UXデザインとは?UX(ユーザーエクスペリエンス)の考え方から、仕事・資格やスキルまでご紹介
目次
UXデザインとは?
はじめに、UXデザインとは何かについて確認しておきましょう。
UXとは?
UXデザインのUXは「ユーザーエクスペリエンス」の略で、「ユーザーが製品やサービスを通して得られる体験」のことを指します。製品やサービス(プロダクト)を利用して楽しい経験を得られた、心地よかったといったプラスの体験をすることでユーザーは満足し、繰り返しそのプロダクトを利用する、よいクチコミを広めるといった行動を起こします。
ユーザーが製品やサービス(プロダクト)に愛着を持つ(=エンゲージメントが高くなる)ことで、増客や客単価の向上といったビジネス目標を達成することができます。
UXを向上させることを目的としてプロダクトを設計することを「UXデザイン」と呼び、Webサービスを中心に重要な考え方として広まっています。「ユーザーの評価が低い」「ユーザーが増えない」「リピート率が悪い」といった既存サービスの課題を解決するほか、新商品の開発時にも導入されています。
UXデザイン例
UXデザインは、私達の身の回りでもしばしば実践されています。
<身近なUXデザイン例① バルミューダ ザ・トースター>
2015年に発売されたバルミューダ ザ・トースターは、ただパンをトーストするだけの道具としてではなく、トーストしたパンを食べて得られる嬉しさや感動という体験を提供したいというコンセプトで開発されたプロダクトです。
『もし、毎朝のパンがとてもおいしく、朝食がとても楽しかったら。その日は少しだけよい日になるに違いありません。(バルミューダ公式サイトより引用)』との言葉通り、多くの人をその焼き上がりで感動させ、トースターとしては異例の2万5千円という価格にも関わらず大ヒットしました。
参考:バルミューダ株式会社
UXデザインの考え方
その他の身近なUXデザイン例と、UXデザインの考え方はこちらの記事をご覧ください。
UXデザインの資格とは?
UXデザインの資格としては国内唯一の「人間中心設計スペシャリスト/専門家」があります。運営しているのはHCD-Netで、受験者数は毎年右肩上がりです。
「知らない」という方もまだ多く、ご存知だとしても「難しそう」「怖そう」「厳密なプロセスを踏んでないとダメそう」「大量の案件をやらないと受験できなさそう」といった誤解も多いようです。さらには「資格なんて意味ないよね、やっぱり実践だよね」という声も…。
UXデザイン資格取得までの勉強方法は?
こちらの記事では、資格取得までの勉強のリアルや資格取得のメリットをご紹介、UXデザイン資格の意義について考察しています。
UXデザインを仕事にするためのスキルは?
まだ職種としてあいまいな点も多いUXデザインに携わるUXデザイナーという仕事。必要なスキルはなんとなくイメージできるけど、どのようなキャリアを積んだらなれるの?と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
UXデザイナーの仕事内容
ユーザー体験の向上を目指して、製品やサービス全体を設計・改善するのがUXデザイナーの仕事です。具体的には次のような業務を行います。
<UXデザイナーの主な仕事内容>
・ユーザビリティ調査や市場調査と分析
・プロダクトとユーザの出会いから利用まで、ユーザ体験全体の設計
・プロトタイプや成果物の評価・分析
・最終成果物を作り上げるためのエンジニアやWebデザイナーとの折衝やすり合わせ
・ユーザと接する部署を通じてのユーザーインタビューやアンケートの実施
上記以外にプロトタイプの作成や最終成果物のデザインなどの業務も兼ねることがあります。
必要なスキルやマインドセット
上述の仕事内容を見ると、UXデザイナーの仕事内容はかなり広範囲に渡ることがわかります。プロダクト全体の設計に及ぶため、関わる人も多そうです。
そのため、マーケティングやデザイン、人間工学、心理学に関する知識や技術もさることながら、高いレベルのビジネス力が必要とされます。
<UXデザイナーとして必要なスキルやマインドセット>
・顧客視点
いつでもユーザのニーズを理解し、ユーザの立場に立ってものを考えられること。
・分析力
調査結果を適正に分析して、現状の課題やゴールを見極められること。
・コミュニケーション力
アイデアを伝える手段をたくさん持っていること。ユーザや関係者を上手く巻き込めること。
・実行力
描いた理想を最終成果物までもっていけること。
はじめからこのようなスキルを兼ね備えている人は多くはありません。Webデザイナーやディレクターとして経験を積みながらビジネスマンとしてのスキルを磨いた後、UXデザイナーとしてステップアップする人が多いのもうなずけます。
★実際にUXデザイナーを募集している企業はどのような人材を求めているのでしょうか。求人情報をのぞいてみると、実際の状況がわかりそうです。こちらの記事をご覧ください。
UXデザインを会社に依頼するには?
