「リサーチ」では実際にどのようなことをして、どんな効果が得られるのかご存知でしょうか?また、リサーチを専門業者に依頼する際、どういったポイントで会社を選定すればよいかわからない、というお悩みはありませんか。
本記事ではリサーチの目的や手法を解説し、国内のリサーチ会社を10選をご紹介します。
目次
リサーチの2手法:定量調査と定性調査
なぜリサーチが重要なのかを理解するために、まずはリサーチの手法を整理していきましょう。
調査方法は大きくわけて「定量調査」と「定性調査」の2種類があります。それぞれの調査にさまざまな手法があります。
定量調査
定量調査は、数値で結果を表すことのできる調査です。
人数や量や割合といった数値で集計・分析され、調査結果が明確であることが特徴です。
例)「コーヒーは好きですか?」という質問を100人にしたところ、はい67人/いいえ33人 という結果だった。
【定量調査の手法】
アンケート(訪問・会場調査・電話・郵送)、覆面調査(ミステリーショッパー)
定性調査
定性調査は、被験者(調査モニタ)がある選択に至った経緯や理由を調査する方法です。被験者の声を聞くことによって、変えるべき点、逆に変えるべきでない点を明らかにすることができます。
例)「コーヒーは好きですか?」の回答に対する理由を聞かせてください。
→はい:眠気がなくなるから。毎朝飲む習慣があるから。
いいえ:苦味が嫌いだから。飲むと胃が荒れるから。
【定性調査の手法】
インタビュー(グループ・個別)、行動観察
MROC(Market Research Online Community)
上記以外に、インターネットの普及によって生まれた「MROC(Market Research Online Community)」という調査方法もあります。これは、インターネット上にコミュニティを作ってターゲットとなる消費者を集め、特定の期間(数週間~1年程度)やり取りを観察する手法です。
MROCのメリットは、想定していなかった発見点が見つかりやすいこと、従来の調査に比べて準備や集計に費用・時間がかからないことです。
マーケティングリサーチ事例:ノンアルコールビールのイメージを覆すコンセプト開発で売上No.1(アサヒビール)
2010年当時、アサヒビールはノンアルコールビール市場でシェア2%と低迷していました。そこでマーケティングリサーチを実施し、ノンアルコールビールを飲む状況と、新商品のヒントとなる情報を集めました。
従来、ノンアルコールビールは「アルコールが飲みたくても飲めない人(妊婦や運転手など)が利用する」イメージでした。しかし調査をおこなってみると、「ビールをいつも飲んでいるが、翌日仕事が忙しいときは控えたい」「休肝日を作りたい」というように、普段からビールを飲んでいる人が「アルコールを飲まない」という選択肢としてノンアルコールビールを利用していることがわかりました。
また、ノンアルコールビールは「健康」「女性的」といったイメージの商品が多く、「男性的」「ビールに近い」というポジションは空白になっていました。
この結果を受け、同社の新商品のコンセプトは「ビールの代替品」になりました。男性がメインとなるビール愛飲者がアルコールを飲めない・飲まないときに手に取る商品として、飲み応えのあるノンアルコールビールが開発されました。
この新商品「ドライゼロ」が2012年に発売されると、その年はシェア24%を上回り、2016年は売り上げNo.1を達成しました。
出典:マインドリーディング|「ドライゼロ」のヒットを導いた王道のマーケティングリサーチとは?
リサーチの潮流は、「どっしり1回」から「手軽に複数回」に
これまでのリサーチは、1回あたり数百万のコストをかけ、しっかり企画・設計をして行うサービスが多い状態でした。
ところが最近では、そういった「どっしり1回」というリサーチだけでなく、1回あたり数万~数十万程度の小さなコストで、何度も繰り返しリサーチを回す流れが主流になってきています。
リサーチを手軽に行うサービスの例
・ミルトーク:マクロミルが提供するアンケートサービス。1回数万または月額20万程度で、数百人への1問アンケートが手軽に実施できる。
・Sprint:ジャストシステムが提供する1:1のチャットインタビューが手軽にできるサービス。月額20万~程度で使い放題。
・UXリサーチャオンデマンド:ポップインサイトが提供する、リサーチャとツールをセットで使い放題提供するサービス。月額40万~程度で、時間内使い放題で実施可能。
国内のリサーチ会社10選(1~3)
株式会社メンバーズ ポップインサイトカンパニー
<所在地> 東京都中央区
<得意分野> UXリサーチ(ユーザビリティテスト、インタビュー、アンケートなど)
<特徴>
ユーザテストの豊富な実績があるポップインサイトでは、面倒な準備や専門知識は一切不要で、ターゲットとなるユーザから得られる有益な発見を安価にご提供できます。リサーチだけにとどまらず、上流の戦略立案や設計も可能です。幅広い領域での実務経験を武器に、机上の空論でない費用対効果の高い施策提案をおこないます。
<実績>
パーソルキャリア株式会社様、Sansan株式会社名刺アプリ「Eight」ほか多数
株式会社インテージホールディングス
<所在地> 東京都千代田区
<得意分野> パネルリサーチ
<特徴>
あらゆる調査ニーズに応える豊富なサービスラインナップがあります。小売店・消費者の買い物データといったリアルデータを得られるパネルリサーチや、インターネット・会場での調査、ドコモの恵帝電話のネットワークを利用した「モバイル空間統計(R)」、海外調査にも対応しています。お客様が保有しているデータを利用した解析も可能です。
<実績> 食品・飲料メーカー、大手雑貨メーカー、中小旅行会社
株式会社ビデオ・リサーチ
<所在地> 東京都千代田区
<得意分野> 大規模リサーチ
<特徴>
調査の設計から全国レベルの実施まで対応できる会社です。マスを把握する定量調査から、消費者の真相に迫る定性調査に至るまで、豊富な調査ノウハウに加え、最新の設備とベテランの調査員により、迅速・正確に応えてもらえます。30年以上に及ぶ経験と年間100超プロジェクトの運用実績があり、経験豊富なモデレーターも社内外に多数在籍しています。
<実績> テレビ・ラジオの視聴者リサーチ、広告リサーチ、生活者リサーチ
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