医療保険加入者の心理的特性がヒントに!顧客満足度アップのための最適なコミュニケーションとは?
保険業界は今、デジタルを活用することで顧客とのコミュニケーションの向上を目指しています。
保険業界をはじめ数多くの企業にUXリサーチ・UXデザインを提供しているポップインサイトカンパニーが自主調査した結果をもとに、医療保険に加入している方へのより深い新たなコミュニケーションの切り口を探りました。
本記事は「医療保険加入者のユーザー心理とは?心理的特性をコミュニケーションに活かすヒント」セミナーの内容をダイジェストでご紹介いたします。
保険会社の方だけでなく、顧客とのコミュニケーションの改善事例を探している方や、効果的な顧客心理の把握について学びたい方にもご参考になれば幸いです。
目次
医療保険加入者のユーザー心理とは?
本記事の内容は、下記から資料をダウンロードいただくと、セミナーでの講義を動画で全編ご覧いただけます。
【無料ダウンロード】医療保険加入者のユーザー心理とは?
医療保険に加入している方の健康や医療受診に関する価値観を把握することで、より深い新たなコミュニケーションの切り口を見つけるヒントを探りました。
多様化するニーズに寄り添うユーザーモデリング
「保険」は目に見えにくい価値を提供するサービスであるため、保険金受取以外のタイミングで利用者にサービスの良さを実感してもらえる機会は多くありません。そのようななかで、いかに顧客の心理に寄り添ったコミュニケーションを取り、サービスに対する満足度を高めていくかが課題となっています。
今回、「顧客の心理に寄り添ったコミュニケーションを取り、サービスに対する満足度をどのように高めていけばよいか」という課題に対し、自主調査を実施し、コミュニケーションのヒントを探りました。
本セミナーでは、多様化する顧客のニーズに寄り添うため嗜好性・価値観・態度といった顧客の考え方や心理的特性(サイコグラフィック)を切り口に顧客とのコミュニケーション改善のアプローチを考えます。
新たなコミュニケーションのヒントとなる心理的特性について考える前に、どのように顧客の心理的特性を把握するのか考えていきます。
今回、数ある手法のなかからユーザーモデリングという手法を用いて心理的特性を把握しました。
「ユーザーモデリング」を初めて耳にする方も多いのではないでしょうか。
アンケート調査やインタビュー調査は耳にしたことがあるかもしれません。それぞれ簡単に説明します。
■ ユーザーアンケート
ユーザーがサービスを「いつ」「どこで」「だれと」「どのように」「なぜ」利用するのかを定量的に把握するために有効な手法です。
■ ユーザーインタビュー
ユーザーがサービスを利用する状況やその背景、利用したあとで起こるさまざまなできごとの繋がりを定性的に把握するのに有効な手法です。
■ ユーザーモデリング
ユーザーが「なぜ」サービスを利用するのかという理由と、親和性があると思われる気持ちを似ているモノ同士で分類し、心理的特性を把握するという手法です。
ユーザーモデリングは、定性調査と定量調査の架け橋となる手法だと考えています。
※ユーザーモデリングの詳細については、セミナー後半でお伝えします。
医療保険加入者と保険会社のお悩みの声
「医療保険加入者の心理的特性」の活用方法について考えるために、まずはよくある医療保険加入者の不満の声を見てみましょう。
こういった声は、私自身も保険加入者へのインタビューでよく耳にしています。
一方で、保険会社が持つよくある悩みも見てみましょう。
保険会社にとって、顧客とのコミュニケーションは悩ましい課題です。
連絡の頻度が少なければそっけない、頻繁に連絡すれば煩わしいと思われてしまうこともあります。
「見る気がしない」といわれても、新商品のご紹介をしなければいけない場面もあり、悩ましいですよね。
このような際に、コミュニケーション改善の切り口として顧客の心理的特性を活用するのはいかがでしょうか。
「医療保険加入者の心理的特性」はどのように活用できる?
