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「もう打ち手がない」ときのUXリサーチ~ユーザーインタビュー?ユーザーテスト?調査手法の効果的な選び方(1)~

Webサイトやサービスを改善していく中で「もう打ち手がない…」と感じることはありませんか?それは「打ち手を考えるための材料」が足りないことが原因かもしれません。

打ち手を考えるための材料として、Googleアナリティクス(GA)等の行動データがよく利用されますが、GA等の定量データは「どこに/どのくらい」の課題があるのかは示してくれますが、それが「なぜ」課題となっているのかまではわかりません。「なぜ」を知る方法として、ユーザーインタビューやユーザーテスト、行動観察などの定性調査がありますが、対象や課題に応じて効果的な調査手法を選択する必要があります。

本記事では、無料でダウンロードできる「もう打ち手がない」ときのUXリサーチ~調査手法の効果的な選び方~より、前半部分をご紹介いたします。
ユーザーインタビューやユーザーテストなどの定性調査によるWebサイト/サービスの改善事例や調査手法の効果的な選び方を学びたい方は、ぜひご覧ください。

打ち手がなく悩んでいる状態とは?

メンバーズポップインサイトカンパニーでUXリサーチ チームマネージャーをしております、水谷駿太です。

私がお客様とお話をする際、「Webサイトやサービス改善したいが、効果的な打ち手がなく悩んでいる」といったお悩みをよくお聞きすることがあります。ここでは、その悩みの解決の糸口と、解決手段の一つとしてのUXリサーチについてお話をさせていただければと思います。

結論を先に言いますと、UXリサーチによって ユーザーの課題とその要因の文脈を捉えることで、取るべき打ち手のアイデアを増やし、その効果の精度を高められます。

まず最初に、打ち手がなくて悩んでいる状態とはどういうことかを説明させていただくと、「打ち手がどこから生まれるか?」という話になります。打ち手とは、現状から目標を目指す上でぶつかる課題の要因に対して取る手段です。

現状から目標に進むにあたり、ぶつかる課題や仮説があり、その要因に対して打ち手をとっていくことで、目標達成を目指していきます。

課題(仮説)とその要因があって初めて打ち手が考えられます。打ち手がなく悩んでいる際、課題(仮説)とその要因がクリアになっていないことが意外と多いです。

「打ち手がない状態」は、主に4パターン

打ち手がない状態の主なパターンは、主に4つ挙げられます。

①目標設定に不足がある
②要因を断定してしまっている
③要因を出す材料が足りない
④打ち手が限られてしまっている


こういったパターンに対して、ユーザーインタビューやユーザーテストなどのUXリサーチをどのように行っていくのか説明いたします。

①目標設定に不足がある

まず、目標設定に不足がある場合には、こんな会話になることが多いです。

A:申込数を改善していきたいのですが、いい打ち手は思い浮かばず…UX改善という視点で何かいい策はありませんか?

B:いい策をぜひ一緒に考えていきましょう。その前に前提を確認させて下さい。申込数を上げた結果、どんな目的を達成したいですか?

A:申込数=売上なので、売上改善ですね。

B:なるほど。では現状としては、どのようなユーザーからの売上が多かったりするのでしょうか?

Aそこが実は十分に分かっておらず、そこから把握したほうが良さそうですね。

ーーーここでは、「申込数を改善したい」という要望に対して、前提を確認すると「申込数=売上なので売上改善」であるとわかり、現状整理をお聞きすると「どのようなユーザーからの売上が多いかわからない」状態であることがわかりました。

このように、目標数値は決まっているが、その目標達成に向けてどのような顧客に向けてアプローチするかが決まっていない状況の場合、”どのような顧客の課題を明らかにしていくか”を考えるUXリサーチの議論をすることで、目標が明確となり、精度の高い仮説や目標具体化を促します。

②要因を出す材料が足りない

次に、要因を出す材料が足りない場合には、こんな会話になることが多いです。

A:課題がある箇所について、Google アナリティクスを見て特定はできているですが、そこから効果的な打ち手が出せていないんですよね・・・

B:ふむふむ、課題箇所の特定まではできているんですね。ちなみにこれまではどのように改善アクションを取られてきたんですか?

