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UXデザイナーの4スキルとは?事例から見る必要なスキルとキャリアパス

まだ職種としてあいまいな点も多いUXデザイナーという仕事。必要なスキルはなんとなくイメージできるけど、どのようなキャリアを積んだらなれるの?と疑問を持つ人も多いのでは。本記事では、UXデザイナーになるために身につけたいスキルと活躍するまでのキャリアを、実例をあげて紹介します。実際にUXデザイナーとして活躍する人の事例を見て、自分にふさわしいキャリアパスを描きましょう。

現役UXデザイナーのキャリア事例

まずは現在、UXデザイナーとして活躍する方がどのようにキャリアを積んだのか・どのような仕事をしているのかがわかるインタビュー記事を事例を2つご紹介します。

【事例】大手からスタートアップへ転身、UXデザイナーとしてのキャリアを積む

ひとつめは、求人SNSのWantedlyに掲載された、現役UXデザイナーのインタビューです。

この方は、大学でUIデザインやUXデザインを含む情報デザインを学んだ後、早くからUXデザインに取り組んでいた楽天株式会社に新卒入社。同社でUXデザイナーとして経験を積んだ後、スタートアップ企業に転職し、引き続きUXデザイナーとしてこだわりを持って働いています。

▼UXデザイナーが選んだ、デザインが好きな人が集まる組織の魅力

出展:Wantedly

【事例】Webデザイナーから研鑽を重ね、UXデザイナーとしてキャリアアップ

もうひとつはヤフー株式会社のUXデザイナーのインタビューです。

この方は、美術大学からWeb制作会社に就職。Webデザイナーとしての経験を積んだ後、「グラフィックレコーダー」という新しい技術も身につけた上で、大企業のUXデザイナーとして活躍されています。

▼ユーザーが本当に求めているものをこの手で生み出したい――そんな想いを胸にキャリアを積み、議論を可視化するグラフィックレコーダーとしても活躍している女性UXデザイナー

ひたすら制作物を作り続けた新卒時代を筋トレに喩え、続いて就職した小さな企業で人とのコミュニケーションを学んだといいます。Webデザイナーとして積んだこれまでのさまざまな経験がUXデザイナーとしての現在に活かされているケースです。

一人目の方のように最初からUXデザイナーという職種につくパターンはあまり多くなく、二人目の方のように、Webデザイナーやディレクターからステップアップするというケースが多いようです。

出展:LiBzWorkStyle

UXデザイナーの仕事内容と必要なスキル

では、UXデザイナーは具体的にどのような仕事をしているのでしょうか?またどのようなスキルが必要なのでしょうか?

UXデザイナーの仕事内容

ユーザー体験の向上を目指して、製品やサービス全体を設計・改善するのがUXデザイナーの仕事です。具体的には次のような業務を行います。

<UXデザイナーの主な仕事内容>
・ユーザビリティ調査や市場調査と分析
・プロダクトとユーザの出会いから利用まで、ユーザ体験全体の設計
・プロトタイプや成果物の評価・分析
・最終成果物を作り上げるためのエンジニアやWebデザイナーとの折衝やすり合わせ
・ユーザと接する部署を通じてのユーザーインタビューやアンケートの実施

上記以外にプロトタイプの作成や最終成果物のデザインなどの業務も兼ねることがあります。

必要なスキルやマインドセット

上述の仕事内容を見ると、UXデザイナーの仕事内容はかなり広範囲に渡ることがわかります。プロダクト全体の設計に及ぶため、関わる人も多そうです。

そのため、マーケティングやデザイン、人間工学、心理学に関する知識や技術もさることながら、高いレベルのビジネス力が必要とされます。

<UXデザイナーとして必要なスキルやマインドセット>
・顧客視点
いつでもユーザのニーズを理解し、ユーザの立場に立ってものを考えられること。
・分析力
調査結果を適正に分析して、現状の課題やゴールを見極められること。
・コミュニケーション力
アイデアを伝える手段をたくさん持っていること。ユーザや関係者を上手く巻き込めること。
・実行力
描いた理想を最終成果物までもっていけること。