先にも述べた通り、ユーザーモデリングは、ユーザーがサービスを利用する理由と、親和性があると思われる気持ちを類似のモノ同士で分類する手法です。
今回の調査では、「医療保険加入者の加入理由」と「健康や医療受診への価値観」は親和性が高いという仮定に基づいて、心理的特性の活用例を考えました。
1つ目が、オファーの最適化としての活用です。
2つ目が、ターゲティングの効率化への活用です。
3つ目は、相性のよい保険外交員のマッチングによるコミュニケーションの活性化です。
こういった心理的特性を理解しコミュニケーションに活用することで、
- メール開封率の向上
- 追加契約数の増加
- クレーム数の減少
などの効果を得られます。
「健康の信念」と「受療意識」の2つのモデル
ユーザーモデリングは、特定のモノやコト、サービスに対する意識、行動傾向、信念を分析し、独自にモデルを作成することが可能です。
ユーザーモデリングのスタンダードなものは13モデルあり、今回の調査では「医療保険加入者の加入理由」 と、「健康や医療の受診への価値観」 は親和性が高いと仮定しています。
この仮定に基づき、スタンダードなユーザーモデルから、医療保険加入者と親和性が高い「健康の信念」と「受療意識」に基づく2つのモデルを利用しました。
※ユーザーモデルの作成方法については割愛しますので、詳しく知りたい方はポップインサイトまでお問い合わせください。詳しく話を聞く>>
健康信念に基づく4つのモデル
5つの質問に答えてもらうことで、4つのどれに該当するか判別します。
受療意識に基づく5つのモデル
受療意識に基づくモデルは、4つの質問に答えていただくことで5つのなかのどのモデルに該当するかを判別します。
心理的特性ごとにどのようなコミュニケーションをとるか
それでは、実際に医療保険における健康や受療意識に関する心理特性を見ていきましょう。
3名の方に、いくつかの質問に答えていただき、健康への考え方と受療意識に関する心理的特性を明らかにしました。
一人目の佐藤さんにはどのようなコミュニケーションが最適でしょうか?
- 佐藤さんは、48歳の女性で、埼玉県に在住。専業主婦で保険会社Aで貯蓄型の医療保険に加入しています
- 健康は運次第と考えている一方、自助努力も大切だと考えています
- 必要なときには病院へ行きますが、基本的には人の意見を参考にしながら自助努力で解決しようとします。相談して解決したいと思う傾向は低いです
佐藤さんは、健康は運次第と考えながらも自助努力の必要性を感じているため、自助努力を後押しするようなアプローチは効果的と考えられます。
佐藤さんを含む3名に加入後の保険会社とのコミュニケーションについてインタビューを行いました。インタビューから、心理的特性とコミュニケーションの取り方には相関があることが明らかになりました。
佐藤さんのインタビューから、以下の点が明らかになりました。
- 前任の担当者は、医療保険の特典に、困ったときに使える無料健康相談があることを忘れたころに思い出させてくれた
- パンフレットは貰っても捨ててしまうので、気にかけて教えてくれるといい保険に入っていると思える
- メールマガジンは見るのが面倒
つまり佐藤さんは、「程々に自助努力は大切」と考えているため、忘れた頃に思い出させてくれるような案内は好意的に受け止められる可能性が高いです。
ここまで、「医療保険加入者のユーザー心理とは?心理的特性をコミュニケーションに活かすヒント」の内容をダイジェストでお伝えしました。ダウンロードいただくと動画での解説付きでより詳しい内容がご覧いただけます。
セミナー動画では、佐藤さんと同様に鈴木さん、高橋さんの心理的特性のタイプごとにどのようなコミュニケーションが喜んでいただけるのか、具体的な例を挙げてご紹介しています。
ユーザーモデルを活用すると、顧客が気にしていることに対してある予測して話すことで「気が利いているな」と思われるコミュニケーションを取れる可能性が高まります。
また、Aさんに提案して喜んでもらえた経験をもとに、Aさんと近いタイプのBさんにも同じトークスクリプトで提案すると喜ばれるかもしれない、といったように保険外交員同士での知見共有もスムーズになるかもしれません。
ぜひセミナーを全編ご視聴いただき、コミュニケーションの切り口にユーザーモデリングの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
ユーザーモデリングの詳細はもちろん、最適なコミュニケーションの設計についてはポップインサイトまでご相談ください