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ポップインサイト的「アジャイルUXリサーチ」とは?社内議論まとめ

ポップインサイトで提供している「UXリサーチャー・オンデマンド」。
ユーザリサーチの「実施にはコストと時間がかかる」といったよくあるイメージに対し、「もっと気軽に、クイックに、ぐるぐる回していこう」がポップインサイト流。
そんな我々のスタイルを表現するコンテンツワードとして「アジャイルUXリサーチ」と表現しています。

アジャイルUXリサーチは、ウォーターフォール型の「決まった内容を進めていく」スタイルではなく、「修正しながらUXリサーチを回していく」スタイルとなり、成功の確度も高く、現代市場の早い動きにもフィットしています。

先日はそんなポップインサイト的「アジャイルUXリサーチ」とは何ぞや?をアツく社内ディスカッションしました!!
内容まとめメモを大公開!!是非ご覧ください。

 

アジャイルUXリサーチ- 2つの概念

アジャイルUXリサーチには大きく以下2つの概念があります。

①アジャイル開発の中でUXリサーチを取り入れる
②UXリサーチをアジャイル(素早い・俊敏)にしていく
弊社では②のイメージが強いものの、ケースバイケースで柔軟に対応しています。

海外(【メルペイ】なども)では①が一般的ですが、アジャイル開発を前提としてしまうと、まだアジャイル開発でない段階や、開発が変わらない場合は、リサーチが出来ないこともあります。

開発がアジャイルでなくても、UXリサーチをぐるぐる回し早めの検証をしていくことはとても有益です。

HCD(ユーザ中心設計)とウォーターフォール型、アジャイル型の相性について

従来(2009年まで)はウォーターフォール型がHCDを実現しやすいと考えられていました。

理由としては、以下の2点からアジャイル開発サイクルとHCDが合わなかったためです。

・アジャイル開発型はサイクルが早い為、しっかり考える時間が無い
・HCDはユーザ像、シナリオ、ペルソナ定義、開発要件をしっかり考える1-2カ月のサイクル

その後、UXリサーチの方法が進化し、スピーディな実施もできるようになったことで、2016年ではアジャイル開発型のほうが、HCDを実現しやすいと言われています。

図.製品開発手法による成功の度合い(1=全く成功しなかった、7=非常に成功した)
UX専門家は、2009年にはウォーターフォール型がアジャイル型よりも成功していると評価しましたが、7年後にはパターンが逆転しました。アジャイルプロジェクトで働く人々は、ウォーターフォール環境で働く人々よりも大きな成功を感じたと答えました。

参照:アジャイル開発にUXアプローチを取り入れるための6つのポイント

理想的と言われている開発スタイル~デュアルトラック開発

よくあるケースとして「UXリサーチ/デザイン側」と「開発側」で同じスプリントで取り組んでいることが多いのに対し、時間軸をずらし、「開発側」の一歩先を「UXリサーチ/デザイン側」がリサーチしておくスタイルのことです。
これにより
・効率化
・完全に分けていないことにより議論がしやすい
・リサーチの時間を取りやすい
等のメリットがあります。

アジャイルUXリサーチの例

株式会社メルペイ

毎週ユーザを呼びインタビューを実施。
・会員登録ができるか?
・商品が探せるか?
等8つ程度のタスクに分けインタビュー。

NTTレゾナント株式会社

1アプリ6ヶ月程度のサイクルとし、以下のような調査を実施。
・比較(インタビュー)
・開発(UTによるプロト検証)
・リリース(UT,複数人に継続利用後のアンケート実施)

参照:【UXRO導入事例】新サービス開発サイクルにUXリサーチャを導入!!再訪率6倍などの成果も!~NTTレゾナント株式会社様~

株式会社キュービック

FX人材メディアでのコンバージョン改善を目的とし、以下のようなパターンで調査を実施。
・ターゲット毎にニーズを把握→ミルトークで複数人にインタビュー
・プロトタイプで複数人検証→リリース

参照:【UXRO導入事例】UX人材育成&高速PDCAによる制作コストダウンを達成!UXROを使い倒す秘訣とは?~株式会社キュービック様~

よくある質問

Q.単発リサーチとアジャイルUXリサーチでの改善方針は変わるか?

A.単発リサーチは一度改善提案したら終わりですが、アジャイルUXリサーチではそれをさらに検証し改善を行う、というように繋がっていきます。

ポップインサイトではあるケースや目的において1回のリサーチで終わらせるのではなく、テーマや手法を変えつつも何度もリサーチを繰り返し回していくアジャイルUXリサーチのスタイルに価値があると考えています。

Q.デザインスプリントとアジャイルUXの違いは?

A.視点の違い(アジャイルUXはリサーチ側の視点)はありますが、双方とても相性のいいフレームワークです。

<有効な手法・考え方>

●デザインスプリント
短い期間で高速にプロトタイピングと検証を行う方法論(フレームワーク)のことです。
コンセプトは主に以下です。
・制限を設けて短いスプリントを何度も回す
・問題発見と解決のプロセスを分ける
・UXをストーリーボードで表す
・プロトタイプまでつくりユーザーインタビューを通して学習する

参照:デザインスプリントのメリットとNGパターン|THE GUILD 深津氏など実践者が語る

●リーンキャンバス
より素早くPDCAを回し、無駄な工程を削ぎ落とし、顧客へよりよい価値提供できるためのツール。
ユーザー視点で事業の価値を定義し、価値の構造を可視化することで実現性を検証することが可能になります。
・誰に
・どんな課題を
・どういう価値提供を
など、1つ1つ仮説をリサーチしていきます。

参照:成功したスタートアップから学ぶビジネスモデルの設計方法「リーン・キャンバス」とは
参照:【テンプレート付】リーンキャンバスとは ~事業計画書を作ろう:実践編~

●アジャイル開発
『要件定義→設計→開発→実装→テスト→運用』といった開発工程を機能単位の小さいサイクルで繰り返すのが特徴です。
優先度の高い要件から順に開発を進めていき、開発した各機能の集合体として1つの大きなシステムを形成。
仕様変更に強く、プロダクトの価値を最大化することに重点を置いた開発手法です。

参照:「アジャイル開発」とは? 特徴とメリット・デメリットをわかりやすく簡単に解説

Q.実際にアジャイルUXリサーチしてみようという時にコストがかかったり、ターゲットが集まりにくい場合等、結局クイックにリサーチできないのでは?

ポップインサイトではお客様のご予算等に合わせ、ケースバイケースで
「クイックに回すためにどの視点を持てばいいか?」
「どう環境を整えていくか?」を考えながら、
・デザインスプリント
・リーンキャンバス
・アジャイル開発
等、手法を変え、環境を整えています。

デザインスプリントを実現するための開発スタイルがアジャイルであり、リサーチスタイルがアジャイルUXリサーチ。
リサーチを進める方法論としてアジャイルUXリサーチがあるイメージです。

ポップインサイト「アジャイルUXリサーチ」をご想像いただけましたでしょうか?ご質問、ご相談などお気軽にお寄せくださいませ。
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投稿日: 2019/11/28 更新日:
カテゴリ: その他