係なく、これまでのユーザの経験や競合サービスと比べて、「ここが分からない」とか、「こんなことを本当は知りたい」といった発想が出てくるので、「今、足りないもの(余計なもの)は何なのか?」というところを把握することができるのです。
3.ヒートマップ:要素の配置の最適化
そして、改善すべき要素が揃って内容を調整したとしても、要素を配置する順番は非常に重要です。特にランディングページだと、同じ要素であったとしても順番によって数字が全然違うことはよくあります。
そこでヒートアップツールを活用し、どこが見られているかとか、どこが見られていないかを調査していきます。見られているところをより上にもってくるというような配置の調整をすることによって、より最適化された配置に変更・調整していきます。
ヒートマップとユーザテストの併用については、ヒートマップツールで分かること・分からないことの記事で詳しく解説していますので、是非ご参照ください。
4.A/Bテストで検証
ここまででどう改善するかというベースの案ができあがりますが、この改善案が本当に効果的なのかというところまでは分かりません。
だからこそ、A/Bテストで現状パターンとあわせてテストをし検証していくというステップは必要です。
アクセス解析・ヒートマップは行動データを取得し、
ユーザテストは心理データを取得する
もう少し違う軸でどういうふうに整理できるかというと、
- 得られるデータが何か
- 分析対象(どこを見るか)
によって見方が違ってくると思います。
データの種類というのは、ユーザがどういう風に動いたかという行動データと、その行動に裏づく心理データ(どんな気持ちだったか、どんなことを思ったか)というようなタイプで整理できます。
分析対象はサイト全体を見るのか、ある特定のページを見るかということです。
つまり、
・アクセス解析は「どんなふうに動いたか」を「サイト単位」で見ること
・ヒートマップは「どんなふうに動いたか」というのを「ページ単位」で見ること
・ユーザテストは「サイト単位」および「ページ単位」で「心理データ」を見ること
と整理できます。
(両方の機能を持ったヒートマップツールもあったり、Googleアナリティクスでもどこをクリックしたのかは追えたりするので、混じっている部分はありますが)分かりやすく配置しようと思えば、上記のような配置になると考えています。
アクセス解析にしろ、ヒートマップにしろ、心理データが足りないのでこれを補完できる手法として、ユーザテストは有効というわけです。