A:Google アナリティクスのデータを元にその要因を仮説として立てて、その要因仮説に対して改善アクションを取ってきましたね。

B:なるほど。もしかしたら、Google アナリティクスのデータには表れない、貴社サービス特有の要因があるのかもしれませんね。

ーーーここでは、「Google アナリティクスなどで課題の特定はできている」が「そこからユーザーにどのような問題が起きているのか」「何でこれが問題になっているのか」がつかめていない状態です。

このように、Google アナリティクスなどの定量データで仮説はたてられるが、仮説に対してアクションを繰り返ししていくと、見ているデータは固定なので、そこから発想される課題や仮説が少なくなっていきます。

▼定量データ
<分かること>
・どこに課題があるか
・どれだけ大きな課題か

<例>
・Google アナリティクス等ログデータ
・アンケートデータ
・ヒートマップデータ
・ユーザーの登録データetc …

▼定性データ
<分かること>
・なぜ課題が起きているか
・どのような課題か

<例>
・インタビュー調査
・ユーザーテスト
・エスノグラフィー調査
・日記調査 etc…

定性データは定量データに比べて不足しているケースが多いです。両方大事ですが、要因の探索や仮説検証するにあたってはインタビュー調査やユーザーテスト等のUXリサーチの定性データが必要となります。

③要因を断定している

次に、要因を断定している場合には、こんな会話になることが多いです。

A:訪問者は増えているものの、初回利用から2回目利用につながらず・・・色々手を尽くしているものの、何とか初回利用体験を改善したいです。

B:初回利用体験の改善し、継続利用してもらいたいんですね。初回利用時はどこで離脱されてしまうんですか?

A:チュートリアルの途中や少し触った後にかなり多くの方が落ちてしまいますね。

B:なるほど。それはチュートリアルや初回体験に問題があるかもしれないですし、あとはアプリへの送客時に期待値を上げすぎている可能性も考えられそうでしょうか?

A:確かに、初回体験でなく送客時の期待値調整を間違えている可能性もありますね。

ーーーここでは、「2回目利用につながらないから、初回利用体験を改善したい」という要望に対して、「あとは、送客時の期待値調整を間違えている可能性もありますよね?」と、複数要因があるのでは?とお伝えしています。

出典:http://site.hcdvalue.org/docs

このように、定量データでは「どこに課題があるか」は明確になりますが、ユーザーの体験を時系列追った時の影響が見えにくいです。「前のところが何か影響しているのかもしれない」「蓄積してきた経験がそのユーザーのアクションに対して影響しているかもしれない」などの発想につながらないところがあります。

対して、UXリサーチは、定性的なデータで文脈を分析していきます。ユーザーの体験を時系列で蓄積していくものだと考え、特定のある場所で起きている課題というわけではなく、前段や累積的な体験に課題があるのではないかと探索していくものです。

UXリサーチをすることで、課題発生しているところ/課題仮説を立てているとは別のところにある要因を明らかにすることができます。

④打ち手が限られてしまっている

次に、打ち手が限られてしまっている場合には、こんな会話になることが多いです。

A:他部署の協力もなかなか得にくく、自分たちの部署で対応できる範囲だと、打ち手が枯渇してしまっているんですよね・・・

B:自部署だけで出来る打ち手には限りがありますよね。ちなみに他部署も同じ顧客に向けた改善に取り組んでいるんですか?

A:そこは同じです。でもその部署も顧客像のイメージが明確でなく、悩んでいるようです・・・

B:顧客像を明確にして打ち手を検討することは、他部署にとっても重要そうですね。

ーーーここでは、「自分たちの部署では打ち手が枯渇している」という現状に対して、「他部署を巻き込んで、顧客像を明確にして打ち手を検討しましょう」と話しています。

このように、サイロ化(システムや業務プロセスなどが、他のアプリケーションや他事業部や部門との連携を持たずに自己完結して孤立してしまう状態)や、予算の都合で、自分たちの部署では打ち手が限られてしまっているケースがあります。

その場合、共通する関心事である”ユーザー”の理解は、他部署からの協力を得やすくし、打ち手に幅を与える可能性があります。UXリサーチを活用して、他部署と協力してユーザー理解をすることで、「自分たちの目標の数値が、他の部署のアクションで左右されてしまうのか」など、様々なことが見えてきます。

打ち手を生み出すUXリサーチ手法の選び方

(目次)
2.打ち手を生み出すUXリサーチ手法の選び方
・UXリサーチが効果を発揮する理由
・UXリサーチの手法について
・Q.アンケートは定量データか?

3.代表的なリサーチ手法について
・インタビューについて
・ユーザーテストについて
・UXリサーチで得られること
・上位下位関係分析について
・UXリサーチで得られること

後半の内容については、次の記事でご紹介しますが、無料でダウンロードできる「もう打ち手がない」ときのUXリサーチ~調査手法の効果的な選び方~に全ての情報が掲載しておりますので、ぜひ、ダウンロードしてご覧ください。

【無料Ebookダウンロード】「もう打ち手がない」ときのUXリサーチ~調査手法の効果的な選び方~

「Webサイトやサービス改善したいが、効果的な打ち手がなく悩んでいる」方に、解決手段の一つとしてのUXリサーチの調査手法の選び方をお伝えします。