UIデザイン/UXデザイン会社に依頼するとどのような仕事をしてもらえるのでしょうか。
UI/UXデザイン会社に依頼できること
UIデザイン会社やUXデザイン会社に依頼した場合、ただデザインを作るだけでなく、深くプロダクトに関わって設計を進めていきます。
<行われる業務の一例>
・使いやすいデザインやインタフェースの設計
・プロダクト全体に関わる体験(UX)の設計
・プロトタイピング
・ユーザーテスト、調査、分析、評価
・デザインを通した課題の解決、コンセプトメイク など
UIデザイン会社やUXデザイン会社に依頼した場合、Webデザイン会社で行われる業務に、コンサルティング的な要素も加わります。ただデザインを作って欲しい・きれいにして欲しいというのではなく、ビジネス上の課題を解決するためのデザインを目指すことができるのです。
依頼時のコツ~ビジネス上の課題や目的を整理しておこう
UIデザイン会社とパートナーシップを組むにあたっては、課題や目的を明確にし、具体的な目標を設定することが重要です。
「具体的な目標」に設定されるのは、例えば以下のようなゴールです。
・いろいろな方法があるなかでアプリを使うストーリーにフォーカスしたい
・スマホアプリの評価が低いのでもっと上げたい
・スマホアプリのデザインをリニューアルして、決済額を2倍にしたい
こうした目標は、デザイン会社を選定する上でも重要なポイントとなります。
それぞれのデザイン会社には得意分野があります。例えば目的がスマホアプリの強化である場合、スマホアプリのUIデザインやUXデザインが得意な会社を選ぶべきでしょう。目的やゴールがあいまいなままデザイン会社を選ぶと、ミスマッチが出ることもあります。また、目的によっては、外部委託ではなく内製がよい場合もあるかもしれません。
UIやUXをよくすることで、こういう課題を解決したいんだ・これを達成したいんだという想いを持って依頼することで、よりスムーズに話を進めることができるでしょう。
★こちらの記事では、UIデザイン会社・UXデザイン会社をご紹介しています。
UXデザイン本/初学者のための学習本5選
「UXデザイン」の初学者の皆さまにおすすめの書籍をご紹介させていただきます。
UXデザインの教科書
UXデザインを体系的に学ぶなら:難易度★★
「教科書」という名の通り、UXデザインに関連する非常に幅広い内容について、体型的に勉強することができる書籍です。
UXデザインが必要とされる背景やUXデザインとはどういうものなのかといった内容、及びUXデザインを実施するための一連のプロセスと、それに応じた幅広い手法について紹介しています。
特に実践で役に立つものについて詳細に説明されています。ほとんどの手法に対して参考文献の紹介もあるため、特定の手法について更に深掘りをしたい場合にも役に立ちます。
こんな方におすすめ:
・デザインの知識、実務経験があり、UXデザインについて勉強したい方
・ソフトウェア開発の知識、実務経験があり、UXデザインについて勉強したい方
・体系的な知識を得たいUXデザイナー、UXリサーチャーの方
・製品、サービスの企画や開発に関わる方
・マーケティングやプロモーション、広告に関わる方
UXデザインの活用で売上が7倍になった話
創業当初より、データ活用だけでなく、フィールドワークをベースにユーザーのインサイトを徹底的に追求する株式会社キュービック。多数のメディアを運営するキュービックでは、クレジットカード領域のメディアをUXデザインの取り組みによって売上7倍に導いたという実績があります。詳細はこちらの記事をご覧ください。
UXデザイン・あなたの会社の習慣を変える5つのヒント
UXデザイナーがUXデザインの価値を同僚や上司に認めてもらうために、5つの方法を試してみましょう。
- ユーザー調査はオンラインでおこないましょう
- 成果物はWeb上ではなく、手の届く場所で共有しましょう
- 機能ごとにユーザーストーリーを作って、開発者に共有したり、設計の裏付けをしましょう
- ヤコブ・ニールセンが提唱した10個のヒューリスティックルールをチームメンバーに共有しましょう
- ペルソナを常に掲示して、定期的にユーザー中心の設計になっているかチェックしましょう
それでは本文をご覧ください。
動画でUXデザインを学ぶ
UXデザインを学べる動画一覧です。ぜひ、ご覧ください。
参考:リサーチ結果をデザインに落とし込む際に使える。ムードボードとは?
「ムードボード」とは、プロダクトの関係者の「デザイン」に関する認識を合わせるために作成するコラージュボードです。ムードボードの作成は、主にデザインの方向性が確定していない(明文化されていない)プロダクトに関して有効な手法です。
「リサーチした結果」をデザインに落とし込む際、プロダクトを想起させるワードから画像検索を行いグルーピングするワークショップを行うことで、関係者の認識を合わせることができます。
無料DL|UI改善の基礎
4つのデザイン構成要素を操り、優先順位をつけるための「レイアウト / 配置」「形」「色」「動き」について図付きで解説します(全45ページ)。ぜひUIの改善にご活用ください。