「転職」のカスタマージャーニーマップ ユーザリサーチで裏打ちされた「現職に不満を持つ30代」のジャーニーとは?
マーケティング戦略の策定において、カスタマージャーニーマップが重要であることはもはや常識です。
しかしながら、「実際に作ろうとしてもなかなかうまくいかない」「ジャーニーの妥当性が判断できない」・・・そんなお悩みはありませんか?
今回は、「転職」におけるカスタマージャーニーの自主調査に基づきポップインサイトが作成した、「30代の転職」のジャーニーマップをご紹介いたします。
このジャーニーマップは、数十回もの自主調査(インタビューおよび数十~数百人へのアンケート)で得たリアルなユーザの声をベースとし、サービス提供者視点ではなく、実ユーザの視点から作成したジャーニーマップです。
本ジャーニーのペルソナは、「今の仕事に不満があり転職を検討中」の30代。
①認知・興味関心 ②情報収集 ③比較検討 ④求人応募、の各フェーズでの「タッチポイント」「ユーザ行動」「思考」「感情」に加え、それらを裏付けるユーザリサーチ結果、さらにそこから導かれるサイト課題を記載しています。
今回は、転職希望者の性別や業界を限定せずマップを作成しましたが、実際には、転職希望者の性別、居住地、家族の有無、業界、といった軸を設けることで、各フェーズにおける顧客インサイトの定性的な深掘りが可能となり、転職サイトだけにとどまらず、貴社の採用マーケティング施策の策定にもお役立ていただけます。
本稿では、マップ作成のためのユーザリサーチで発見した興味深いポイントをいくつかご紹介いたします!
転職活動におけるユーザー心理を理解するために、求職者のカスタマージャーニーをもとに「各フェーズのユーザー心理」や「どのような課題があるのか」を解説します。
無料DL|カスタマージャーニーマップ(転職)+リサーチ結果
「現職に不満がある30代」の転職ジャーニーマップ。ジャーニーを裏付ける、数十回に及ぶリサーチ結果もセットで閲覧可!
目次
具体的な行動を起こしていない「転職未行動群」でも35%が「転職に興味あり」
ジャーニーマップ作成にあたっては、転職検討状況をアンケート調査で調査(n=719)し、転職検討段階別に以下4群に振り分けました。
- 未行動群:転職への興味の有無に関わらず転職活動を行っていない群
- 検討予備群:本格的に検討開始する前の段階で情報収集をしている群
- 検討群:実際に転職を検討している群
- 転職群:志望企業に応募している群
調査の結果、719人のうち85%が現在の仕事に何らか不満があると答えました。
具体的な行動を起こしている「行動群」は29%、転職への興味の有無に関係なく、何も行動を起こしていない「未行動群」は56%でした。
しかし、「未行動群」においても、35%が転職への興味を示しており、この35%を加えると、全体の64%が「転職に興味あり」という結果となりました。
転職を検討するのは「雇用形態」「残業・労働時間」に不満がある群
上述のとおり、「転職に興味あり」は全体の64%でした。では、実際に行動を起こすのはどういう人たちなのでしょうか。
ユーザアンケートの結果、実際に転職への行動を起こしている「行動群」には、「残業・労働時間」と「雇用形態」(正社員か契約社員かなど)とに不満を感じている人が多い傾向があることがわかりました。
「雇用形態」「残業・労働時間」に不満を感じる具体的な理由としては、
- 「薄給で休日も出勤をしている(残業・労働時間)」
- 「派遣と直雇との給与面の差が大きい。派遣会社によっても給与が違う(雇用形態)」
- 「特定派遣は自由な仕事選び、キャリアアップができると入社前には言われたがそうではなかった(雇用形態)」
といった回答が見られました。
転職サイトをより活用するのは「転職し始め」と「エントリー・応募」フェーズ
ユーザリサーチによると、転職検討時の情報源として「転職サイト」が最も多く利用されていました(複数回答61.1%,n=398)が、重視する要素は転職段階ごとに異なることも明らかになりました。
転職サイトをより頻繁に利用するのは、転職を始めたばかりで幅広く情報が欲しい「検討予備群」(58%)と、本格的な転職活動を始めた「検討群」(37%)のうち、検討段階が本格的になり、会員登録や情報収集を行っている群(13%)が多いことが分かりました。
「検討予備群」が重視するのは「職種・業務内容」
では、転職サイトを最も閲覧している「検討予備群」は、サイトでどういった内容を重視しているのでしょうか。
回答者全体では、サイトで重視している内容は「給与・雇用形態」「応募資格」という結果でした(複数回答71.1%,n=201)。
一方、検討予備群にしぼると、「給与・雇用形態」「応募資格」(各72.9%)を上回る75%の回答者が「職種・業務内容」を重視するという結果でした。
回答者全体では「職種・業務内容を重視」と回答したのが63.2%であることを考慮すると非常に興味深い結果で、コンテンツ作成の重要なヒントとなる発見であると言えます。
転職検討フェーズによってサイト閲覧頻度や知りたい情報が異なる、というのは定性調査ならではの興味深い発見です。こうしたリサーチデータを活用すれば、コンテンツ改善のポイントをターゲットごとに整理することが可能となり、具体的な施策が立てやすくなります。
ユーザーリサーチに基づいたカスタマージャーニーマップ作成ご支援いたします
「現職に不満がある30代」の転職ジャーニーマップの一部をご紹介いたしました。
ユーザリサーチでは、上記以外にも、
- 9割以上のユーザが転職サイト閲覧後に企業サイトを訪問する
- 求人原稿を閲覧する際に重視しているポイント
など、非常に興味深い結果を得ております。
ユーザリサーチならではの発見点のすべてを、下記からダウンロードしてご覧ください。
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