はじめからこのようなスキルを兼ね備えている人は多くはありません。Webデザイナーやディレクターとして経験を積みながらビジネスマンとしてのスキルを磨いた後、UXデザイナーとしてステップアップする人が多いのもうなずけます。

実は、作り手であるデザイナーが「ユーザのニーズを理解しユーザの立場に立ってものを考える」のは、簡単なようで非常に難しいことです。ユーザニーズを把握するためには、ユーザテストを活用し、制作物のクイックな振り返りと課題の洗い出しを行うことが非常に効果的です。

UXデザイナーの求人情報から見る実際のところ

では、実際にUXデザイナーを募集している企業はどのような人材を求めているのでしょうか。求人情報をのぞいてみると、実際の状況がわかりそうです。

UIデザイナーとUXデザイナー

Wantedlyを見ると「UI/UXスキルを持つデザイナー」というくくりでカテゴライズされています。

▼UI/UXデザイナーの中途採用の求人・転職情報(Wantedly)

本来、UIデザイナーとUXデザイナーの業務は異なるものです。ところが、UIデザイナーの仕事は、WebサイトやアプリのUXを向上するなかでは欠かせないものであるため、UI/UXデザイナーとしてひとくくりにされることがほとんどです。

<UIデザイナーの仕事>
ユーザーの使い勝手を向上するためWebサイトやアプリのインタフェースを改善する
具体的には・・・
ワイヤフレームやパーツ作成など含む画面設計
プロトタイプ作成
最終成果物のデザイン
など

これを前述のUXデザイナーの仕事内容と比べると、UIデザイナーとUXデザイナーでは、一部の業務がかぶってはいるものの、その範囲が違うことがわかります。

本来であれば、UXデザイナーが全体のユーザー体験を設計する中でインタフェースの改善が必要であればUIデザイナーに依頼する、という分業が体制としては望ましいでしょう。ところが現状は、どちらのスキルも求められています。

必須スキルの一例

掲載されている求人の必須スキルの一例を見てみましょう。

<BUYMA(Web,スマホ)のUI/UXを徹底的に追求していただける方!:株式会社エニグモ>

■具体的な仕事内容
・BUYMA(日本語版もしくは英語版)に関するデザイン・UI設計
・BUYMA内の新機能/サービスに関するデザイン・UI設計
・HTML/CSSコーディング
・マルチプラットフォームへのコンテンツ展開
・新機能開発や既存コンテンツの改善

■応募資格
・Webデザイナー/マークアップエンジニア/フロントエンドエンジニアなどの実務経験
・UI設計・Webデザイン経験
・HTML/CSSコーディング経験
・JS or CSSを用いたUI作成スキル (例:使いやすい入力フォームなど)
・マルチプラットフォーム対応スキル

出典:Wantedly

業務内容としては、UI/UXとされているものの、求められているスキルはUI設計やコーディングの実務経験が中心です。UXに関わる仕事も業務のなかにはあるかもしれませんが、どちらかというとUIに関わる仕事が多そうです。

なかには、「UI/UXデザイナー募集」と書きつつも、募集内容を読むかぎりはいわゆる従来のWebデザイナーの仕事のみに収まっているケースもあります。

・Webデザイナーの仕事
Photoshop、Illustratorを用いたデザイン、パーツ作成
HTML、CSS、JavaScriptでのコーディング

UXデザイナーとして経験を積みたいという方は、「こんなはずじゃなかった」を防ぐためにも、面接時に業務内容や職務の範囲について明らかにすることが必要でしょう。

UXデザイナーに限定しての求人

UXデザインに職務を限定しての求人を求人サイトで見つけることは非常に難しく、「UXデザイナー募集」とあっても、UIデザインの経験必須・職務内容にはインターフェースデザインやプロトタイプの作成を含むケースが多くあります。

<未来のUXデザイナー募集:freee株式会社>

【業務内容】
・web / タブレット / モバイルアプリの UX 開発
・インフォメーションアーキテクチャ
・インターフェースのデザイン
・プロトタイプ/モックの作成
・ユーザーリサーチ
■必要なスキル
【下記のいずれか必須】
・コミュニケーションデザイン、情報デザイン、インターフェースデザイン、インタラクションデザイン、ユーザーエクスペリエンス等の分野について興味を持って学んでいる
・Web アプリまたはモバイルアプリのUIのデザイン経験(プライベートを含む)

出典:Wantedly

UXデザインに力を入れていると言われる企業でもこのような求人となっているのは、UXデザイナーとしてWebデザイン・UIデザインの実務を理解していてほしいということの表れだと理解できます。
転身先として、あるいはこれからつきたい職業としてUXデザイナーを目指す人は、UIデザイナーとして理想を成果物として作り上げる訓練を積みながら、活躍の範囲をUXに広げていくというのが現実的なキャリアパスといえそうです。
また、ある程度の規模の大きい企業で学ぶか、経営層との距離も近く最初から関われる範囲も大きい中小企業やスタートアップで経験を積むかという選択肢もひとつのポイントですね。

UX/UIコンサルタントという選択肢

自社サービスのUXデザイナーを紹介してきましたが、コンサルタントという選択肢もあります。
UXデザイナーとして成長したい方には、コンサルタントはピッタリな環境です。
その理由は、幅広い業界の仕事が経験でき、求められるスピードも速く、イレギュラー時の対応経験も積めるためです。
弊社ポップインサイトでも、WebやアプリのUX戦略・UI改善を提案するコンサルタントを募集しています!

ユーザリサーチによるファクト結果をもとにした、Webやアプリの改善方針策定・UI設計を提案するコンサルタント:株式会社ポップインサイト

■具体的な仕事内容
・クライアント企業のWebマーケティング戦略の把握・理解
・Webマーケティング戦略策定に向けたユーザリサーチの企画・実施
・ユーザリサーチ結果の分析・整理
・ユーザリサーチ結果を踏まえた課題把握・改善方針の策定
・上記を踏まえた改善UI設計

■必要なスキル
・高い論理的思考力
・自分の頭で考える力・スタンス
・高いコミュニケーション力
・やり遂げる力
・責任感
・Webマーケティングへの強い興味関心

■あると望ましいスキル
・Webマーケティングに関する実務
・UI設計力・デザイン力
・リサーチ業務

ポップインサイトは、2017年4月に東証一部上場企業の株式会社メンバーズのグループ会社となった、ワークライフバランスを重視するベンチャー企業です。

業務ではクライアントワークを中心に、UX・ユーザビリティについて学ぶ機会が非常に多くありますので、圧倒的な知識と経験が得られます。
Webマーケティングの世界では、いまや「定量データ(アクセス解析など)は使って当たり前」という状況がありますが、この認識と同じぐらいに「ユーザリサーチを行った課題発見や検証は当たり前」という文化を醸成したいと考えています。
また個々人の生活における家族や近しい友人たちの存在をとても大事にしており、そのため仕事は責任感を持って頑張りながら、同時に家族との時間を大事にできるよう勤務時間や場所を柔軟に調整しながら働いています。

ですので、家庭も大事にして柔軟に働きたい・新しい仕事にも積極的にチャレンジしたいという方にとてもマッチした企業です。

ポップインサイトの採用ページはこちら

まとめ

CMSなどの登場により、従来のWEBデザイナーの仕事が以前ほど価値を持たなくなったとも言われるなかで、今、求められているのはデザインを通してお客さんの課題を解決する力であり、その職務は広範囲に及びます。最初からUXデザイナーとして活躍できるケースは多くはありません。WebデザイナーからUIデザイナーへ、そして全体を見渡せるUXデザイナーへのキャリアパスを描き、サービスの向こう側にいるお客さんを幸せにできる人材を目指したいですね。

参考:Webクリエイターボックス

UXデザイナーの転職なら

UXデザイナーへの転職は、老舗の転職エージェントに相談するのが最も早道です。以下、UXデザイナーの求人が多いサイトです。具体的に志望している企業名がまだない場合は、まずは登録して求人情報を探してみてはいかがでしょうか。

実績NO1・リクルートエージェント

投稿日: 2017/01/18 更新日:
カテゴリ: UXデザイン, UX改善